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 【第二版】24インチWUXGA(1920×1200)を買ってしまいました ― 文章作成におけるデータのフロー化というのは何を意味するのか? 2009年10月04日

最近は、ネットの資料を見ながら、エクセルデータを見ながら、PDFファイを見ながら、以前書いた自分のレポートを見ながら、新しい記事を書くということも多い。

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※これが昨日夜からの私の書斎机周り。この原稿もこの新しいモニタを使って書いている。

紙に印刷したものを文書として資料にすることはもちろんだが、その場合問題になるのは、引用と検索。引用に必要なコンテキストは大概の場合マーカーしているが、40頁、50頁にわたるPDF文書のマーカー箇所なんて、優に20箇所、30箇所を超える違いない。

マーカーというのは、すぐに見つけられるために存在しているが、50頁の文書で1頁に一箇所あるマーカーはもはやマーカーではない。それ自体見つけるのが難しくなる。

それを避けるために今度は色分けマーカーを使い始める。赤色は悪者(間違っている)、黄色は中間、緑は良い者(価値ある引用箇所)、橙色は「勉強になった」くらいか。

昔、私の恩師の一人川原栄峰先生(http://www.ashida.info/blog/2007/01/post_185.html)は、膨大なハイデガー文献を丸善カードにまとめていて、文献上のキーワードを悪玉、善玉等と分類していたのを思い出す。

しかしこんなこといくらやっても、実際の文章を書くときには気休めにすらならない。

そもそも文章を書く、書けるということは、資料を連続的に積み上げる、その延長上には全く存在していない。

書くことは跳躍に次ぐ跳躍の連続のようなものだ(連続的に見えるのは書き終わったときだけ)。だからマーカー以外の箇所がやけに気になってくることも多い。記憶の片隅からある箇所がすーっと浮上してくる。そうなると前もって用意した資料の8割が全く無駄になる。何百頁も渡る資料が実際書く段になると役に立たない。そんなことはしょっちゅうある。

したがって、紙資料もマーカーも意味がない。結局は検索状態を保持するしかないのだ。ネット上でかき集めたPDFファイルなどを「資料」フォルダを作ってPC内に格納しておいてもほとんど使わない。それ自体を忘れるからだ。

毎回検索して何度同じPDFファイルを読み開いていることか。印刷している場合にはもっと悲惨なことになる。文書フォルダ(バインダー)に閉じていること自体を忘れているから、何度も同じPDFファイルを印刷したりもする。

結局、「資料」は、純粋なフローデータとしてしか、書くことには役立たない。〈考える〉という脳内の動きは、フロー(純粋な「生ける現在」)でしかないからだ。文章は足し算だけでは書けない。

データのフロー状態をPC上で実現するには、巨大なモニタシステム(か、サブディスプレイ)を用意するしかない。

そこでついに買いました。24インチモニタ。しかも解像度はWUXGA(1920×1200)。

私は5年ほど前から学校でも自宅でも20.1インチのUXGA(1600×1200)を常用していたが、老眼が進んで(苦笑)、20.1インチでのUXGA(1600×1200)が辛い状態になっていた。

そこで買うならWUXGA以上しかない。しかしWUXGAは、安くても5万円以上するから辛い。UXGAでさえ、昔は20万円以上していたから、「WUXGA 、5万円」でも充分安いのだが、でも今となっては高い。

ところが、いつもお世話になっている「激安★超特価商店街」(http://buy.livedoor.biz/ )でWUXGAモニタが、なんと24760円(http://nttxstore.jp/_II_GD12544872?sess=bac1cff8626919618995cb0e674411c6)で売ってるではないか。 HYUNDAI製だが今頃そんなこと気にしてもしようがないだろう(ナナオのモニタ以外はどこでも一緒と思っておけばいい)。コントラスト比1000対1、輝度500cd、応答速度4ms、消費電力85W。2万円台のWUXGAの性能としては充分だろう。

型番はHYUNDAI W240D(W240D

ところでみなさん、24インチのWUXGAって、どのくらいの大きさだと思いますか?

横579センチ、縦455センチ、奥行き240センチ(モニタの厚さそのものは内蔵スピーカーの厚みも入れて6センチ)。

これを机の上に置くのは、社長机のようなものの上にでも置かない限り収まりが付かない。

私は、以前から少し机面よりも低いモニタ専用の置き台にモニタを置いて高さを抑えめにしている。マウス操作もその低いモニタ面で一緒に処理している。こうすると大きなモニタでも部屋全体の造形を壊さない。目線も下目になった方が疲れないので一挙両得。

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上記写真が、現在の私の机周り。モニタの横のサブモニタは、8インチ(http://astore.amazon.co.jp/ashidanomaini-22/detail/B001RBDY3Q)。通常この画面はGoogleリーダーを開いている。この8インチ(しかも解像度はただのVGA)でさえ11000円するのだから、24インチで25000円以内というのは格安だとも言える。

このモニタが自宅に届いたのは昨日、1日使った印象では、25000円でも充分使える。ちらつきもないし、ドット欠けも幸運なことに一個もなかった。一つだけ格安物を感じるのは、視野角。50センチ以内の近さで、目の位置を両サイドを少し超えるところまで持っていくと反対の端の部分が少し変色する。実用上は全く問題にならないが、ワイド画面ならではの視野角問題だ。10万円以上の高級モニタならこんなことは起こらないだろう(苦笑)。

この24インチWUXGAが脅威的なのは、通常の作業上の画面を三つ同時に開くことができるということだ。この画面で言えば、一番左がブラウザ画面(文字の大きさはこれで「標準」)。真ん中がExcelの画面(「100%」のサイズで、縦行は45行から50行、横セルは10ポ4桁の数値がA~AZまで一画面で表示できる)。右端画面はメインのWORD画面。WORDなら三分の一サイズ(「100%」表示)でもA4サイズ一頁全文が表示できる。フルサイズでWORDを編集するのなら三頁を一挙に表示できるということだ。

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※これが右端にGoogleガジェットを表示した場合の画面。WORDの画面を150%サイズにしても2画面の表示は楽勝だぁ。

このように、3つ、2つの画面を自在に駆使できれば、ファイルの出し入れだけやっていれば、紙ファイルはほとんど不要になる。マーキングも一々マーカーを使わずに、「書けまっせ!! PDF4」(http://www.antenna.co.jp/kpd/)を使ってモニタ内でマーキング。加えてPDF「検索」を駆使しつつ資料をフロー化。何やら必死そうだが、紙とモニタを行き来するよりははるかに楽だ。

その上、重宝しているScanSnap S1500(http://scansnap.fujitsu.com/jp/product/s1500/)には、マーキング箇所を自動的に検索キーワード化してくれる機能もある。世の中、すべては「PC内で起こっている」(織田裕二調で)。

私が最初に買ったワープロの液晶画面は40字×2行表示のTOSWORD JW-1(http://museum.ipsj.or.jp/computer/word/0048_win01.html)。1982年のことだ。たしか当時のお金で60万円近くした。有り金はたいて飛びついたが、当時の大学では私が(教員・学生含めて)一番乗りだったと思う。60万円出しても一画面に80文字しか出せなかった(しかもカラーではない)。それが1920×1200のWUXGA時代のモニタが25000円で手に入る。資料の作り方、文章の書き方が根本的に変わったのだ。すべてはフローデータ。最近はやりの言葉ではクラウドコンピューティングということか。

それを商品的に体現しているのがiPhone 3GS文化ということだろう。クラウドコンピューティングとは何かを知りたければ、iPhone 3GSを使ってみればすぐにわかる。あなたは「セカイカメラ」(http://www.appbank.net/2009/10/04/iphone-application/54283.php)を知っていますか?

iPhone 3GSや1920×1200のWUXGAモニタを常用し始めると資料を溜めすぎてしまって、一枚も原稿が進まず途方に暮れていた30年前の学究時代が懐かしく思われる。

1982年にTOSWORD JW-1を手に入れたときの興奮とはまた別の興奮がこのフロー時代、クラウド時代のコンピューティングには存在している。→「にほんブログ村」

※書斎周りといえば、最近、カラーページプリンタも買った。RICHOのSP C310(http://www.ricoh.co.jp/IPSiO/spc/310/)だ。何より業界一コンパクトだし(400×480×387)、カラーも白黒も分速25枚。両面印刷も分速25枚。スピードが落ちない。前面給紙(の上部排紙)で一度に500枚の紙を内蔵できる。コストも白黒2円/枚、カラー/枚4円くらい。耐久性はA4紙18万ページ。インクジェットに比べて格段に安く済む。本体の価格も実売8万円程度。カラーページプリンタも安くなったものだ。

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※これが書斎机の足元に置いたRICHO C310。きれいに収まってるでしょ。右がメインの自作パソコン。Core2 Quad 2.4GHzで、650GBHDD2機をミラーリングして組んでいる。この間もHDDの一機が壊れたが何ということもなく復活した。恐るべしRAID技術!

(Version 12.0)

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投稿者 : ashida1670  /  この記事の訪問者数 :
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