今日は、CSV-S55(http://www.sony.jp/CorporateCruise/Press/200204/02-0415/)の「利用者座談会」に参加してきた。場所は、表参道駅徒歩1分の「アクセス表参道」5F(東京都港区北青山3-6-17)。表参道なんて滅多に行かないところだが、神宮の銀杏並木に趣があった。このあたりの銀座線の駅の乗客はハイカラさんが多くて乗っているだけでも楽しい。実はこのあたりの駐車場は伊藤忠ビルの大駐車場(あの周富徳のレストランhttp://gourmet.zubapita.com/item/300/i14095680/がある地下の駐車場: 北青山2-3-1 CIプラザビルB1)しか知らないので(私の貧弱な青山経験ではこの駐車場が一番無難で安全)、そこに駐車して、銀座線の「外苑前」から「表参道」まで一駅“旅行”した。
この利用者座談会は『レアソン』(http://www.re-a-son.com/)という渋谷にある調査会社がSONYの委託を受けての座談会だ。21日の木曜日、突然携帯電話に電話がかかってきて、参加してもらえませんか、となった。私はSONYSTYLEでCSV-S55を買ったので、その登録データからの連絡だったのだろう。こういった調査は前にもVICTORのHM-DH30000 (http://www.jvc-victor.co.jp/products/vcr/HM-DH30000.html)のときに参加したことがあった。どちらも2時間程度で10,000円出る(この金額がこの種のイベントの相場のようだ)。ちょっとした食事ができるし、商品について言いたいことはたくさんあったので、忙しい最中だが引き受けた(25日月曜日には講演が控えていて、まだ原稿が完成していないというのに。いっそのこと『コクーン』論というタイトルで講演した方が盛り上がるかもしれない)。
出席者は7人。レアソン社からは3人。出席者の年齢の平均は、30才後半といったところか。最初軽い自己紹介をしてから始まったが、レアソン社の司会がいくつかの質問をするという形のものだ。たとえば、質問は以下のようなものだった。
1)地上波、衛星波、ケーブルテレビなどの家庭での視聴状況はどんな状況か
2)どういった媒体でCSV-S55を知ったのか
3)どこで買ったのか
4)いくらで買ったのか
5)どんな買い方をしたか(知ってすぐに買ったのか、視聴してからかったかなど)
6)CSV-S55の価格は妥当だと思うか
7)CSV-S55の出・入力端子にどんなものを繋いで使っているのか
8)リモコンのボタンで主に使うものはどのボタンか
9)その他
以上、こんな質問、わざわざ忙しいときに人を集めて聞く質問でもないだろうというような質問で1時間半続いた。こんな質問はあらかじめ紙のアンケートで済ましておけば書記(会場には女性の書記がひとりいた)など用意することもなくより正確により詳細に記録が取れるはずだ。さらに時間がかかったのは、このくだらない質問を一問一問、ひとりひとり順に聞いていくからである。つまり「座談」会ではないのだ。ときどき私が割って入って座談会のようにしようとしたが(それなりに盛り上がる気配はあったが)、この輪番応答は最後まで続いた。得るものはほとんどなかったといって良い(もっともこれはお金をもらったモニター仕事なのだから、こちらで得るものはもともとないと割り切ればわりきれそうだが)。
私は、CSV-S55の(革命的な)利便さに疑いはなかった。それは参加者一同の一致した見解だった。ただし私がわざわざ参加したのは、その調子で『コクーン』はもっとすばらしいものになっているだろうと錯覚するユーザーがいることに警鐘を鳴らすためだった。というより、『コクーン』の“退歩”を見定めながら、この有望な商品の将来をユーザーや関係者と一緒に議論したかった。私を除いた6人の内、1人だけが「コクーン」も買っていたが、残りの5人はまだ買ってはいなかった。形式的な会話が繰り返される中で、何度か「『コクーン』はひどい」という発言を繰り返した。司会者は、「ここだけの話にしてください」としか言わずに、そのつど「では次の方」と相変わらず盛り上がりかけた議論を遮り続けていた。帰りのエレベータの中で、その5人が私のところに集まってきて、「芦田さん、今日は来て良かった。『コクーン』、実は買いたかったんですよ」と口々に言われた。「絶対止めた方がいい。買うんだったら、(CSV-S55の改良版の)CSV-S57(http://www.jp.sonystyle.com/Product/Channel/Csv-s57/index.html)をもう一台追加した方がいい(この理由は後述)」。「そうですよね」なんて最後の会話をしながら各人表参道駅を後にした。この最後の会話だけが「座談」になっていたのである。