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 鳩山内閣誕生、おめでとうございます ― 国家戦略局と行政刷新会議の位置づけが気になる。 2009年09月16日

鳩山首相の組閣(組織論)で気になるのは、国家戦略局(菅直人大臣)、行政刷新会議(仙石由人大臣)の位置づけ。マスコミでも「位置づけが曖昧」と指摘されている。

特に問題なのは、この部局はスッタフ部局だという点。ラインとして存在していない。下手をすると小姑扱い。官僚は誰の言うことを聞いて仕事をすればいいのかわからないことになる。

この二つの部局が意味を持つのは、(首相の「スタッフ」部局としてなのだから)二つの部局の発信はすべて首相の発信というように位置づける以外に意味をなさない。

スタッフ部局はもともと所属の長(この場合は鳩山首相)のラインとしてしか意味をなさない。各大臣への(この部局の)指示は首相の指示というようにしか意味をなさない。

ところがこういったスタッフ組織の指示は、ラインが混乱して現場(各大臣、各省官僚)が混乱しやすい。

そこで私の提案。

鳩山首相は、この二つの部局の会議に必ず出席して、会議の決定過程と決定そのものをフォローすべきだ。会議に出られない場合は会議後の議事録(議事録は翌朝までに仕上げることをルールにする)をレフェランスとして菅直人、仙石由人との詰めをきちんと行うべきだ。

鳩山首相は、この二人との話し会い以外は必要がないところまで詰めを行わないとこの部局はたぶん解体する。各大臣との個別の会議や話し合いは意味をなさない。そういったことをしないための部局がこの二つの部局の存在でなければならない。

統一的な無駄の排除(ゼロリセットの予算案作成)、統一的な行政方針(=「戦略」)のための部局の存在なのだから、鳩山がこの部局の決定を無視して各大臣と話し始めたら、一挙にこの内閣の発信力、行動力は消え失せてしまう。

この部局はあくまでも拡大された鳩山首相、でなければならない。要するに、鳩山は、菅と仙石の二人と心中しますと宣言しているのが、この内閣の人事(組織論的にはそうだが、鳩山自身がそのことをわかっていないようだ)。

その認識が内閣全体の中に存在しないとバラバラになる。現場は、上層部のずれには極めて敏感。ずれの存在=なにもしないこと(なにもしなくてもいいこと)でしかないからだ。何もしないのはまだまし。どっちに付こうかな、と風見鶏が闊歩し始める。組織は解体してしまう。

経済財政諮問会議(竹中平蔵)と小泉首相との間でもさかんにそういった“詮索”合戦が生じていた。「あれは竹中の意見か、それとも首相の意見か」というように。これだけは避けるべきだ。

今日も新官房長官の平野博文は就任会見の記者からの質問に応えて、二つの部局は「総理のスタッフ組織」だと明言していたが、夜に行われたその総理自身の記者会見では「三者(首相、菅or仙石、担当大臣)がよく話し合って」と、わけのわからないことを言っていた。既に官房長官と総理との間でずれがある(たぶんこれらの部局は鳩山が考えたものではないのだ)。

そうなると菅も仙石も内閣の中で小姑扱い。浮いてしまう。どんな組織でもその組織が末期状況に陥るのは、指導層上部と現場との乖離に原因があるのではなくて(上層部と現場との間に乖離があるのはある意味で当たり前)、上層部自身の分裂が原因。

組織の求心性は上部が方針を明示できるかどうかに関わっている。これに失敗すると官僚と戦う前に大臣同士で喧嘩し始めるに違いない。官僚も閣内不和を利用するに決まっている。「現場」というのはそういうものだ。

鳩山さん、しっかりしてください。この内閣が成功するかしないかは、この二つの部局が機能するかどうかに関わっています。→「にほんブログ村」

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投稿者 : ashida1670  /  この記事の訪問者数 :
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