芦田の毎日

624 re(1):花崎皋平の醜さと徐京植のすがすがしさ

2002/4/12(金)21:23 - 芦田宏直 - 75957 hit(s)

それでは、６２０番のあなたの提案（http://www.ashida.info/trees/trees.cgi?log=&v=620&e=res&lp=620&st=0）を受けて、あなたの文体の批評を具体的にやってみましょう。添削代はもらえますか？　私が大学や大学院の学生を指導していた頃に戻って、公開添削をやってみましょう。

ポストコロニアル> 花崎自身が戦後左翼の体質的問題性を指摘しつつも、結局のところそれらと同じロジックに陥っていることにまったく無自覚であること。結局のところ花崎自身、

「戦後左翼の体質的問題性」とは何ですか？　これを説明するだけでも２００枚、３００枚の論文が書けます。

ポストコロニアル> 現代史のアイロニカルな構造ないし現代文明の構造的逆説性に振り回された他律的な存在にすぎなかったことを自ら証明しているのは皮肉という他ありません。

「現代史のアイロニカルな構造」「現代文明の構造的逆説性」とは何ですか？　これを説明するだけでも４００枚、５００枚の論文が書けます。

ポストコロニアル> 花崎の論調は結局のところ、「ただしいことばかりいったって世の中うまくいかないもんだ」という現状への堕落を追認していることに他なりません。

「『ただしいことばかりいったって世の中うまくいかないもんだ』という現状への堕落」と考えた根拠は花崎の発言のどの部分を指してのことですか？　対象を読んでいることを前提とするような批評は、批評ではありません。批評は対象それ自体を生成させるところから始まるのです。

ポストコロニアル> 徐さんの「ただしさ」を批判の対象とする、それは小林よしのりが、左翼に向かって「たかだか漫画に何でそんなにムキになるの？」という論調とまったく同じ論理構造を

これのどこが「同じ論理構造」なのですか？　「同じ論理構造」という懐かしい左翼用語にあなたが酔っているだけです。

ポストコロニアル> 「正しい」主張にはその論理の正しさ故の息苦しさを批判し、詩人の主張に正面から正対する批判勢力には「そんなにムキになってどうするの＿」とい
ポストコロニアル> うシニカルな態度をとる。これでは負けるはずがありません。自分は絶対に批判の対象にならないところに身をおき、安全自体から相手のビヘイビアを批判する。

というよりも、これはあなたが、単に「個人的に親交のある」徐さんを知っていて擁護したいというだけのことでしょ。大げさで内容がないというのも、くずれ左翼の特徴です。

ポストコロニアル> まさに戦後左翼の特権的性質を自らが具現化しているに他なりません。

「戦後左翼の特権的性質」って何ですか？　これを説明するだけでも１００枚、２００枚の論文が書けます。

ポストコロニアル> これではまさにここの管理人さんとおなじ「アイロニカル」な存在でしかないでしょう。

管理人が「アイロニカル」でるとは何がそうなのですか？　何も無理して、私の「マンション」騒動（http://www.ashida.info/trees/trees.cgi?log=&v=581&e=res&lp=581&st=0）に結びつけることはないでしょ。

要するにあなたの言葉には、前後の脈略（具体的な記述）がなく、対象の像を（主観的であってもいいから）明確化してから、その批評に入るという手続きが不在なのです。思想の本質は、正しい、正しくないと言うことより、（まず第一に）手続きがまともかどうかです。

あるいは、手続きというより、対象を（再）構成することの方が、むしろ批評の大部分の仕事なのです。批評は、対象を所与と見なさないところにその本質を有しているのであって、批評は対象を評価することではなくて、対象を形成するところにこそあるのです。批評の共同性は、狭い意味での評価の共同体ではなく、対象を共有する（対象を解放する）共同体なのです。

批評は対象の存在の後にあるのではなく、批評が対象を生成させるのです。

あなたの文体は、“ねえそうでしょ”文体です。これをくずれ左翼文体と言います。ひたすら対象を所与のものと見なし、心情的な共同体（ニフティの思想フォーラムやあらゆる掲示板フォーラム）を形成しようとする文体なのです。

わかるやつにはわかる、これでは言葉を形成する意味がありません。あなたは、閉じるために文章を形成している。だから日本の左翼運動は、いつも頭打ちになるのです。そこがあなたの記事がおもしろくない最大の理由です。