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 番号 日付  題名 投稿者 返信数  読出数
1109 11/3(木)
23:40:22
 「放送と通信との融合」 ― iPod(=iTune)の可能性  メール転送 芦田宏直  2167 

 
新しいiPodの60GB(http://www.apple.com/jp/ipod/ipod.html)は、何も高音質のためばかりではない(http://www.ashida.info/jboard/read.cgi?num=1108)。ましてや容量を食う動画再生のためのものでもない。私はiPodの動画再生には全く興味がない(アップル社自体がかつてそう言っていた)。そもそもiPodで動画を楽しむ利用シーンが私には浮かばない。

今回の大容量iPodの出現によって面白くなったのは、Podcast(http://www.apple.com/jp/itunes/podcasts/)だ。簡単に言ってしまえば、WEBラジオとでもいうもの。RSS(http://e-words.jp/w/RSS.html)に基づいたこのPodcastに、iPodがいちはやく対応しており、このことによって、iPodは単に音楽を聴くためのものではなくなった。

すでにTBS、フジテレビ、ニッポン放送、日経ニュース、日経ビジネス、CNNニュース、毎日新聞、読売新聞など各大手メディアは参画しており、代表的な番組は、Podcastふうに再編され i Podで日々の内容が自動更新されつついつでも聞ける。しかもすべて無料。CDをわざわざエンコーディングしたり、アップル社のmusic storeで曲を購入するまでもなく、それらのメディアを一度iTuneに登録すると、iPodを自分のパソコンに繋ぐたびに、自動的に更新されながら最新のニュースや番組がiPodに蓄積される。

新聞や雑誌を狭い電車の中で広げなくても、iPod一つですべてがわかる。ラジオと違うところは経済情報、ビジネストレンド、会社・証券情報など単なるラジオ的なフロー情報だけではないストック情報も豊富に存在しているということだ。また面白いところでは、「ほぼ日刊イトイ新聞」(糸井重里)、「週間!木村剛」などインターネット上での人気サイトの作者のトーク番組版も無料で楽しめる。

その他では(玉石混淆だが)「福田和也のおすすめの1冊」「田崎真也のおすすめの一杯」「森永卓也の経済提言」「伊藤洋一の頑張れ日本の中堅企業」「義家弘介ヤンキー先生の人生相談」「石原暉知康の個人投資家応援ラジオ」「火曜ブジオ!井筒和幸のどないなっとんねん!」「大竹まことの少年ラジオ」「水曜ブジオ!板尾創路と木村祐一のビッグウエンズデイ!」「勝谷誠彦のコラム:第3次小泉内閣の顔ぶれと後継者問題」「「キヤノン御手洗冨士夫 - 未完の野望」「「津波経済 - 世界一蓮托生バブルが弾ける時」「盛和夫氏の大型連載、ビルゲイツ会長インタビューなど」「グーグルとアマゾン - ネット消費の真の支配者」「ゆず×コブクロ 初対談 第1回」「金子みすゞ童謡集」「石川昌康の日本史資料」「日常英会話」「英語リスニング」などなど(これらはすべて無料)。有料では古典落語集などがある。 

これらの番組がラジオやテレビと一番違うのは、それを一度iPodに更新しつつ蓄積するということだ。「放送と通信との融合」と、ライブドアのホリエモンも楽天の三木谷も言うが、私に言わせれば、放送とはフロー情報、通信とはストック情報、それでしかない。したがって放送が更新的に蓄積されれば、それは通信だ。

一般的には放送とは多数の者に向かっての情報、通信は個別者を対象にしているもの、と言うが、放送の多数性や公共性とは、それが流れつづけるものであるために強制を伴う(たとえばコマーシャルのように見たくもないものを見せられる、聞かせられる)ということの派生態でしかない。

要するに、時間と場所を選べないもの、それが〈放送〉ということだ。したがってビデオに放送を収録したり、iPodにインポートされてしまったファイルはすべて通信メディアといってもよい。見たいとき、聞きたいときに消費されるということは、それ自体が個別性の徴表である。〈放送〉の本質は〈現在〉であるが、〈通信〉は現在を否定するためにある。

Podcastは、したがって(音楽を記録するだけの)単にクローズドな記録媒体でしかなかったiPodを、半開放的な媒体に脱皮させた。「半」というのはそれがラジオのようにフロー情報を直接扱うわけではなく、ラジオ(あるいはテレビ)情報自体を最初から個別的、選択的、私的に扱うからである。

Podcastはその意味で、音声化されたブログ(http://e-words.jp/w/E38396E383ADE382B0.html)のことだ。それは〈放送〉と〈通信〉の中間態である。それもあって、このPodcastには、今後多くの個人的、私的な“放送局”が誕生してくるだろう。

iPod(=iTune)がそのコミュニティの核を形成するとすれば、iPod(=iTune)はもはやハードではなくて、Podcastの“OS”(あるいはプラットフォーム)のようなものになる。ブログは、多くの業者が様々なサービスを提供しつつあるが、PodcastはiPod(=iTune)の独壇場になるのではないか。もうSONYには絶対に追いつけない(http://www.ashida.info/jboard/read.cgi?num=1102)。悲しいことだ。

私のiPod(=iTune)のPodcastはここ一週間(たった一週間)で756項目、782MBの情報が更新された。聞きたい音楽なんてそんなにないよ、という大容量HDDミュージックプレイヤー拒否派のみなさん、これからのHDDミュージックプレイヤーはPodcastを利用するかどうか(利用できるかどうか)が鍵です。

テレビ〈放送〉がSONYのXビデオステーション(http://www.ashida.info/jboard/read.cgi?num=1101)によって〈通信〉になるように(これは少し大げさだが)、ラジオ〈放送〉もiPod(=iTune)=Podcastによって〈通信〉になる時代がやってきたということです。


1109 「放送と通信との融合」 ― iPod(=iTune)の可能性 by 芦田宏直
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