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機能主義とメディアの現在−情報社会とデータベースと人間の死と(講演) ※補論:土井隆義の『個性を煽られる若者たち』における個性論[講演関連]
(2011-04-18 17:17:12) by 芦田 宏直


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※この講演は「知的生産の技術」研究会(http://tiken.org/modules/news/article.php?storyid=66)の定期セミナーに呼ばれてお話ししたものです(昨年の12月13日、虎ノ門商工会館)。知研の八木哲郎前理事長とは、現在の理事長・久恒啓一さんとも長い付き合いで、生涯学習組織の理想的なモデルとでも言うべき活動を行ってきている会です。八木先生が師と仰ぐ梅棹忠夫の『知的生産の技術』(岩波新書)自体が「生涯学習」の宣言とでも言うべき名著でした。八木先生は梅棹の『知的生産の技術』をまさに“実践”されたわけです。そんな会のセミナーに呼ばれて(これで2回目の登壇ですが)、ちょっと張り切りすぎました(笑)。文字興しは八木先生自身がされて、それに修正・補筆を加えています。見出しはもちろん後から私が付けたものです。講演(トーク)に後付で見出しを付けていますので重複もありますが、お許し下さい。
※八木先生と私の交流についてはこちらに比較的詳しく書いてあります→http://www.ashida.info/blog/2006/10/post_169.html#more

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1)はじめに
●寝ても覚めても「形而上学」とは何か、が問題です

2)機能主義とは何か
●機能主義の起源はパブロフの犬
●機能主義はインプットとアウトプットの〈中間〉にあるものは無視する
●コントロールできないものとコントロールできるもの
●サイバネティクスの原理は「実際の」行動に対応すること
●フィードバックシステムとは「思考」と同じ(=考える機械)
●機能主義から行動主義へ
●チューリングテスト

3)機能主義の蹉跌
●フレーム問題
●〈関係のないもの〉を無視する、忘れることができる人間

4)環境とは、後からやって来るもの
●因果を辿れない「環境」
●自伝は、自分の人生を二度殺しているのと同じ

5)データベースと後悔
●〈後悔先に立たず〉を解消するためのデータベース
●なぜ〈検索〉なのか

6)近代の問題
●近代的主体性=自由の問題 ― 人間性をいうのは差別主義、階級主義
●マークシート試験、○×試験、選択問題こそが、近代的自由の源泉

7)Twitterにおける自由と平等
●検索主義の解体
●Twitterにおけるストックの時間性 ― 専門性とは入力と出力の間に時間差があること
●ハイパーリンクの課題 ― 強力な学びの主体がないと機能しない

8)Twitterにおける検索主義の解消
●Twitterの5つの特徴
 1) Twitterはデータベース(ストック)ではない
 2) 単にフローではなく、〈現在〉を共有している
 3) 現在の共有=inputとoutputとが同時に存在する
 4) 情報の先に、いつも同時に書き手と読者が存在している(情報の身体化)
 5) この書き手と読者との同時存在は、いつも断片化し、ストック化に抗う

9)1990年前後から始まったオンライン自己現象
●ネット上の人間関係でしか自己を形成できない人たちの群れ
●ハイパーメリトクラシー教育

10)消費社会とオンライン自己
●消費社会の深化はストック人材をますます不要にしていく
●「主体」が未形成の人に「主体」を強要する矛盾

11)IT社会(高度情報化社会)とオンライン自己
●人間関係重視の社会
●高卒求人数の10分の一の激減
●「主体」が未形成の若者に「主体」を強要する矛盾
●小さな共同体における他者の肥大
●内面の肥大とTwitter現象
●現在を微分することの他者化機能

12)Twitterの〈現在〉の限界とポストモダン
●現在の微分は、身体と死の微分
●「時間を忘れること」と「死を忘れること」
●「セックスなう」と「死ぬなう」

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補論:土井隆義の個性論(『個性を煽られる若者たち』における個性論)

●個性とは、内在の別名か?― 土井隆義の個性論(1)
●〈現在〉を書き留める「濃密手帳」― 土井隆義の個性論(2)

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