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 番号 日付  題名 投稿者 返信元  読出数
181 8/15(金)
23:54:56
 症状報告(25) ― 退院後の検査  メール転送 芦田宏直  No.124  5033 

 
 今日は、朝から16:00過ぎまで、家内の退院後検査に付き合った。何しろ、自分で長い距離を歩けないから(長いと言ってもまだ5メートルも歩けない)、私が付き合うしかない。彼女よりも大切にしているクルマなしには、こんな付き合いはしない。

 私の車の特徴は、とにもかくにも、エンジンにある。エンジン性能と言えば、普通、高速走行性能を意味するが、それは半分ウソ。病人を乗せて低速で走っていても高性能エンジンはそれらしい“性能”を発揮する。信号の短い区間でアクセルを踏んで、またペダルから離して、を繰り返す場合、ペダルのon,offにこまめにクルマの動きが反応する。エンジンのダメなクルマは、1速、2速のローギアでも(アクセルoffにしても)クルマが減速せず“転がる”。最悪のエンジンを使った耕耘機などは、(アクセルoffにしても)ほんとうにいつ止まるかと思うくらいに回りっぱなしだ。

 エンジンの各パーツ(ピストン、コンロッド、バルブなどhttp://homepage2.nifty.com/vatabo/yougo0a.html)が回転や作動と関係のない過剰な自重をもっていたり、偏重したりしていると一度回り始めたエンジンはアクセルのon,offに関係なく回り続ける、という傾向(まさに惰性)を持ってしまう。軽々と回転が上がる高性能エンジンは、したがって回転落ちも早い。ブレーキを使わなくても、アクセルのon,offでクルマをコントロールできる。高性能エンジンのクルマは、高速道路だけではなく、街中でも、病院へ連れて行くときも楽しいのです。みなさんもクルマを試乗するときは、アクセルoffでどの程度クルマに制動がかかるかためしてみましょう。

 ほとんどのクルマは、何事もなかったかのように転がる。これは危険だ。クルマは(トラクションhttp://www4.justnet.ne.jp/~makoti/enginer00-10.htmがかからずに)転がっているときが一番挙動が不安定なときなのですから。特に燃費性能を稼ぐためにハイギヤードになっているクルマは、回転落ちの悪さがそれに加わって、高速走行ではサイテーの挙動を示します。エンジンはアクセルonのときよりも、アクセルoffの時の方が、その特性を理解しやすいと言えます。ちょっと自分の車で試してみてください。

 今日の家内の検査は、久々のMRI検査。パルスの4クール目に採った断層撮影(約二ヶ月前)よりもはるかにクリアになっていて(そのときでも数値的には問題がないと言われていたのだが)、脊髄の中にほとんど白い影がなくなっていた(ミエリンの炎症が治まっているということだ)。そのあとのリハビリも順調だったが、入院中の患者が(毎日の院内リハビリで)、家内が退院するときよりもはるかに動けるようになっていて、ショックだったようだ。自宅療養でのリハビリにはやはり限界がある(私が手伝わないのも原因だが)。

 経口ステロイドは確実に効いているのだろう。しかし一日に何度も胸から下をおそってくる“ビリビリ”が相当のものらしい。車椅子で移動しているときにも、「止めて」というくらいだ。この“ビリビリ”がなければ、歩行練習はもっと容易になるのだが、動き始めるとこの“ビリビリ”がはじまるため、なかなかリハビリもはかどらない。しかし、“ビリビリ”の回数も徐々に減り始めている。経口ステロイドも3錠にまで減ってきた。いいことだ。

 病院は、いつも満員だ。家内の担当部署は、神経内科だが、この受付には10人前後の女性がいるにもかかわらずまともな対応ができる受付は一人しかいなかった(2時間何もせずに見ていたから間違いはない)。毎日何十人と、よく読めばわかることを訊ねてきたり、自分勝手なことを要求したり、やけに慣れ親しくされたりすると、自分自身の根性も曲がってしまうのかもしれない。対応は対応の客に似るのである。絶対に間違っている、などという客を相手にする商売などしない方がいいのかもしれない。たしかに2時間の私の観察では、まともな来訪者は一人もいなかった。

 家内のリハビリに対応する「理学療法士」という仕事も大変な仕事だ。まともに立てない、歩けないという人たちを起こしたり、抱えて立たせたりしながら、歩けるようにする、という仕事だ。相手は、受付以上にみんな病人だから、まっさきに心の病人たちばかり。私が見学した限り、ここでの病人は、猜疑心が強いか、気が小さい(臆病)か、わがままかのいずれかだ。こんな仕事をしていると〈人間〉を好きになるのだろうか、嫌いになるのだろうか。

 ここの様子を見ていると、21世紀は〈人間〉の世紀だと思った。DNAやバイオテクノロジーによる生命の工業化とは関係のない、IT化が及ばない領域がここにはある。21世紀はその意味で、医療と教育の時代のような気がする。

 ところで、家内の担当の若い美しい「理学療法士」Sさんによれば、糖尿病をなめてはいけないらしい。ガンは(今となっては)治るが、糖尿病ほど癖の悪い病気はないらしい。みなさん、小便に泡が出るようになったときは、要注意ですよ。


124 家内が緊急入院しました。 メール転送 芦田宏直 ↑この記事を引用して返信を書く
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