今日は、「接遇」営業の代表格の一つ、自動車ディーラーに「6ヶ月点検」に行ってきた。オイル代を50%引き、ワイパーブレード20%引きというDMに引きずられて、散髪ついでに行ってきた。
YanaseBMW世田谷支店(でも私は「BMW」には乗っていませんが)http://www.yanase-bmw.com/jp/yanase-bmw/ja/dealer/find_us/department_1.html。
この店で一番気になる「接遇」は、最初の応対。入り口を入って右、エントランス間近にある受付カウンターで「『6ヶ月点検』の予約をしていた芦田です」と言うと、「そちらの席にお座りになってお待ちください」とすぐ応答されることだ(いつでもこの店はそういう応対をする)。営業接客用のいくつかある円卓テーブルに着座することを同伴なく“強要”される。そう案内した受付嬢は、さっさと担当営業をさがすためにカウンターを離れる(私に背を見せる)。
私にはこれが気にくわない。まず「待たされるのか」という認識が先に立つ。だから私はわざとその「席に座ってお待ちください」という忠告を無視して、絶対に座らないようにしている。カウンターの周りをうろつくことにしている。急いでいるということを訴えるようにして(苦笑)。
そもそも予約をしてあるお客を待った状態で迎えないというのはどういうことか。13:30に来るお客様は誰かくらいの意識はしていなければならない(しかも平日なら私一人くらいしかいない)。しかしその受付嬢は、手書きのノートを見ながら、初めて知ったふうに「芦田様ですね」と言う。いわゆるカンペに目を落とすという感じだ。中居君の紅白歌合戦の司会のように。
予約をした段階で担当者がすでに決まっていなければならない。不意の来客対応も含めて、予備の担当者も決まっていなければならない。
朝礼で今日のサービス予約者の確認をしていないのだろう。していたとしても「午前何名」「午後何名」というように数でしか確認していないのだろう。サービスのための確認ではなく、売り上げの確認をしているだけなのだ。これでは朝礼の意味はない。朝礼の最大の意味は今日やること(やるべきこと)をみんなで確認しあうことだ。管理職が始業前1時間以上早く来る意味は、朝礼の内容を、前日の締めの内容を確認しながら練るためのこと。そのためには資料も用意しなければならない。
「芦田さんは新車購入以来もう7年も同じ車に乗っている。しかもいつも車はピアピカ(というメモが残っている)。今でも新車のようだ。しかも特殊な(?)車だ。車好きだ。こういうふうに車を大事にする人ほど、また新車を買いたがる。営業担当はSだけど、上手に対応できていない。どうする、芦田さんに。だれか対応したい人はいませんか?」くらいのことを私が所長だったら必ず言う。これが朝礼の意味だ。
そんな朝礼ができていない。数値を持ち出して目的(ノルマ)が達成できていないということばかりに目くじらを立てる朝礼は三流の朝礼。数値は数値を見ているだけでは解釈できない。
そんな三流の朝礼しかできていないから、「お席に座ってお待ちください」と予約客に言わざるを得ない。予約客にですよ。一見客と同じ扱いをしている。
すぐに席に着かせる、というのは、お客様を待たせるということが前提になっている。苛々させてはいけないから、座らせておけばよいという安易な発想だ。重要なことは、待たせないようにするにはどうすればいいのかなのに、座らせておけば少しくらい遅れても問題ないだろう、ということになる。
しかし自動車ディーラーの「6ヶ月点検」に平日行って、暇そうにコーヒーを飲んだり、展示してある新型車をうれしそうに見ている顧客なんて、いかがわしい顧客に決まっている。私は定期点検の時には、それ用の散髪屋に行くようにしている。だから早くディーラーに車を預けて出て行きたいのだ。理想なら、受付にすぐさま鍵をあずけて、「よろしくね」の一言で済ましたい。これが、このディーラーではできない。
この受付対応と絡んで、もう一つの受付問題がこのディーラーにはある。玄関に乗り付けた車を、その間ずーっと放ったらかし。のりつけたまま、鍵はつけたままだし、玄関通路(アプローチ)をふさいでいる。気にかかってしようがない。
決して広くはない玄関だし、すでに一台か二台、車が停車している場合もあって、玄関アプローチをふさがざるを得ない。エンジンを止めて、鍵を閉めるなんてことをしたら、他の車が来たときに動かせない。鍵をつけたままにして出ざるを得ないのだ。そんな、顧客に配慮を強いるフロント玄関になっている。
順序としては、受付で私を受け付けたら、まずはすぐに車をバックヤードへ移動することだ。そうでないと顧客としては車が気になって気になってしようがない。だって、玄関に車をエンジン付けっぱなしで放置しているのだから。
そんな状態で、「席でお待ちください」と言われて、どう「ゆっくり」できるのだ。
このディーラーは、受付応対に、二重の意味で失敗しているのだ。