9月21日のトピックで紹介したカナダモントリオールでの世界MS会議の中原仁氏たちの研究(http://www.ashida.info/blog/2008/09/ms_tip30.html)がこの間の12月23日、プレスリリースされました。その内容を手に入れましたので、ご紹介します。素人の私なりの解説文はまた後でUPします。対処療法ばかりのMS、NMO治療の限界を超える試みの一つとして大変注目されます。
●神経難病・多発性硬化症:『治らない』原因を特定
慶應義塾大学医学部神経内科及び解剖学教室の研究グループ(鈴木則宏教授、相磯貞和教授、中原仁講師)※1は、神経難病・多発性硬化症※2に対する再生医薬開発研究※3に取り組んでいます。多発性硬化症では傷ついた神経組織(髄鞘※4)の自然修復が乏しく重篤な後遺症が残存しますが、本症において髄鞘の自己再生能力が低い原因は明らかになっておらず、その解明は新たな治療薬開発の鍵として期待されていました。今回、同研究グループは、多発性硬化症において髄鞘の自己再生能力が低下する原因を特定することに、世界で初めて成功しました。多発性硬化症の脳では病変部位に髄鞘再生を妨げるTIP30分子が過剰に発現していることを特定し、その分子機序を解明しました。原因分子及び分子機序が特定されたことにより、本症の新たな治療薬(髄鞘再生医薬)の開発が期待されます。
本研究成果は国際医学誌「The Journal of Clinical Investigation」誌2009年1月号(電子速報版:2008年12月22日付公表)に掲載されます。
*本成果は「The Journal of Clinical Investigation」誌(電子速報版:http://www.jci.org)に発表されます。Embargo(発表禁止期間)の遵守をお願い申し上げます。
On line publication : 米国東部標準時12月22日午後5時(日本時間12月23日午前7時)まで発表禁止。
Embargo policyに関する照会先: Dr. Karen Honey, News and Reviews Editor, The Journal of Clinical Investigation TEL: 1-215-573-1850, E-mail: press_releases@the-jci.org
1. 研究の背景