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ふざけた話だ(「基本情報」病は重い病か?) ― 昨日の説明会は大成功だったが、それでも許せない連中が2、3人はいた(カリキュラム体系資料付き)[これからの専門学校]
(2009-02-21 23:55:17) by 芦田 宏直


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昨日(もう一昨日になったが)の4年制カリキュラム説明会(http://www.ashida.info/blog/2009/02/it.html#more)で出た質問は、案の定、経産省の「基本情報」、「情報処理技術者試験」(http://www.jitec.jp/1_08gaiyou/_index_gaiyou.html#shikentowa)を外して専門学校がやっていけるのか? というもの。また「基本情報」をやらずして就職は可能なのかというもの。

未だに専門学校からこんな質問が出る。「ふざけやがって」という感じだ。

何度も言うが、では経産省の「基本情報」をかかげて成功している専門学校がどこにあるというのか。何度も言うが、では「基本情報」をとらせてまともな就職をさせている専門学校がどこにあるのか。そんな学校はない。断言してもいい。

逆の言い方も出来る。「基本情報」以外のことをやって大丈夫なのか、という疑問を100歩譲って認めたとしても、それでは、そう「心配」している専門学校は「基本情報」以外の何をやれるというのか。「『基本情報』以外のことをやって大丈夫なのか」という「心配」が「できる」ためには、「基本情報」なしでもカリキュラムができる、人材教育が出来るという能力を前提していなければならない。本当にそんな能力があるのか?

あるわけがない。要するに現在の専門学校の現状は、やれても「基本情報」どまりなのである。それは「基本情報」を意識的に目標にしていない学校でさえそうだ。その意味では「基本情報」を目標する学校の方がまだまし、と言える。

いずれにしても「基本情報」以外のことをやっても大丈夫かというのは、専門学校の無能力の表現(無能力の心配?)にすぎない。

そもそも「カリキュラム」さえ存在していない。「時間割」が存在しているだけである。「カリキュラム」と「時間割」との違いさえわからない。

「頭のいい」文系大学生(さえも)が一人で勉強しても取得できる程度の「基本情報」を、専門学校が2年間かけてやっと取れる現状(それでも専門学校の平均合格率は40%以下だろう)で、「『基本情報』を外してもいいのか」というのは、どういう質問なのか。私には理解できない。

要するに、「まともな勉強さえ出来ない偏差値40の学生に、やっと『基本情報』を取らせました。学校のプレゼンスはありませんが、「経産省」のお墨付きです。それでお許し下さい」というのが、この質問の意味するところである。要するに専門学校唯一のプレゼンスを外して大丈夫なのか、というのがこの質問の意味。

ふざけた話しだ。偏差値40の学生しか相手に出来ないのは、(できても)「基本情報」くらいしか教育目標に出来ない専門学校教育の現状の結果であって、その逆でない。

学校の教育(体質)に問題があるにもかかわらず、それを学生のせいにしている。問題を解決する方向にではなく、棚上げにしようとしている。偏差値40なのは、学校の教育や教員の値であることを忘れている。学校に実質的な力がないのにどうやって「一流」の学生が来るというのだ。自分の無反省を忘れて、わざわざ高い金を払って入学してくれた学生にケチを付ける。どういうことだ。だから専門学校は誰にも相手にされない。

さらにこんな質問も出た「『基本情報』は大学のその分野の先生方や企業の人の意見も聞いて作った人材像に基づいて出来ている資格。そんなに軽々しく扱ってはいけないと思う。『基本情報』もまた産学協同の成果ではないか」。

何を言ってるのか(怒)。ではその(偉い)教授達の学校で、「基本情報」カリキュラムをやっている学校はあるのか。東大、東工大、早稲田、慶應、あるいはその周辺校から「二流」と言われる学校も含めて、どこの大学工学部のIT系教育で「基本情報」カリキュラムをやってるのか。どこにもない。それは情報処理学会がアメリカの情報教育を元にして作った「J07」カリキュラム(http://www.ipsj.or.jp/12kyoiku/taikai70sympo/index.html)も同じこと。

その連中も(エライ)自分たちではやろうとも思わないカリキュラムを作って、「何も出来ないのならこれくらいやっておけば」と言っているだけ。乗ってくるのは三流以下の大学にすぎない。その延長の末席に専門学校の情報系が存在している。ふざけた話しだ。

基本情報のお膝元の「IPA」(http://www.ipa.go.jp/)でさえ、人材確保のウイングを広げたい(つまり大学文系にもIT業界に入ってもらいたい)と思って作っている「基本情報」になぜ「専門」学校の情報系がのっからなくてはならないのか。

乗っからざるをえない理由についてはもう何度も書いているので(http://www.ashida.info/blog/2008/10/1.html)、ここでは触れないが、就職が出来ないのではないかという質問については実績だけ触れておく。

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