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18 7/4(木)
23:28:56
 東芝のGIGABEATはすごい。  メール転送 芦田宏直  13732 

 
 パイオニアのNAVI(http://www.hdd-cybernavi.com/products/index.html)を買って以来ミュージックサーバーの構築に余念がないが(http://www.ashida.info/jboard/read.cgi?num=10)、その作業をする内にすごいオーディオ機器が出たのを知った。私がミュージックサーバーで騒いでいた先月ちょうど発売された(6月22日)。
 
 東芝のGIGAVEAT(http://www.toshiba.co.jp/mobileav/audio/meg50js/products.htmhttp://www.toshiba.co.jp/about/press/2002_06/pr_j1701.htm)だ。これは、言ってみれば、パソコンデータ処理できる“ウオークマン”と思ってもらっていい。音楽用CDをパソコンのCDドライブでMP3ファイルに変換し(これにはMP3ソフトがいるが、3000円から6000円くらいで手に入る)、そのデータを自由に編集しながら、音楽データをこの“GIGAVEAT”(=ウオークマン)に落として使えるというもの。この“GIGAVEAT(ギガビート)”のすごいところは、それがPCカード(TypeU)をメディアにしているということ。買えば,とりあえず5ギガのPCカードが付いてくる(http://www3.toshiba.co.jp/pc/catalog/shuhen/mhdd/mhd005.htm)。5ギガもあれば、MP3ファイル圧縮で約1000曲の音楽を格納できる。電池も一回の充電で18時間もつ。重さは235グラム。昔のウオークマンよりも軽い。買ってしまった。

 アップル社にもiPod(http://www.watch.impress.co.jp/pc/docs/2002/0321/apple3.htm)という先行した同種の商品があるが、いかんせんアップル社ではユーザーが少ない(最近、このiPodをWindowsで使えるようにしたソフトが発売されたがhttp://www.zdnet.co.jp/macwire/0204/15/n_xplay.html)。このGIGAVEATの便利なところは、PCカードがそのまま使えると言うことだ。アップル社のiPodは、メディアが内蔵されていてクローズドだが、GIGAVEATはPCカードの汎用性がある。

 たとえば、現在5ギガバイトのハードディスクPCカードは40000円〜45000円の実売価格だが、このGIGAVEATの価格は45000円〜50000円程度。カードを単独で買うなら(何にでも使えるのだから)、このGIGAVEATを“ついでに”買った方が得だ。5ギガの大量データをPCカードの大きさで持ち歩けるのだから使い道は無限にある。むかし、80メガ(ギガではなく、メガ!)の外付けハードディスク(ちょっとした弁当箱くらいの大きさ)が15万円していたことを思い出す。その計算で行くと5ギガ(5000メガ)のメディアは900万円もする。それがたったの4万円代(と言って家内に了解させた)。しかも1000曲ウオークマンが付録!で付いてくる。ありがたいのは、先のパイオニアNAVIには、PCカードスロットがあって、このPCカードがそのまま使える! これなら走り続ける時間が(幾分か)短縮できる。

 このGIGAVEATが楽しいのは、パソコンで自由に編集できるということだ。私の買ったMP3ソフトはTDKのもの(http://www.tdk.co.jp/tjaah01/aah25000.htm)。これを立ち上げておいてそのパソコンのCDドライブに音楽用CDを入れていけば、どんどんパソコンのハードディスクに曲毎の音楽データが入っていく(楽曲名はインターネットに自動接続され、そのデータベース:GRACENOTEを通じて古いアルバムから最新のアルバムまで国内外を問わず自動記入される)。あとは、ファイルをコピーしたり、削除したりする感覚で「マイベスト」ミュージックが形成されていく。一度パソコン内のハードディスクに落としておけば、それをCD-Rに焼いてもいいし、GIGABEATのPCカードに落としてもいい。どんな編集も自由だ。

 パイオニアのミュージックサーバーと(大きく)異なるのは、だいたい一曲を(ハードディスクに)落とすのに30秒から40秒で落とせるということ(一枚のCDを全曲落とすのには7、8分で済むことになる)。これはパソコンのCPUやCDドライブの性能(あるいはMP3ソフトの性能)を上げていけばもっと短縮できる(1曲10秒以内というのもざらだ)。したがって、家にある私のCDをすべてパソコンに入れ込むのにもたいした時間はかからない。買ってからたったの6日間、もうすでに200枚のCDはパソコンの中に入ってしまった(私のカーNAVIは、一ヶ月近く走り続けたのにまだ80枚)。

 これまで数多くの「マイベスト」ものを10号リールテープ(「2トラ38」テープ!)、カセットテープ、DATテープ、CD−Rで作り続けてきたが、(苦労して作った割に)どれもこれも数日間聞くと飽きてしまうのが、このクローズドな「マイベスト」の限界であった。ところが、このパソコン化されたデータであれば、無限に(色々な切り口からの)マイベストが作り続けられる。新しい音楽の楽しみ方だ。

 もっと快感なのは(これが劇的に新しいことだが)、1000曲全曲を対象にしたランダムプレイ(シャッフルプレイとも言う)ができること。これはとてつもないことだ。クローズドな音楽CDは、いくら好きなアーティストのものでも、何度も聞いていると収録されている10曲から15曲の楽曲が1曲のように聞こえてくる。連続して(順番が同じままで)聞くからだ。CDプレイヤーでは、この単調さから逃れるために、ランダムプレイというプレイモードが存在している。通常一枚のCDでもランダムプレイにすると新しいCDを買ったような気になるが、ランダムプレイの対象が1000曲ともなると、自分で入れたCDなのに、毎回新しい音楽CDが生まれてくるように錯覚“できる”。有限なのに無限。世界中を旅するときにも、これ一台で足りる、というのがGIGAVEAT、なんて宣伝したくもなるほどの楽しさ。

 私は、今、テラハウスでも家でも、このGIGABEATにアンプつきスピーカー(5000円も出せば充分なスピーカーがある)をつないで聞きながら仕事をしている。音質も“ながら”で聞くには充分の音質だ。(もちろんパソコンのイヤフォン端子に繋いでそのまま聞くこともできるが、それでなおかつ仕事の文書を処理し続けるほどには、まだ現在のパソコンは音質的にも体力的にもタフではない)。

 FMトランスミッターも付属品として販売されているから、これを車内で使えば、高いカーNAVI(30万円もする)を買わなくても5万円程度で、1000曲カーミュージックサーバーが出現することになる。しかもパイオニアNAVIよりははるかに編集がしやすい仕方で(1000曲分走り続ける必要はない)。

 SONYのウオークマンが発売されたのが私が大学を卒業して間もないころ。初代のウオークマンを買った私の後輩が、「芦田さん、これがあれば、どんなに長い旅行も飽きません」と言って見せびらかしていたのを思い出す。私は、そのとき、ウオークマンなんて絶対売れないと思っていた(だから新しいものを誰よりも早く買う私はこれだけは買わなかった。これは私の歴史的な汚点だ)。

 当時、テープ媒体は、「録音機」としての意味がメインであって、「テープレコーダー」としてしか存在していなかった。テープ「プレイヤー」ではなかったのである。そんなものは言葉としてさえ存在していなかった。だから、私もウオークマンを見たとき、「録音できない、再生専用機なんて … 」と思っていたのである。ほとんどの人はそう思っていた。SONYでも、ウオークマンの商品化を支持したのは、社長の盛田昭夫(http://www.tbs.co.jp/news23/tokusyu/1999_11/19991108.html)だけだったという。ヒット商品なんて、いつもマーケティング(顧客志向)を無視したときにだけ出現するのである。

 それから約20年たって、このGIGABEATの出現。まさに隔世の感がある。10ギガのPCカードが出始めるのも時間の問題だろう。家庭のオーディオも、大規模記憶媒体に集約されるだろう(あるいは超高速のネットワーク配信が始まるだろう)。すでにハードディスクオーディオがSONYから出ているが(http://www.sony.jp/products/sonyaudio/AU/hifi/pure/cd_hdd/har_d1000/)、この商品(HAR−D1000)は、等速か倍速でしか記録できない。それにネットワークにつながっていないため、タイトル(楽曲名)付けに限界がある。大規模媒体は、検索できなければ意味がない。検索のためにはタイトル付けが容易でなければ意味がない。つまり大規模媒体は、ネットワーク(=ネットワークを介した大規模データベース)につながっていなければ意味がないのである。オーディオがパソコン化(=ネットワーク化)することなしには、真のミュージックサーバー化はありえない。パソコンライクなGIGABEATやiPodは、音楽の楽しみ方の革命的な転回点を示している。


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