by (2009-10-18 15:12:55)
Web上のあらゆるデータ・サービスに"アドレス"を割り当てようという考え方、あるいは、Web上のすべてのデータ・サービスは"アドレス"によってアクセスされるべきだという考え方を、最近のIT用語で「リソース指向」(Resource-oriented)と言います。
これは一見すると当たり前のように聞こえますが、そうではありません。データではなく何らかのサービスをWeb上に公開しているシステムの場合、そのアドレスをコピーして再アクセスしても、同じ結果が得られないような場合が少なからずあります。
Webを利用していると、URLをコピーしておいて、後でもう一度同じ内容を閲覧しようとしても、目的の画面にアクセスできないといった経験があるはずです。
これは、サービスへのアクセスがアドレスではなく(システムの都合による)コンテキストに依存しているためです。コンテキストに依存したシステムの場合、一定の手順を踏まないと、同じアドレスでも目的のサービスを得ることができません。そして、このようなコンテキスト依存は、これまでのWebシステムの開発において、むしろ一般的な手法でした。
その反省として「リソース指向」があります。「リソース指向」に即したシステム開発においては、すべてのサービスにそれぞれ固有のアドレスを割り当てます。
これならば、あらゆるサービスへのアクセスを、アドレスをコピーしておくことで再アクセスすることも、アドレスをメールなどで配布することにより、サービス自体を簡単に他に伝達することもできます。
「リソース指向」については、エンジニア向けですが、『RESTful Webサービス』(http://www.amazon.co.jp/RESTful-Web%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%83%93%E3%82%B9-Leonard-Richardson/dp/4873113539)が唯一詳細に解説しています。Amazonの"書籍検索"サービスのように、アドレスによって(他人が利用した結果であれ)その結果にいつでも再アクセスできるシステム開発の手法(考え方)が「リソース指向」です。
長くなってすみません。
でもIT技術者でもない芦田先生のアプローチは大変、面白かったです。私にも大変勉強になりました。
by ashida(2009-10-19 01:02:25)
IT技術者は、結局のところ、自分のやっている仕事の意味をわかっていないのです。
たとえば、私の書いていることを読んで、「要するにリソース志向のことだろう。そんなの言われなくったってわかっているよ」とか「もう古いよ」とか、そんなことしか言えない。
もっと酷いのになると、「こいつの言う『アドレス』って、IPアドレスのこと言ってんのか、URLのこと言ってんのか、どっちだよ、勘違いしてない?」なんて言い出す始末。
バカでしょ。こういう反応。技術者にばかり技術を任せておくと良くないのですよ。もちろん十二分に技術(者)を尊重した上で。
一体、日本の大学や専門学校でリチャードソンたちの「リソース志向」の歴史的な意味を教えられる教員はどれくらいいるのでしょうか?
私が教えてもいいですよ(苦笑)。