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00:01:24
 これが本当の最後。  メール転送 芦田宏直  No.119  3195 

 
●まだ「落合」さんが発言していました。

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93. Re^13: あしたの経済学 落合 2003/03/05 (水) 12:45

今回もコメントを。
1.雇用確保は国の果たす役割の中で最も重要な事のひとつであり、
  従ってそのためには財政赤字をもいとわない行動が必要、
  という点はまったくその通りだと思います。
2.しかし問題は財政赤字が尋常ではない水準に
  達しているという点です。
  国民の懐でそれをまかなっている限りは確かに大丈夫ですが、
  マネーには国境がないから郵貯が外国国債にでも移動はじめたら
  財政赤字は維持出来なくなります。
  従って私の期待する経済施策の目標を
  誤解を招かないよう前回より正確に書くと次のようになります。
  @願わくば財政健全化の道筋をたててもらいたい。
  それが無理ならせめて
  A財政赤字が維持できる状態を維持する道筋をたててもらいたい。
  そのためなら消費税バイはいとわない、です。
  蛇足ながら私は豪州MMFでへそくりを
  毎月1万円積み立ててますが
  日本国債を買おうとは思いません。
3.ここからが面倒な話になってくると思いますが、
  財政出動による景気底上げはこれまでのようには
  効きません。(注)
  だとすれば例えば地方は切り捨てて東京に
  集中投資するしかない。
  しかしそれは優勝劣敗を加速する事であり、
  いってしまえばシュンペターと似たような発想じゃあないですか?
  また日本全体のために東京に集中投資するんだというのなら、
  税金をいっぱい納めてくれるお金持ちのために
  貧富の格差拡大を是認するんだというのと同じでしょう?  
4.雇用の問題に戻りますが、  
  社会福祉のための財政出動は大変重要だと感じます。
  ただし、その理由は自分自身の失業への不安なんかより、
  失業者が増えることで不幸が蔓延し、
  社会治安が乱れることが怖いからです。
  従ってセーフティネットの話をすれば
  失業保険を手厚くするカネがあるなら
  無駄でもいいから仕事を作るべきと思います。  
5.ご指摘の通り、私はどちらかといえば今はシュンペター派です。
  旧態然とした産業構造と政治利権の癒着の温床を
  創造的に破壊するべきチャンス、というか、
  生き残るにはそれしかないんじゃん、といったところです。
(注)R・クー氏は、バブルで吹き飛んだ金額に比べれば、
  すごく効いていて乗数効果は落ちてないと説明してます。
  これについては改めて自分なりに検討したいです。

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95. Re^14: あしたの経済学(1) ashida 2003/03/05 (水) 23:23

>> 1.雇用確保は国の果たす役割の中で最も重要な事のひとつであり、
>   従ってそのためには財政赤字をもいとわない行動が必要、
>   という点はまったくその通りだと思います。
>
ここがすでに全くの誤解です。財政赤字も「いとわない」、なんて誰も言っていません。なんで、こんな悲壮な話になるのですか? こういった悲壮感が世の中を暗くしているのです。こういった悲壮感こそが、国家経済論と企業経営とを同列で考える悪い癖(致命的な錯誤)に由来しているのです。雇用が確保できることと、財政赤字が解消するのとはほとんど同義です。たくさんの失業者がいるにもかかわらず、財政が健全化しているというのは、あり得ない話なのです。だから、あなたは、まるで家計の主婦のような感覚で消費の1項目(とりあえず「重要な」と官僚や政治家の答弁のように付けていますが)のように「雇用確保」を扱っていますが、それ自体が誤りです。雇用が財政の最大の目的です。働くことなしにどんな財政も、国家もあり得ません。

2.しかし問題は財政赤字が尋常ではない水準に
>   達しているという点です。
>   国民の懐でそれをまかなっている限りは確かに大丈夫ですが、
>   マネーには国境がないから郵貯が外国国債にでも移動はじめたら
>   財政赤字は維持出来なくなります。
>   従って私の期待する経済施策の目標を
>   誤解を招かないよう前回より正確に書くと次のようになります。
>   @願わくば財政健全化の道筋をたててもらいたい。
>   それが無理ならせめて
>   A財政赤字が維持できる状態を維持する道筋をたててもらいたい。

「マネーには国境がない」。ここだけは、重要な指摘です。私は、国債は国民に買わせるのがもっとも国債的だと思います。自国民が信用しない紙切れを他国民が信用するわけがありません。〈1万円国債〉、遅きに失したという感じです。そして国債を自国民が買うかどうかは、何度も言うように国債は自己借金ですから自国民の自己確信(自己評価)に関わっているわけです。それは自己投資ですから。論理としては循環です。しかし、この循環の輪を上手に回すことこそが、政治や財政の問題です。それは財政健全化の問題とは全く別個の問題です。

もちろんあなたが「豪州MMF」を買うのは、日本の自己確信を膨張させているだけのことで、日本を捨てたことでも何でもありません。

96. Re^14: あしたの経済学(2) ashida 2003/03/05 (水) 23:25

> 3.ここからが面倒な話になってくると思いますが、
>   財政出動による景気底上げはこれまでのようには
>   効きません。(注)
>   だとすれば例えば地方は切り捨てて東京に
>   集中投資するしかない。
>   しかしそれは優勝劣敗を加速する事であり、
>   いってしまえばシュンペターと似たような発想じゃあないですか?
>   また日本全体のために東京に集中投資するんだというのなら、
>   税金をいっぱい納めてくれるお金持ちのために
>   貧富の格差拡大を是認するんだというのと同じでしょう?  

バカなことを言ってはいけません。今や〈地方〉なんて存在しません。〈地方〉に投資しても〈都市〉は立ち直りませんが、〈都市〉に投資すれば〈地方〉は立ち直ります。それが都市というものです。東京が大都市であるのは、全国の人(田舎もの)が集まっているからです。地元の人しかいない町を田舎といいます(だから日本最大の田舎者は、東京をふるさとにしている人です)。都市はしたがって地方なのです(その逆は真ではありませんが)。東京投資は全国投資を意味します。あなたの言う「優勝劣敗」とは何の関係もありません。そうあなたが考えるのは、あなたが〈都市〉と〈地方〉を対立させて考えているからです。それは自民党の地方議員と都市議員程度の対立にすぎません。

〈地方〉投資の「乗数効果」なんてたかがしれています。瀬戸内海に橋を三本付けるくらいなら、お台場と東京・品川との間に橋を3本付けた方が遥かに「乗数効果」は高くなります。そもそも超不況だのになぜ、道路が渋滞するのですか? 渋滞がなくなれば、建設工事の工期は短くなり、金利負担もわざわざ異常な低金利にしなくても安くなる。建設コストが下がる。都市流通のスピードが断然速くなる。クルマに乗る人が増える。土日の外出が増える。行楽地が潤う。幕張新都心(http://www.ashida.info/jboard/read.cgi?num=56)も蘇るかもしれない。言い出せばきりがないほどいいことばかりです。地方道路はもともと空いているから、いくら作ってもスピードがあがらない。高速料金分損をするくらいです。だから作っても(逆に純粋な雇用対策以外に)意味がないのです。それならば、都市を活性化させた方がはるかに地方は潤います。

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Re^14: あしたの経済学(3) ashida 2003/03/05 (水) 23:29

>> 4.雇用の問題に戻りますが、  
>   社会福祉のための財政出動は大変重要だと感じます。
>   ただし、その理由は自分自身の失業への不安なんかより、
>   失業者が増えることで不幸が蔓延し、
>   社会治安が乱れることが怖いからです。
>   従ってセーフティネットの話をすれば
>   失業保険を手厚くするカネがあるなら
>   無駄でもいいから仕事を作るべきと思います。  

この発言は、私が「はんちゃん」やあなたに言い続けていることです。ただし、私は、あなた達のように倫理的に(「社会福祉」的に)失業者問題を取り上げているのではありません。不況問題の中心課題として(純粋に経済的に)取り上げているのです。だから「無駄でもいいから」というのは余分です。これは単なる下品な差別発言です。

5.ご指摘の通り、私はどちらかといえば今はシュンペター派です。
>   旧態然とした産業構造と政治利権の癒着の温床を
>   創造的に破壊するべきチャンス、というか、
>   生き残るにはそれしかないんじゃん、といったところです。

だから、何度も言うように、シュンペーターの理論は、一企業論か、それとも文明論としてしか役に立ちません。国家経済論的にはまったく意味がないのです。

(注)R・クー氏は、バブルで吹き飛んだ金額に比べれば、
>   すごく効いていて乗数効果は落ちてないと説明してます。
>   これについては改めて自分なりに検討したいです。

リチャード・クーの言うこと程度の「乗数効果」について、あなたは今頃「検討したい」と言うのですから、もはや何も言うべきことなどあなたにはないのです。「一推し」の水野和夫(反野村証券:リチャードクーの急先鋒である)はどこへ行ったのですか?

※「落合」さん、もう勘弁下さい。今日も朝8:00から夜の22:00まで働き詰めで、今、帰ってきたばかり。死にそうです。4月になれば、少しは暇になるでしょうから、それまでお待ち下さい。


119 私の不況論 ― 竹中批判 メール転送 芦田宏直 ↑この記事を引用して返信を書く
    ┣ 120 金融政策と現在の不況とは何の関係もない。 メール転送 芦田宏直
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