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 新バイオUとザウルス ― またザウルスを買ってしまった(写真付き) 2006年05月16日

SONYから久しぶりのバイオUタイプ(http://www.jp.sonystyle.com/Style-a/Product/U/index.html)が発売されて、買いたくて買いたくてしようがないが(何てったってかこうがいい?)、今回は断念した。

理由は、以下の三つ。

1)使用時間が連続で3.5時間。これではモバイルとは言えない。SONYの使用時間表示はもっとも信頼出来ない表示の一つだから、約半分しか持たないと思えばいい。

2)キーボードが、両手持ちを強要するZERO-3(http://www.sharp.co.jp/ws/)のようなスライド型になっているのが、残念。これだとザウルス(http://ezaurus.com/lineup/slc3200/)のキーボードの方がまだ入力しやすいかもしれない。

3)厚さが耐えられない。32.2~38.2mmもある。これではいつも机の上で立てていないと様(さま)にならない。横が150ミリ、縦が100ミリの大きさだから、30ミリを超える厚さはかなり目立つし、気になるはず。広告写真では正面から見た写真が大きくクローズアップされているが、それはSONYの“陰謀"。気を付けた方がいい。その意味で言えば、このバイオUの造形の最大の難点は、キーボードを露出したときの横幅が異様に大きく見えることだ。サイドのふくらみをキーボード面と同じ色にしたことが災いしている。キーボードを露出させるとモニタ画面の大きさが貧弱になり、閉じていたときのかっこうよさが一変する。みなさん、キーボードが閉じた状態で、カッコイイー、と騙されてはいけません。

さて、何度も言っているようにこういったモバイルデバイスは、キーボードが鍵を握る。

いつでもどこでもちょっとした入力(メモ)をしたい。ちょっとした「ログイン」、ちょっとした「インターネットショッピング」、ちょっとした「会員登録」も含めてそれもこれも入力のたやすさが鍵を握る。

ところが、この“ちょっとした"というのがくせもので、ちょっとしたことにもキーボード入力したくなるし、場合によってはちょっとしたことでも何百字にもなる入力をしたくなるときもある。

モバイルツールが成功するかしないかは、この“ちょっとした”入力における入力装置の問題に関わっている。大概、買って一ヶ月か二ヶ月でこういったモバイル機(PDAも含めて)を使わなくなるのは、入力することに抵抗を覚えるからだ。モバイル機の愛着の度合いは、入力の度合いに比例しているのである。

しかし携帯性という点では小ささ(と軽さ)は必須。小さいほどキーボード入力はできない。スタイラスペンでタッチパネル入力なんて言ったって、面倒くさくてやってられない。今度出たマイクロソフトのORIGAMI(http://ent2.excite.co.jp/shopping/smartcaddie/)も面白いモバイル機だが、キーボード非搭載ということで活用場面をかなり狭めている。

このバイオUもタッチパネル入力併用だが、そのために(あえて「そのために」と言っておこう)キーボードもスライド型になっていることを思えば、“入力問題”を中途半端なまま解決出来ていない。

それに重さも中途半端。520グラムもあるから、こんなもの手のひらでも持つ気は起こらない。ザウルスの290グラムでさえ持つ気は起こらないのに、どうしてその倍近くある新バイオUを持つ気か。広告の写真には、片手でもつシーンがあふれているが、「そんなバカな」と思ってしまう。

私のモバイル経歴で言えば、片手で利用できる重さの限界は200グラムの前半。つまりZERO-3の220グラムで限界だ。

ZERO-3は魅力的な商品だが、動作速度のもっさり感が耐えられない。またインターネット定額料金も、ザウルスの通信カード=KWINNS(http://www.kutikomi.ne.jp/kwins/)に比べたら割高に見える。そうなるとZERO-3には何の魅力もない。実際に使っている人に聞いてみると電池の持ちも最悪らしい。

電池の持ちということなら、最新レッツノートR5=A5版サイズ(http://www.mylets.jp/r/index.html)はついに10時間を超えて11時間もつようになった。これなら1日持ち歩いても大丈夫ということだ。しかも重さは1キロを切っているから、これこそモバイルツールの本命ということになる。私はR3のときに、このパソコンを買ったが(そのときの電池の持ちは9時間)、今でも重宝して使っているし、常時カバンに入れている。

PDA(電子手帳)としては以前SONYのCLIEの隠れた名機PEG-TJ37を推薦したことがあったが(http://www.ashida.info/blog/2004/09/hamaenco_4_79.html)、最近、あれほど昔に手放してしまったザウルス(http://www.ashida.info/blog/2004/09/hamaenco_4_79.html)の最新版=SL-C3200()を再度手に入れた。

それは、マイクロソフトのORIGAMIやウイルコムのZERO-3、はたまた、この新バイオUなどを見回してみても、“モバイルパソコン”にいちばん近いのはこのザウルスだと思うようになったからだ。

ザウルスをPDA(電子手帳)と思うから間違いが起こるのであって、パソコンだと思えばいい。そうするとこんなにもコンパクトで、キーボードも小さい割にはまともな“パソコン”はない。

そもそも“いつでもどこでもPC利用”と言えば、インターネットのブラウジングとスケジュール入力やTO DO入力、メモ記入ぐらいのものだ。それ以外の利用としてはフォトストレージ、音楽再生、動画再生機能くらいだが、最近のザウルスはハードディスク(6GB)が付いたから、もっともデータの重いテレビの動画データでも20時間分くらいの記録ができるし、再生も3時間以上の連続再生ができる

記録という意味では最近はインターネット上にデータを蓄積する機能もあるし、またiPodの容量があんなに小さくても60GBもある時代だから、大容量を“手のひらPC"に求める意味はない。新バイオUの30GBという容量は中途半端なものでしかない。

むしろ“手のひらPC"にとっては、インターネットブラウジングが自由に無制限にできるかどうかであって、先ほども触れたとおりザウルスの通信カード=KWINNS(http://www.kutikomi.ne.jp/kwins/)を使えば、一ヶ月2000円以内の定額料金でインターネット通信が無制限にできる。これは携帯電話も含めて格安の通信環境だ。これが新バイオUだと一ヶ月最低でも5000円前後になる。

家庭にも会社にもインターネット定額環境がある今(そのうえ、携帯電話におけるインターネット利用を考えれば)、ことさらにモバイルPCのインターネット環境で5000円も払う気にはなれない。そう考えれば、2000円さえも無駄使いのように思えるくらいだ。

現在のところ、インターネットを自由自在にいつでもどこでも利用できるのは、ザウルスだけだ。

「自由自在にいつでもどこでも利用できる」と書いたが、この条件を満たすのは以下の通り。

1)スイッチオンですぐに立ち上がり、操作性が軽快であること
2)モニタ解像度が少なくともVGA(640×480)以上であること
3)パソコンのように両手を使って入力できるキーボードが存在すること
4)インターネット利用が安価な定額料金で利用できること
5)重さが300グラム以下(できれば200グラム以下)であること

この5つの条件を満たすことがモバイルインターネット利用の最低条件だが、現在このことが可能な“PC”はザウルスしかない。

ザウルスはWindowsではない、と言う人もいるだろうが、そんな人はレッツノートR5を買うしかない。「ザウルスはWindowsではない」と言う人は(でも立派なLINUXパソコンですが)、たぶん新バイオUも一ヶ月も経てば使うのがイヤになるはず(この10数年、何度そんなことを経験したことか)。本格的なWindowsアプリケーションを使いたい人が、キーボードもまともに使えないPCに満足するはずがない。

手のひらで使えるPCということを前提にすれば、アプリケーションはワードとエクセルだけで充分。ワードとエクセルならザウルスでデータ利用もデータ入力もできる。

ザウルスは、現在、それを作っているSHARPにさえ見捨てられている。SHARPはウイルコムと組んでZERO-3に走ってしまった。多分、私が買ったSL-C3200が最後のザウルスになるのだろう。サポートセンターもどんどん縮小している。ヨドバシカメラで、ザウルスを先月4月8日に買ったとき、恥ずかしいくらいだった(店員のイヤーな目線を感じた)。

ハード的にはもはや新規技術開発投資が行えないために、HDDの容量増加とアプリケーションばかりを拡張しそれを“新製品”として売り出している。最近はTOEIC練習機とさえ言われはじめた。ひどい(かわいそうな)話だ。蘆花公園近くの例の犬を思い出した(http://www.ashida.info/blog/2002/03/post_7.html)。ザウルスは今、あの犬みたいなものだ。

しかし私は、今こそザウルスを最強のモバイルPC=パーム(手のひら)PC=パームインターネットPCとして売り出すべきだと思う。ザウルスはインターネットノートなのだ。私はヨドバシカメラの、脇へ追いやられたPDA売り場で、遅れてやってきた電子手帳おじさんと思われたのだろうが、新バイオUに飛びつくどんな格好いいパソコン新人類よりも、新しい、先端の買い物をしたと思っている。

ザウルス.jpg
このように最近はいつもデスクトップ機のそばにザウルスを置いて使っている。「ザウルスショット」(http://www.ashida.info/blog/2002/12/hamaenco_1_78.html)を使って、学校、自宅双方のデスクトップ機で利用するインターネット情報を片っ端からザウルスにノートしているというのが、私のザウルス。


追伸:モバイル派の読者諸氏へ
最近気づいたのですが、YahooのMy Yahooサービスの「カレンダー」機能に、やっとMS-OUTLOOKの予定データがコンバートできるようになりました(カレンダー機能の「オプション」機能)。

何年か前、私はこのことをYahooに“要望”メールを出しておいたのですが、いつのまにか実現していました。

シンクロまではできませんが、MS-OUTLOOKのスケジュールデータをYahoo「カレンダー」で見ることができることは一大進歩です。しかも「リマインダー」機能を使えば、その予定データを自動的に携帯電話へ送りつけることもできます。携帯電話とMS-OUTLOOKとを直接同期することもできますが(同期可能な携帯電話が最近増えてきた)、携帯電話はスケジュールを携帯メールで知らせるだけで充分。そこ(携帯電話)にスケジュールを記入したり、そこ(携帯電話)でスケジュールを見る気などとても起こらない。

Yahooのようなインターネット上のサーバーにメール、スケジュール、アドレスを一元化するのがサイコーだが、Yahooの画面は落ち着きがない。GoogleのGmailも使いやすそうでそうでもない。まだ中途半端な気がする。ただほど高いものはないのかもしれない。当分は、MS-OUTLOOKと相性のいいものを探すしかない。

追伸(2)
本日家内が退院します。白血球は、その後下がったり上がったりで不安定ですが、当面ベータフェロンを少々減らして通院治療で様子を見ることになりました。白血球が少ない人を自宅で迎えるというのもなかなか大変です。よほどお掃除好き、整理好きの亭主がいないとやってられないでしょう。さて私の場合はどうなることやら。

(Version 6.1)

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投稿者 : ashida1670  /  この記事の訪問者数 :
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感想欄

私もバイオUタイプを買いましたが、確かにキーボードが使いにくい!

その上、特注にはスタンドがついているらしいけど、なぜか、標準タイプにはついていないので、持っていると手が疲れるし、机上にそのままおいたのでは角度が見づらい…

もう一つ、信じられないのがリカバリーがCDなのです。もちろん、外付けCDなんて付属してません。なのに、なぜ、CDなの?

信じられない。友達がやっぱり困って、電話したら、対策なんて考える気はまったくないとけんもほろろだったそうです。

やっぱり、四万円だして、外付けCDを買わせる魂胆かな?

ソニーって最低!

投稿者 イノセント : 2006年06月16日 22:43

そうでしょう、そうでしょう。やめておいた方がいいのです。もし新製品を買うのなら、ウイルコムのZERO3の夏の新製品に期待した方がいい。

最近内部メモリーを拡張して辞典類を内蔵したマイナーチェンジ版を発表しましたが、こんなものに手を出してはいけません。その発表と同時に夏の新製品(ZERO3の新しいバージョン)を出すことも(正直に)漏らしていました。

あと一ヶ月待てば何が起こるかわかりません。バイオUなんて使わないつもりで買う以外は意味がありません。

投稿者 ashida : 2006年06月16日 23:14
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