文部科学省の2009年度版「学校基本調査速報」の第二回レポートです。今回は入学者数の推移と学校数の推移を中心に大雑把な評価を試みました。※なお第一回レポートはこちら→http://www.ashida.info/blog/2009/08/2009_1.html
この記事で言及する地域分類は以下の通り(若干実際と違うが、文部科学省の分類も考慮して近似分類としておく)。
「北海道」は、北海道
「東北」は、青森、岩手、宮城、秋田
「北関東」は、山形、福島、茨城、栃木、群馬
「南関東」は、埼玉、千葉、東京、神奈川
「北陸・上信越」は、新潟、富山、石川、福井、山梨、長野
「東海・中部」は、岐阜、静岡、愛知、三重、滋賀
「関西」は、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山
「中国」は、鳥取、島根、岡山、広島、山口
「四国」は、徳島、香川、愛媛、高知
「九州」は、福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島
「沖縄」は、沖縄
今回は、入学者の推移と学校数の推移に絞って報告したい。
背景の経緯として以下のことを念頭に入れておかなければならない。
●18才人口(前者)と専門学校進学者数(後者)
2005年度1,365,804(前年度減少差44,875) 326,593 進学率23.9%
2006年度1,325,722(前年度減少差40,082) 300,834 進学率22.7%
2007年度1,299,571(前年度減少差26,151) 282,019 進学率21.7%
2008年度1,237,294(前年度減少差62,277) 254,749 進学率20.6%
2009年度1,212,499(前年度減少差24,795) 247,842 進学率20.4%
※2005年度が対18才人口進学率 23.9%で、専門学校進学率のピーク。これ以後、専門学校進学率は徐々に減少している。
なお、専門学校進学者数のピークは、92年の364,687。92年ピークの364,687から09年度247,842まで32%(116,845)減少している。
18才人口も92年がピークで2,049,471。そこから連続的に減少して09年度は1,212,499。約41%減少している。
同じ時期の専門学校の減少は32%だから、9%分は経営努力があると見るべきか。
ただし大学の進学者は、92年度ピーク時は541,604。今年の09年度は608,730だから91年対比で112%。18才人口が41%も減少しているのに、実数で12%増加している。
さて、専門学校入学者については、2008年度254,749から2009年度247,842。60,907人の減少。前年比3%減。
入学者数も進学率も下げ率が減少しているが、18歳人口の減少率が低いだけと考えた方がいい。
進学率ピーク時の05年からは(05年から09年の4年間で)、326,593→247,842となり、約26%下げている(上記背景数値を参照のこと)。
これらの背景数値を前提に、今年の数値を、前年度比(08年度比)、三年前比(06年度比)、専門学校進学率が18才人口比でピークとなった05年度比の三つの指標から見ていこう。
前年比でもっとも下げ率が大きいのは、徳島。20%以上下げている(1,073→857)。四国で初めて三桁台の入学者数に落ちてきている。
ちなみに入学者数が3桁に減少している県は、鳥取の477、秋田の677、福井の710、山形の779、滋賀の767、島根の828、徳島の857、山梨の890、和歌山の989。
三桁台の入学者数という点では9県は同じ括りになるが、しかし和歌山は前年対比、3年前対比、05年ピーク時対比のどの時点からも入学者率は増えている(前年対比153.6%、3年前対比134.9%、05年ピーク時対比133.5%)。和歌山はむしろ1000名台を狙う勢いだ。
徳島が深刻なのは、今年初めて三桁台に(大幅に)落ちたということと、連続的に減少しているということだ。全国的に一番ひどい。
徳島は、05年の進学率ピーク時から言えば、1,279(05年)→857(09年)だから、33%減。3年前の06年からでも1,200→857だから28%減。
前年08年度比、三年前06年度比、ピーク時05年度比からの入学者率で三つとも連続的に10%以上、下げ続けてきているのは、徳島、岐阜、京都。
徳島は、09年入学者数857←1,073←1,200←1,279。
※右から順に05年、06年、08年以下同じ。
(前年比79.9%、06年度比71.4% 、05年度比67.0%)
岐阜は、09年入学者数1,432←1,675←1,815←2,064。
(入学者数1432 前年比85.5%、06年度比78.9%、05年度比69.4%)
京都は、09年入学者数5,235←5,870←7,541←7,650。