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『本むら庵』『王将』『??』『広味坊』 ― 〈経営〉は難しい[日常]
(2001-08-17 22:18:22) by 芦田 宏直


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もうお盆休みも終わりだということで、久しぶりに、荻窪(上荻2丁目)の『本むら庵』(http://www.geocities.co.jp/Foodpia/2329/soba/suginami_honmuraan.html)に昼食のおそばを食べに行って来た(8月15日)。もう6,7年ほど来ていない。

昔はいつ来ても満員ではやっていた。それもあってかいつのまにか店も駐車場もリニューアルされていて、ほぼ倍の大きさになっていた。従業員の数も10人を優に超えている。従業員の数も5年前の倍以上だろう。駐車場にも誘導員がいるのにはまいった。こんな大きな“そば屋”になるなんて。

 売上を大きくするには、規模を大きくするか、価格を引き上げるか、どちらかだ。価格の引き上げには、限界がある。あるいは安くして売上を大きくするマクドナルドやユニクロ、吉野家のような戦略もある。ただしこれは多店展開の成熟点でのことだ(多店拡大化でもっとも恩恵を受けるたとえば広報費が一店あたりの売上比コストとして5%~10%以下くらいにならないとこういった戦略はとれないだろう)。

 結局、規模を大きくするしかないのである。規模を大きくするとコストも上がる。そうすると利益(利益の絶対額の大きさ)と利益率が問題になる。利益率が多少悪くなっても売上全体がのびれば、利益の絶対額は上がるということがあるが、はやっている割には青息吐息ということになる。糸はどんどんのびているがタコ自体はさして上昇しておらず、ひたすら全力疾走している自走のみが、タコの浮力を支えているようなものだ。かといって利益率に拘泥してしまうと、拡大した意味がなくなる。拡大の意味は社会的な貢献や影響力、ミッションとしての経営の精神であって、それはすべての経営者の夢にかかわっている。

 ホンダと組んで超メジャーなF1で勝ち続けた「闘将」フランクウイリアムズ(http://sports.yahoo.co.jp/f1/2000/teams/wil/)でさえも、「夢は市販車を作ることだ」と言っていたことがある。フランクウイリアムズでさえそんなものかな、と思って当時聞いていたが、彼も〈拡大〉の問題に悩んでいたのだ。

 あるいはBMWのチューニングメーカーで有名なアルピナ(http://www.alpina.de/deutsch/automobile/index_d.htm)は、バブル期も生産台数をむやみに延ばさなかった。アルピナ社社長のボーフェンジーペン(http://www.carview.co.jp/browse/BMWALPINA.asp)は、そのとき、自分たちの作る車の味(エンジンチューニングやサスペンションチューニングの味)がわかる人たちが世界大であってもそんなに多いとは思えないと言っていた。二人とも、経営(経営の規模)とは何かをよく理解していたのである。

 〈拡大〉には、たんに自社が扱う商品の品質(あるいは品質管理)の問題だけではなく、社会的な(社会的な変化に対する)洞察が必要になる。ここを見失うと過剰投資となって、後退できないまま、破滅してしまう。

 『本むら庵』では、〈利益〉と〈利益率〉との関係はどうなっているのだろう。そう思いながら久しぶりの「せいろ」(『本むら庵』の代表作:普通で言う「もりそば」)を待っていた。昔はこの「せいろ」を7枚頼んでそれを一人で食べたことがあったが(隣の若いカップルに変な目で見られたことがあったが)、今日は3枚にしておいた。相変わらずぶつぶつと切れる細い、白い麺で、特徴のあるものだ。昔ほどのおいしさを感じなかったのが残念だった。私はここの「せいろ」よりは「田舎そば」(黒い、太い、堅い麺)の方が好きだったが、いつ来ても売り切れで、今回もやはり売り切れ。午前中に来ないとダメらしい(人気があるというよりも作る量が少ない)。いずれにしても、従業員が多くて、客席数が50以上もある“そば屋”というのはどこかおかしい。『本むら庵』の「せいろ」くらいなら、私の家の近くの『蘆花庵(ろかあん)』(http://www2s.biglobe.ne.jp/~doniwaho/page0101.htm)の「もりそば」の方がはるかにおいしいと思う。誰が見ても入る気の起こらない汚い、小さい“そば屋”だが、“そば屋”なんて、そんなものだろう。それでいい。

 昨日のそういった“外食”にちょっとしたショックを受けていたので、今日(8月16日)は“食”に欲求不満がたまっていた。テレビを見ていると餃子を食べているシーンが一瞬目にとまり、急に食べたくなった。餃子といえば、“餃子の王将”だ(そんな店しか浮かばないのが寂しい)。私は京都出身だが、京都には『??』(みんみん)という餃子の店があって、家族と一緒に四条大宮の『??』(みんみん)で餃子を食べるのが楽しみだった(今から40年ほど前、私の小学生時代の話)。『??』(みんみん)の餃子は皮が薄くてしかも餃子同士がこんがりこげたままぱりぱりになってくっついて出てくるのが特徴で、それをはぐようにほぐして食べるのが楽しみだった。

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