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13日日曜日朝刊全紙の福島原発に関する”専門家”の発言を集めてみました(これでほんとんど全部です)。[社会・思想]
(2011-03-13 22:32:22) by 芦田 宏直


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朝日、読売、毎日、産経、日経全紙から、集めてみました。識者の発言取材が一番充実していたのは毎日新聞、読売新聞。貧弱だったのは朝日新聞、産経新聞です。

読売新聞(大阪本社13版)

●多量の 放射線被爆・白血病発症も
原発周辺で毎時1015マイクロシーベルトの放射線量が測定され、その後線量が下がったとしても、かなりの放射能が漏れていたことになる(東京女子医大放射線腫瘍科教授・三橋紀夫)

●前例ない事態
「格納容器内で発生する水素が建屋に多量に漏れ出たとすれば、同様に放射性物質もかなり漏れ出ているのは確実だ」「水蒸気を逃せば水が減って炉心溶解の危険が高まるのはあきらかで、そもそも対策自体ジレンマを抱えている。ただ他に手がなく前例もない事態で、その後に何が起こるのかは誰も予測ができなかった」(京都大原子炉実験所・今西哲二助教)

●防げた事故
「大変深刻な事故だ。超高温になった核燃料の被覆菅に冷却水が触れて水素が発生し、建屋内の空気と交わって爆発したのだと思う。水素は、格納容器内の出入り口に設置された弁などのすきまから建屋内に漏れることもある。今回の事故は、故障した非常用電源をバックアップする作業にこだわりすぎた感がある。12日朝から始めた、仮説消防ポンプで水を注入し、原子炉の温度を下げる作業をもっと早くしていれば、防げた事故だと思う」(大阪大学名誉教授・宮崎慶次・原子力工学)

●記事内
「もし炉心を含む圧力容器が破損して核燃料が大気にさらされ、多量の放射性物質が放出されたとすれば、検出された毎時1015マイクロシーベルトという放射線量は少し低すぎるのではないか。中心の圧力容器そのものに大きな損傷はなく、原子炉建屋だけが爆発して、そこにあった放射性物質だけが放出したと考える方が妥当ではないか」(放射線医学総合研究所放射線安全課・菅原幸喜課長代理)

「原子炉建屋は鉄骨だけ残してコンクリートがなくなっている。建屋内の圧力が急激に高まって、外壁が耐えられなくなったのだろう。格納容器内の圧力を下げようとする作業中に高圧の蒸気が噴き出し、急激な圧力変化に耐えられなかったのではないか」(元日立製作所常務・荒井利治)

「骨組みだけになった建屋の映像を見る限り、内部で爆発が起きた可能性が高い。圧力容器や格納容器にも影響が及ぶ事態も想定しておいた方がいいだろう」(元原子力安全委員)

●「最悪でも放射能が漏れることはない」(菅首相)
12日「同日午後に与野党党首会談の冒頭、首相は『今朝6時に私自身、現地に行ってきた』と報告し、さらに『最悪でも放射能が漏れることはない』と述べたという」(記事)

●「東内閣府副大臣視察中に居眠り」
「11日夜に宮城県入りした東副大臣は12日午前7時、仙台市の陸上自衛隊駐屯地からヘリコプターに乗り込み、宮城県亘理町から岩手県釜石市まで2時間半にわたって三陸沿岸部を視察した…宮城県関係者によると上空から見た沿岸地域は、ほとんどの民家が流され、『どの場所も口では言い表せない惨状だった』にもかかわらず、東副大臣は顔をうつむかせて寝ていたという」(記事)。


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日経新聞(東京本社版12版)

●「避難勧告、今後も守って」
「爆発の報告を聞いたときは原子炉を覆っている最後の防護壁である原子炉格納容器が大きな損傷を受けた可能性を危惧したが、大きな損傷はないとわかり、ほっとしている。1989年に旧ソ連で起きたチェルノブイリ原発事故のように、大量の放射能物質が外部に漏れ出すという最悪の事態はとりあえず避けられた。
核燃料が非常に高温にならないと出てこないセシウムが外部で検出されていることから、燃料棒や炉心が溶融したのはほぼ間違いのないだろう。原子力事故としては1979年の米スリーマイル島事故の水準を超えた。スリーマイル島原発では炉心が溶融して放射能が漏れたが、爆発までは至らなかった。
核分裂を止めるホウ酸を原子炉に注入すると、もう原子炉は使えないが、格納容器の災害という最悪の事態を避けるためには仕方がない判断だ。
今後も微量の放射性物質は排出され続ける。避難勧告は今後も守った方がよい」(京都大学助教・今中哲二)

●「最悪の事態は避けられた」
「核分裂反応で出る放射線によって、冷却用の水は水素と酸素に分離している。それを先結合して水に戻す装置が停電のためにうまく働いていない。原子炉を覆う鋼鉄性の格納容器にひびが入るなどして、水素と酸素が漏れ、それが何らかの原因で引火する『水素爆発』が発生した。格納容器の外での爆発だったため、最悪の事態は避けられた。
福島第一原発の正門で検出された1時間あたり1000μSvを超える放射能レベルは信じられない値だ。原子炉格納容器に大きな損傷がなく、放射線レベルも下がったので一安心している。

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