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1124 | 12/13(火) 00:06:06 |
増補改訂版:私は頑固なポロセーター派 ― ウールとカシミヤ? | 芦田宏直 | 0 | 5350 |
※この記事は日曜日にUPしたものを、増補改訂したものです(なおBLOG版はすでにこの増補改訂版でUPされています)。 昨日(土曜日10日)は、学校見学会、その後家内の病院へ週末の“看病”に。病院でお見舞いの某国会議員と待ち合わせ。パソコンを買いたい、とのこと。そのまま新宿ヨドバシカメラへ直行。 パナソニックのレッツノートT4(http://www.mylets.jp/t4/index.html)を勧めた。この機種は標準バッテリーで12.5時間も持つ。これなら移動の多い人にも充分使える。プリンタはHPの2575(http://h50146.www5.hp.com/products/printers/inkjet/ps2575/index.html)。安くて、コンパクトで印刷速度も速い。通信カードは、ウイルコムのAX510N(https://store.willcom-inc.com/ec/faces/cmdprdw000032/)。これならどこでも十二分にインターネットを駆使できる。 これだけでも師走土曜日の夕方のヨドバシカメラでの買い物は、時間がかかった。何といってもボーナス直後のヨドバシだから、超満員。不況は本当に終わったのか、と思わせるほど。そう思っている内に、12月に弱い私(http://ashida.sakura.ne.jp/blog/2005/12/12.html#more)も何かを買わなければならない(でないと他人の買い物だけではさびしい)と無性に思い始めた。 そう言えば、セーターを5年近く買っていない。年末、年始の私服がない、と都合よく思い浮かんだ。このあたりなら、伊勢丹かな、ということで、タクシーを飛ばして伊勢丹へ。もはやヨドバシ西口店から伊勢丹までは歩く元気が残っていなかった。 ところが、ここからが地獄。私はセーターは頑固なポロセーター派。しかもボタンは三つまでが限界。色は少し黒目のグレー。丸首派が許せない。休日に重ね着をする男の気が知れない。平日のネクタイなんて、一種の重ね着。そもそもネクタイとワイシャツとスーツという三つの色、柄のコンビネーションを考えるだけでも気が遠くなるのに、そんなことを休日にも考えなければならないこと自体がふざけている。その暗い気分から解放されるためには、夏はポロシャツ、冬はポロセーターしかない。 しかし、そのポロセーターがどこにもない。伊勢丹のメンズ館(http://www.isetan.co.jp/icm2/jsp/store/shinjyuku/index.jsp)を1階からゴルフウエアの7階まで踏破したけれどもどこにもない。わずかにコムデギャルソンのものが色も形もぴったりで、ポロセーターそのものだったが、胸に7センチくらいのいびつな円形をしたワッペンが着いており、しかも色が強烈なオレンジ色。私には“玉にキズ”としか言いようがない。こんなものを着ていたら、あびる優(http://www.horipro.co.jp/talent/PF075/)くらいの若い女の子とつき合っていて、「おじさん似合っている」なんて言われながら着せられているんだ、と思われるに違いない。 なんとか外せないのか、と裏側をめくってみたが、結構厳しく縫いつけられている。10分くらいたたずんでいたがあきらめた。それが伊勢丹の唯一のポロセーター。 一階で店員の樋口さんを捕まえて、「ポロセーターを全館探したけれども、どこにもない。なんとかあなたの力で探してくれないか。もう足が動かない」と訴えたら、樋口さんは何を思ったのか、「それでは椅子をご用意します」と親切。「いや、そっちの親切よりは、ポロセーターを見つける方に、あなたの親切を欲しい。接客応対、新宿随一の伊勢丹の魂を込めて探して欲しい」と頼み込んだ。「わかりました。暫くお待ち下さい」。 しかし、10分しても樋口さんは帰ってこない。やっぱり椅子を借りておいて方がよかった。やっと10分を超えて戻ってきた樋口さん。「やはりございません。もしよろしければ、メーカーを含めてお探ししますので、連絡先をお教え願えますか」。「いいですよ。絶対に探してください」。 伊勢丹メンズ館は、なんとなくデパートっぽくない。しきり壁がせまく区切ってあるから、フロアーの全体が見渡せない。そのうえ照明もわざと暗くしてあるから、私のような年代の人間には向いていない。しかし顧客応対はやはり新宿随一。年齢のわからないようなおばさんアルバイトはほとんどいない。 その新宿勝ち組の伊勢丹が、今、唯一ライバル視しているのは、意外にもルミネ。 ルミネはここ数年、若い客層にターゲットを絞って大成功している。駅ビルを利用して夜も22:00まで、これも成功した。テナント上位10店の店長は、毎年ヨーロッパ旅行に招待し、そのご褒美と同時に商店舗視察も行い、テナント体制で生じがちな店舗格差を埋める努力を行っている。 まさか、しかし私の年齢でルミネに行くわけにも行かず(そもそもルミネならもっとポロセーターの存在確率は低いだろう)、結局ポロセーターはあきらめざるを得なかった。 そう思ったら、おなかが空いてきた。3年ぶりくらいに来た伊勢丹だが、私にとっては伊勢丹といえば、桂花ラーメン(http://keika-raumen.co.jp/index.html)。桂花ラーメンのターロー麺。久しぶりの桂花ラーメンだったが、やっぱりおいしい。醤油が全く入っていないが、豚骨でもない。変な黒い油(マー油)が浮いているが正体は不明。それにニンニクのにおいがきつい。特徴は、麺。湯がき足りない感じの生麺が何とも言えない。それに生のキャベツ。この生キャベツが全体に濃い感じの麺とつゆをほどよく中和する。3年前に比べて、太肉(ターロー)の脂身が増えており、少しコスト削減の影が見えたがやはりおいしい。 少し元気になって、そろそろウイルコムのPHSカードが登録できた時間になっていた(PHSカードはすぐには手に入らない)。もう一度ヨドバシカメラに戻ることになっていたが、“食事”(なんと安手のDINNERであることか)もしたし、元気になっていたので歩いて南口方面から戻ることにした。高島屋が見えた。期待はしないことにして、ポロセーターの最後の可能性を高島屋にかけてみた。フロアーの構成は古典的だが、私は高島屋の方が伊勢丹よりは好きだ。ただし店員の年齢はあがるというか年齢がわからないおばさんが多い。 もう閉店ぎりぎりの8:30になっていたが、最後にたどりついたのが、PAPAS(http://www.bigi-group.com/)。ここは、私が5年前に、2枚好みの色のポロセーターを見つけたところだが(その時には小田急ハルク)、しかしPAPASのウールセーターは一枚3万円もしたのに、2,3回のクリーニングで毛玉ができてショックを受けたことがあった。二度とPAPASは買うまいと決心したのが私のPAPAS評価だった。三国廉太郎がその時のPAPASのイメージキャラクターだったが、三国がこんな毛玉だらけのセーターを着るわけがない。私も50才を超えて、毛玉ができるセーターを着るわけにはいかない。やっかいな年齢になったものだ。 PAPASに入ったら、やはりすでに5年前のポロセーターは無くなっていたが、今回は、ウールではなくてカシミヤのポロセーターが新製品で出ていた。これがよかった。ほぼ思い通りのポロセーター。グレーはないが紺色。まあ、我慢できる。 「PAPASは、2回のクリーニングでだめになる。恨みがあるんだけど、これは大丈夫?」と店員の大野さんに聞いてみた。 「そうですね。ウールはたしかに私も着ていてダメになりますが、これはカシミヤだから、ウールほどではありませんよ」 「なんでカシミヤは毛玉にならないの?」 「毛がねていて、こすったときにはウールほど毛玉にならないんですよ。ウールセーターは、クリーニングでダメになるだけではなくて、(立っている)毛がこすれ合うことからも毛玉になりやすいんですよ。毛玉をそれほど気になさるのなら、できるだけクリーニングにださないようにして、汗などに気をつけ、保管に気を付ければ2,3年は大丈夫ですよ。私のお客様にも毛玉を気にされる方がおられますが、いつもカシミヤの新製品をお買いになります」。 「そんなこと言われたって、私、PAPASにはいい思い出がないのよ。ウールでだまされ、カシミヤで騙されるとなると…。それに、この値段じゃ、ちょっと悩むよね(6万円!もする)。これはMサイズだけでもLサイズはあるの?」。 「Lサイズの在庫はございません。よろしければ、今全国全店お探ししますが。カシミヤをぜひお試し下さい。絶対毛玉はできません、とは申しませんが、ウールよりははるかに快適でご迷惑をおかけすることはないと思います」 「大野さん、あなた、なかなか説得力あるじゃない。探してみてください。待っています」 私はそう言ったにもかかわらず、Lサイズがないことを期待していた。よくあることだ。 大野さんが戻ってきた。「芦田様、全国で一つだけ、日本橋店にございました」と大野さんが戻ってきた。いかにも(あなたのために)やっと見つけたという感じで。 これが私のプレッシャーとなった。また、「一つだけ」というのが寂しい私の12月の買い物をそそる。 結局買うことにした。今夜のパソコンの買い物は25万円前後だったが、わたしの予期せぬ6万円の出費は、ほぼそのくらいの心理的な重圧となった。これで毛玉ができたら訴えてやるぞ、PAPAS大野さん。来年の今頃は、「セーターはカシミヤじゃなければ」なんてうそぶいていることを期待しましょう。“持ち”がよければ中途半端なウールセーターよりも安い買い物になるかもしれない。 そう思いながら、日曜日の夜、息子と二人でおでんを作って食べていたら、突然電話。「伊勢丹の樋口と申しますが…」。あれっ、見つかったのかな、と一瞬思い、同時に今年の冬はポロセーターで家中が埋まるのか、とも思った。「お探ししたのですが、やはりお客様がおっしゃっていたコムデギャルソンのものしかなく、店の者に聞いたら、ワッペンは必ず跡が残ります、とのこと。申し訳ありません。メーカーに問い合わせてもポロセーターを作る予定はなく、来年のオーダーの参考に是非させて頂きたいと思っております」。「そうですか、是非、お願いします」とほっとしながら、答えておいた。この樋口さん、まだ入社6ヶ月。よく頑張っている。 この間も息子がこの伊勢丹のスーツ売り場に行ったらしいが(そんなところでスーツは買うな、とたしなめておいたが)、伊勢丹は、担当とは別ブランドのものについても店員が豊富な商品知識をもっており、きちんと説明するらしい。しかし私の伊勢丹論として言えば、やはり伊勢丹は新宿を抜けでようとしている。新宿が嫌いな分、新宿のデパートをバカにしていた“金持ち”や小金持ちの若者が集まってきているという感じか。こういった戦略がどこまで通用するのだろうか。 |
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