「大森様の指摘される問題は、決して看過できることではない」 2009年11月16日
「通りすがりの閲覧者」様より、15日20:22にコメントを頂きました。全文掲載します。
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くだんの「インターフェロンベータ1b」論文を巡る専門家諸氏の論戦、当該患者およびそのご家族の皆様には不謹慎ながら、わくわくしながら読ませていただいております。
このように、医学・生命科学分野における卓異な研究者同士の論戦を、間近で目にする舞台を提供していただいた芦田様に感謝いたします。
このようなところで、私のような門外漢がコメントするのは恥ずかしい限りなのですが、ちょっと大森さん(http://www.ashida.info/blog/2009/11/_x.html#more)を応援させてください。
「え?細かすぎるって? うーん、そうかもしれません。自分でもいちゃもんのような気がしてきた。この問題についてはこれ以上難癖をつける?のはやめにしますね。」
そんなことはないと思います。
統計学は人文科学・自然科学を問わず、非常に有効な分析手段を提供しますが、その前提は、統計処理は一定の数的指標を生みだしはするが、その解釈を生み出すことはできない、ということだと思います。
数的指標をどう解釈できるかは、たとえば、実験科学の分野では実験計画に依存します。だからこそ、研究目的と指標解釈のコンテキストとの一貫性を保証するための方法論として「実験計画法」といったものが存在するのだと思います。
したがって、数的指標の類似性(50ug投与群における年間再発率と250ug投与群における年間再発率との比が「OSMS患者で0.608(39.2%の減少)、CMS患者で0.746(25.4%の減少)」であること)と、「OSMS とCMS における本治療効果の程度や方向性が同等である」という解釈の間には妥当性がないという大森様の指摘される問題は、決して看過できることではないと思います。
(Version 1.0)
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