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 番号 日付  題名 投稿者 返信数  読出数
1013 2/10(木)
00:02:14
 車椅子文化の手作り  メール転送 芦田宏直  6439 

 
家内の(http://www.ashida.info/jboard/read.cgi?num=124)車椅子を物色していたのだが、なかなか気に入ったものが見つからず苦労していた。最初に気に入ったのが、ドイツマイラ社(http://www.meyra.de/_perl/main.pl)の車椅子(http://www.e510.jp/upload/541/image05A-02.jpg)。

この車椅子は、タイヤが空気タイヤではなく、独特のしなやかな走行性があり押していても楽しかった。マイラの最大の欠陥は、重量。20キロ近くあり、クルマのトランクに入れるのが大変。私の(家内の)場合、病院へ行くくらいがほとんどの利用ケースだから、利用は車なしにはありえない。そのたびにトランクへの出し入れが必要になる。そうなると20キロの重さは大変。それだけ考えただけでも、家内を連れ出すのが億劫になる。価格も24万円もする。通常の車椅子の2倍から3倍もする。

次に検討したのが、東京芸大のデザイナーが自己出資して作ったMOVE(http://www.move-inc.jp/)という車椅子。ビッグサイトの国際福祉機器展で見つけて、わざわざ自宅まで持ってきていただいたが、折りたためないのが欠点。しかしその分剛性は申し分なく、デザインは素敵。しかし、これもマイラ並みの重さ。それに40万円もする。最終的には車に乗らないので断念。

私は、ここ2,3年の病院通いで(広尾日赤病院、河田町女子医大)多くの車椅子を見てきたが、とにかく車椅子は陰気でダサイ。あんな乗り物にのればどんな人も病人になる。それに押す人も暗い。もっと楽しそうに押さなきゃ意味がない。私の場合は、家内よりも私(それを押す私)が気に入ることを最優先して捜していたが、車椅子文化は補助金(国からの助成金)文化であるゆえに、ろくな製品がない。機械文化(工業品)としての偏差値が低い。その点、マイラは気品があるし、MOVEも立派な車椅子だった。

マイラを1ヶ月ほど使わせていただいていたが、重さが気になり、そうこうするうちにOXエンジニアリング(http://www.oxgroup.co.jp/)のインテグラル(http://www.oxgroup.co.jp/homepage/page/page2.htm)という商品をインターネットで見つけた。この製品の特長はタイヤフレームがワイヤースポークではなく、カーボン製ホイールであること。だから10キロ以下になる。全体に小振りでトランクにも入りやすい。ただし価格はやはり30万円近くになる。下手な中古車よりも高い。

車中心の移動の場合は、マイラよりも、この「インテグラル」の方がいい。自重自体が軽いので、家内が自走する場合にも軽快。マイラと並行して1ヶ月くらい使ったが、乗り味の「マイラ」も軽さの「インテグラル」(の魅力)には勝てない。そこでこの3,4ヶ月の検討の結果、「インテグラル」に決めた。「マイラ」がアルピナとすれば、「インテグラル」はポルシェという感じか。甲乙付けがたいが、トランクの出し入れを考えると「インテグラル」しかない。昨日8日の火曜日納品されて、今日は早速女子医大の検診日で使用してきた。

インテグラルは、完全受注品。フレームの色から、シートの色まですべて個別に注文できる。フレームはツートンカラーまで選べる。タイヤのサイドカラーが黄色なので、それに合わせてフレームを黄色に近いゴールドにし、フレームがタイヤ内に隠れるところからは濃い緑色にしてもらった(ツートンフレーム)。写真参照のこと。

ところが、ツートンの境目(グラジュエーション塗装)が、右と左ですこしずれている。電話をして、文句を言うと「インテグラルはすべて手作りですので、少しはそうなります」と言われた。私は「“手作り”とは、機械製品よりも精緻な仕上がりのことを意味するのであって、言い逃れのために“手作り”という言葉を使うのは、職人に対する差別」と“反論”した。明日か明後日見に来てくれることになった。昔もポルシェのショールームに行ったとき、ドアと本体の隙間が等間隔ではなかったので、「ずれているよね」と指摘すると「手作りですので」とバカなことを営業が言っていた。

人間の精度は、機械精度よりも劣るとの思いこみが強すぎる。90年以前のポルシェの方がポルシェらしい精度に満ちていた。それ以後ポルシェは大量生産品になったが、アルピナはいまでも年間500台しか作らない。その分手作りの精緻さに満ちている。そのことを思い出しながら、この車椅子業者の人たちは、自分たちの商品精度を“手作り”という言葉で騙してきたのかな、とも思った。もう一つ思ったのは、車椅子障害者に対する差別もあるのかな、ということ。車椅子利用者は、もっと車椅子に対する要求の声を高めるべきだ。そうでないと業界偏差値も高まらない。

格好いい車椅子、優れた車椅子なんて、たしかに、表に出るオカマの様に(オカマは歌舞伎町の闇に隠れてこそオカマ)、矛盾概念だが、しかし弱者業界は厳然と存在するし、その自己意識もプライドも存在するはず。自らを貶めるような製品は作るべきではない。
 


1013 車椅子文化の手作り by 芦田宏直
    ┣ 1014 返信: 車椅子文化の手作り ― 格好いいレガシーって何だ? メール転送 芦田宏直
    ┣ 1015 返信: 車椅子は、〈外出〉のツールではない。 メール転送 芦田宏直


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