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今年の11月刊行予定の書籍の「序文」ができあがりました(少し序文も長くなりました)。あとは、後書きだけです。
※なお文中に表れる(●●●●●●)といった表記は、その直前の語句に降られる傍点を意味します。●の数はその直前に傍点が振られる語数と対応してます。ブログでは傍点を打つ機能がないのでこうなります。あしからず。
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●まえがきにかえて ― シラバス論が書かれなければならなかった四つの理由について
「シラバス論」。奇妙なタイトルを付けてしまったが、文字通りこの本は、「シラバスとはなにか」ということに一六〇,〇〇〇字(昔ふうに400字原稿用紙枚数で言うなら四〇〇枚)も書き込んでいる。たぶんこんなタイトルの本は、この本の前にも後にも出てこないだろう。それでも、この本については、「シラバス論」以外のタイトルは思いつかなかった。出版社が渋ってもゆずれない思いで、このタイトルにしたのである。
というのも、今日の教育の現状を考える上で、シラバス(授業計画)に対する教員の態度をみることは決定的なことだと思ったからだ。文科省の諸施策も含めてあらゆる大学改革が頓挫するのは、シラバスに対する関心が大学内外において薄すぎるところから来ている。下手をするとシラバスさえ書けない教員がいる。そしてシラバス書式を少し変えるだけでも、教授会では「面倒くさい」と内心の声が上がる。シラバスは教育活動の外にあると思われており、学生サービス(●●●●)の一部くらいの位置付けしかない。
そもそも本稿に登場するそこそこの教育学者たち(特に「教育方法論」の研究者たち)でさえシラバス書式はアメリカ型をそのままコピペしていると言っていいほどだ。そのコピペした書式を国内でもまたコピペして使って、各大学のシラバスが存在している。→大学カテゴリーランキング
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