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 続編・東急コミュニティーのマンション管理はどこが間違っているのか ― 業務委託というのはどういうことか? 2009年07月01日

※この記事は、6月25日「【第二版】東急コミュニティーのマンション管理はどこが間違っているのか ― 業務委託というのはどういうことか?」(http://www.ashida.info/blog/2009/06/post_361.html#more)の続編です。

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たとえば、10年、20年経ったマンションでは、引っ越しや内装の改装が頻繁化する。引っ越し業者の出入りや内装業者の出入りが頻繁化する。

マンションの玄関アプローチから、対象住戸への作業上の往来が、マンションを疲弊させる。一回の引っ越しや内装改装で必ずマンションが傷んでしまう。

このダメージをどう最小化するかは、マンション管理会社の腕の見せ所。

ところが、東急コミュニティーともあろう名門会社がまったくまともな業者管理をやろうとしない。

たとえば、大概の引っ越し業者は、自動ドア出入り口枠、エレベータ出入り口枠の左右のライン(縦のライン)にはテーピングやカバーを付けるが、枠上部の縁(横のライン)にはテーピングやカバーを回さない。ほとんどの業者が回さない(なぜだか未だにわからない)。

このままで引っ越し作業や改装作業を行うと必ず玄関やエレベータの上部縁に傷が付く。大きな丈のタンスの出し入れや長い木材の出し入れの時に、上部が当たって傷が付くことはよくあることだから。実際、私のマンションのエレベータ出入り口上部にはこういった業者の出入りで多くの傷がある。

だから、たとえ業者の仕事偏差値が低くて出入り上部枠の保護ができていなくても、マンションの管理会社として出入り口上部を保護しろと指示するのは当たり前の仕事。私は数年来何度もこの指示をマニュアル化しろ、と言っているが未だにできていない。今日も内装工事の案内書が出回っており、私の使うエレベータには保護シートがかけられていたが、出入り上部枠は裸のままだった。

保護シートを完璧にしていても傷が付いたり、凸凹ができる場合はある。しかも業者は、まずは「自分たちが傷つけたのではない」と言う場合がほとんど。失態を自己申告する場合はよほどの場合のことだ。その時にはもう遅い。

したがって、マンション管理としては、業者の作業レーンをフォローした現状確認を共有する必要がある。

一つは、作業前の作業レーン上の現状をデジタルカメラにとること。単に写真をとるのではなくて、その業者の責任者を同伴させてカメラに現状を収めることである。

これができていない。業者の責任者と名刺を交換したり、マンションの引っ越し業務のルールや内装改装のルールを確認し合うこと自体が皆無に近い。

引っ越しなどが土日に集中しやすく、常勤の管理者が必ずしも土日にいるとは限らない。引っ越し住戸が存在する日時には、管理責任者は必ず勤務日とするというルールさえ東急コミュニティーにはないようだ。たとえ勤務日と重なっても、業者の作業を(時々には)監視するという姿勢もない。

出入りの業者は、ちょっとしたマンション管理者の動きに敏感だ。入ってきた途端に、マンション管理者(東急コミュニティー)が、「責任者は?」と近寄ってくれば、それだけでも「ここのマンション、うるさそうだ」と思って、作業が丁寧になる。保護カバーやテーピングの作業さえ丁寧になる。

まして、「このマンションの引っ越しルール(や内装工事ルール)は…」とか言って打ち合わせに入る場合には、もっと慎重になる。最初に「同伴デジカメ」作業を行えば、業者管理はほとんど終了したようなものだ。

最初の「同伴デジカメ」と「作業が終わったら、声をかけて下さい」と一言言っておくだけで管理業務の90%は済んだことになる。この程度の管理ノウハウさえ、東急コミュニティーには存在していない。マンションに出入りする業者の「始め」と「終わり」の管理ノウハウが存在していない。

今日はそのエレベータの一階の入口に「内装工事のお知らせ」という文書が貼ってあった。内容は内装工事があるということと工事期間(6月29日~7月10日)、工事時間(9:00頃~17:00頃)が書いてあるだけ。我が組合の理事長名の記載もないし、管理会社の担当者名も記載されていない。文書には、「東急コミュニティー」のヘッダもフッタもないから、思いつきの書類に過ぎない。とても公共的な掲示文書とは思えない。

まして、どんな種類の工事なのか、どんな音が期間中のいつ生じるのか書かれていない。午前中や土日は音をできるだけ出さないような日程管理ができているのかどうかも文面からはわからない。出入りする業者の会社名や部署、出入り作業員のおおよその人数も書かれていない。その工事責任者の名前や連絡先も書かれていない。

こういったことを言うと、「あまり詳しく書くとプライバシーのことがあるので」と小生意気なことを管理会社は言い始める。それこそがまさに理事会で話し合うこと。「プライバシー」に言及することが仕事をしないことの言い訳になっている。

管理会社はまずは共用部分が多い、住戸が上下左右に隣接するマンション工事管理において、まずは一番厳しい条件から「お知らせ条項」を整理して提案すべきなのだ。管理優先からプライバシー優先までのいくつかの「お知らせ」レベルを理事会に提案し、「ここまでは公開しよう」、「ここまでは控えましょう」という共有「お知らせ」書式を作っておくべきなのだ。東急コミュニティーには、内装工事の「お知らせ」を行う場合の書式マニュアル(の各レベル)さえ存在していない。マンション管理の専門集団にしてはありえない怠慢だ。

マンションの内装変更は10年以内のクロスの張り替えレベルなら趣向の段階で留まり、「プライバシー」で済むかも知れないが、10年、20年経つと、水回り(キッチン、トイレ、バスなど)、フローリング工事、間取りの変更などもやり始めるから、管理会社が自らの工事部などに設計仕様書などをチェックさせて(ブライバシーを配慮しながら)、通過したものだけを管理組合として認めるという手順も必要になる。この段階は理事会に議論をかけるというのもプライバシーがらみになるので、管理会社(東急コミュニティー)の責任で共用、専用部分の侵害行為がないかだけをチェックさせ、「問題なし」という報告だけ理事会にさせればいい。

ところが、我がマンションでは、引っ越し管理さえできていない東急コミュニティー管理のため、内装工事を管理組合に届けるというルールさえ徹底していない。築年数が長いマンションの重い内装工事をどう管理していくべきか、という問いかけももちろんない。意識さえない。それが杜撰な「内装工事のお知らせ」案内になっているのである。

そうやって、マンションがどんどんダメになっていく。泥棒が入った→有刺鉄線を巻こうなどという唯物的な(苦笑)管理しかできない。

泥棒が入る前に、毎日、毎時間宅配業者がマンションを出入りし(私の住戸なんかアマゾンの「お急ぎ便」を含めて1日に5回以上業者が出入りする場合もある)、引っ越し業者が一ヶ月に一回出入りし、内装業者が2ヶ月に1回出入りしている現状、毎日のようにマンションがこれらの出入りによって傷ついている現状に目をふさいでいるのだ。泥棒はこっそりと入るが、毎日のように正々堂々と出入りするこれらの業者を管理できないで、どうやって泥棒を管理するというのだ。


●まとめ ― マンション管理会社の偏差値のはかり方(その1)

1)引っ越し業者の出入りの告知文書に管理会社の統一的な書式(管理項目のノウハウ)があるのかどうか

2)引っ越し業者の出入り管理、作業管理マニュアルがあるかどうか

3)マニュアルがあるとすれば、どの程度のマニュアルなのか(業者の出入りによるマンションの疲弊を防げるものになっているのか)

4)内装工事の業者の出入りの告知文書に管理会社の統一的な書式(管理項目のノウハウ)があるのかどうか

5)内装業者の出入り管理、作業管理マニュアルがあるかどうか

6)マニュアルがあるとすれば、どの程度のマニュアルなのか(改装工事による共用、共有部分の侵害を防げるものになっているのか)

7)引っ越し、内装工事などの(少なくとも)事後報告 ― たとえば「問題なく終了」したという報告 ― が定例理事会で(管理会社の方から)報告するルーティンができているか

8)(20年近く経った)マンションの新築時の設計書(設計仕様書)などのマイクロフィルム化、電子データ化などの管理提案を(管理会社の方から)理事会にできているか

私は、これらの問題(これらの問題はまだまだごく一部分だが)を10年来東急コミュニティーに投げかけているが、一切回答がない。マンション管理なんて、管理会社には何もノウハウが無いのだ(経験はあっても)。一年、二年置きに変わる理事会(理事長)の機嫌を取ってることだけがマンション管理だと思っている。東急コミュニティーのマンション管理は理事長管理に過ぎない。 →「にほんブログ村」

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投稿者 : ashida1670  /  この記事の訪問者数 :
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感想欄

芦田先生

大変参考になりました。

本ブロクを以下のサイトで紹介させて頂いたところ、全て削除されてしまいました。

よほど東急コミュニテイーにとって都合が悪いのでしようね。

理事会で配布したり、以下のサイトで紹介させて頂いても宜しいですよね。

マンションコミュニティ 管理組合
http://m.e-mansion.co.jp/board/kanri/

投稿者 花子 : 2014年05月25日 15:17

>花子さんへ

どうぞ、活用して下さい。

投稿者 ashida : 2014年05月26日 00:37
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