「芦田の毎日」について twitter 私の推薦商品 今日のニュース 写真ブログ 芦田へメールする

 岩波新書『新しい労働社会』(濱口桂一郎)と私のキャリア教育論 2009年10月29日

濱口さんのこの本(『新しい労働社会』)を読んで私に見えてきたものは、雇用問題とは別の外的な関心からのものだ。

私の疑問は、なぜ、(「学歴社会」に批判が多いのにもかかわらず、また雇用の流動化が進んでいるのにもかかわらず)依然として一流企業には一流大学の出身者が多いのか。

しかも一流大学であればあるほど「職業教育」「キャリア教育」と無縁な学校ばかりであるにもかかわらず、なぜ(結果的には)もっとも有効な企業「接続」が可能になっているのか?

また専門学校の職業教育は、なぜ職業教育一般を担えなかったのか? なぜ日本では「職業教育」が「普通」(普通科)教育よりも「格下」(文科省答申)扱いされざるを得なかったのか。

「頭がいい」ことと「仕事ができる」こととは直ちに同じことを意味しないことは、誰にでも自明であるにもかかわらず、偏差値の違いがそのまま就職上の有利不利に結びついているのはなぜか。

それが私が「『高等教育』における『新しい』学校種とは何か ― 『今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について』(中教審「キャリア教育・職業教育特別部会」経過報告)を読む」http://dl.getdropbox.com/u/1047853/ver04%E3%80%8C%E9%AB%98%E7%AD%89%E6%95%99%E8%82%B2%E3%80%8D%E3%81%AB%E3%81%8A%E3%81%91%E3%82%8B%E3%80%8C%E6%96%B0%E3%81%97%E3%81%84%E3%80%8D%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E7%A8%AE%E3%81%A8%E3%81%AF%E4%BD%95%E3%81%8B.pdf で取り組んだ課題だった。

濱口さんの「メンバーシップ型」「ジョブ型」雇用についての体系だった説明は類書の従来の説明とは質的に異なり、あざやかなものだった。この本の中身をもっとも役に立てるのは私しかいない、と思うほどのものだ。著者とは直接的な関心は違うが、私が抱えている数々の難問が「氷解」するという感覚でもあった。

濱口さんは再び私の当該ブログをとりあげ、私の「孤独な作業」について、「孤独な作業ではないですよ」と励ましてもいただいている(http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2009/10/post-66b3.html)。

私も最後の結論部に向かって、孤独ではない作業を仕上げなければならない(苦笑)。→「にほんブログ村」

(Version 2.0)

にほんブログ村 教育ブログへ ※このブログの現在のブログランキングを知りたい方は上記「教育ブログ」アイコンをクリック、開いて「大学」「専門学校教育」を選択していただければ現在のランキングがわかります)

投稿者 : ashida1670  /  この記事の訪問者数 :
トラックバック

この記事へのトラックバックURL:
http://www.ashida.info/blog/mt-tb.cgi/1165

感想欄

芦田先生、お久しぶりです。

反論されるのを、承知で書かせて頂きます。


私の疑問は、なぜ、(「学歴社会」に批判が多いのにもかかわらず、また雇用の流動化が進んでいるのにもかかわらず)依然として一流企業には一流大学の出身者が多いのか。


この疑問に対する私の考えは、次のようになります。

①偏差値上位大学卒の学生は、自分を追い込んで努力する方法を会得している。

②ある一つの物事に対して、様々な視点から解決策を導くことができる。

このことを簡単に証明できるのは、「雨」をスケッチさせると簡単に出来ます。

③時間の使い方を習得している。
一日は24時間しかありません。
能力の無い方は、24時間×0.4=9.6時間
普通の方は、24時間×0.8=19.2時間
A級能力者は、24時間×1.0=24.0時間
S級能力者は、24時間×1.5=36.0時間

つまり時間価値の違いです。

それが、1年、5年、10年、20年と時間が経過するに従って大きな差になっていくと思います。

100%ではありませんが、頭の良い学生ほど、ハズレが少ないのも事実です。

だから、一部上場企業が偏差値上位校から取るのはここに答えがあります。

東証一部の企業の管理職以上の学歴を昭和60年、平成2年、平成7年、平成12年、平成17年のデーターを見れば一目瞭然です。(当然、解析されているとは思いますが)


資格試験の合格率でも簡単に実証できます。

最終的には「本人のやる気」と「脳内使用割合の向上率TC」の2つで片付いてしまうと思います。

それと「バランス」ですね。その社会人、学生、生徒の「8方向要素分解」をしてみるとまた、面白い解答が出ます。企業の思惑が簡単に証明できます。

考えたことを思うままに列記しました。お許しください。ご反論覚悟で書きました。

失礼致します。

元専門学校管理職→現在東証一部上場企業管理職

投稿者 masa : 2009年10月31日 06:47

私の関心は、その先にあります。なぜ、「一流企業には一流大学の出身者が多いのか」という問いかけの答えが大概の場合、あなたのような月並みな(そして結果論的な)パーソナリティー評価に終始してしまうのかというものです。

それが私の論考 http://dl.getdropbox.com/u/1047853/ver04%E3%80%8C%E9%AB%98%E7%AD%89%E6%95%99%E8%82%B2%E3%80%8D%E3%81%AB%E3%81%8A%E3%81%91%E3%82%8B%E3%80%8C%E6%96%B0%E3%81%97%E3%81%84%E3%80%8D%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E7%A8%AE%E3%81%A8%E3%81%AF%E4%BD%95%E3%81%8B.pdf のテーマです(あなたはたぶん私の論考を全く読んでいない、あるいは読めていない)。

投稿者 ashida : 2009年10月31日 12:40

昨年秋より勉強させてもらっています。

とりあえず、岩波新書『新しい労働社会』(濱口桂一郎)をAmazonでポチしました。

『形而上学入門』はまだ開いていません。 m(_ _)m

投稿者 佐藤 純 : 2010年02月09日 13:45
感想を書く




保存しますか?