講談社『現代ビジネス』の田村耕太郎さんによる取材記事・第二弾、本日UPされました。 2012年05月28日
「偏差値30台、40台の学生を最強のIT戦士にする教育(その2)
― 東大、東工大を就職で圧倒する専門学校生。受験で詰め込めなかった学生に詰め込んでこぼさせず社会に出す教育」http://gendai.ismedia.jp/articles/-/32654。
---------
『人間性』とか『コミュニケーション能力』というのを期待する企業は、リベラルアーツ病にかかっている『高偏差値大学待望型』の企業なわけです。単に素性の良い学生を欲しがっているだけのこと。こういった企業を出口に想定すると、学校側もカリキュラム開発を促進する動機を失ってしまうわけです。
そもそも人間性を育てるカリキュラムなんて、宗教団体みたいなものです。コミュニケーション能力を育てるカリキュラムも、『オレオレ詐欺』のコミュニケーション能力には負けてしまう。そもそも、学校の先生というのは、もっとも人間性の怪しい、コミュニケーション能力のない、社会人基礎力もない人種でしょ。そもそもそんなカリキュラム作れるはずがない(笑)。
IT企業は、まだ業界の歴史が浅い企業群ですから、その点でも学歴差別、学校歴差別の薄い業界です。大企業であっても、専門能力で勝負できる企業がたくさんある。専門性に定位すれば、企業偏差値は付けやすい。開発系-受託系だけでも技術的格差はあるし、それに対応して大学院学生を新卒の半分以上採用している企業も技術志向だといえる。ここに学内の履修判定試験の偏差値順位を割り当てながら、学内の技術試験でどの程度の点数を取らせれば、どの程度の技術志向の企業に入れるのか、実績を踏まえながら年々修正を重ねていく。
芦澤先生のクラスには上位学年の偏差値と就職内定企業とが張り出されていました。後輩の学生たち、かれらはいつも先輩たちと一緒になってアプリケーションを作り合う学年交流がある訳ですが、先輩学生の顔が、同時に企業の顔に見えてくるわけです。まさにこれ以上ない目標設定です。
企業は学校関係者が思ってるほどに専門能力に無関心な訳ではない。ただ、『大学や専門学校が高度な専門能力なんて教育できないでしょ』と思ってるわけです。言い換えれば、人間性とかコミュニケーション能力とか社会人基礎力などというものが声高に叫ばれるのは、専門能力育成なんか元々無理なのだから、『せめてこれくらいは』と期待するのが、人間性とかコミュニケーション能力とか社会人基礎力への『ハイパーな』期待なわけです。私はそれを『せめても能力』と呼んできました。逆に言えば、高度な専門能力をもった新卒者を実際に育成すれば、大企業であっても採用の門戸を開き始める。私が芦澤先生と組んで証明したことはそういうことだったわけです」(芦田宏直氏)。
まだまだ続く→http://gendai.ismedia.jp/articles/-/32654
(Version 1.0)
※このブログの今現在のブログランキングを知りたい方は上記「教育ブログ」アイコンをクリック、開いて「専門学校教育」を選択していただければ今現在のランキングがわかります。
この記事へのトラックバックURL:
http://www.ashida.info/blog/mt-tb.cgi/1296