家内が私に近づこうとしない ― ウイルスだらけの大阪に「三日間」滞在して帰ってきました。 2009年05月23日
昨日まで(5月20日から22日(水、木、金)の三日間)、大阪(伊丹空港~天王寺~梅田)にいた。今さらわざわざ大阪に行く奴はいないだろう。20日正午12:00羽田発のANAで、13:05に大阪伊丹空港に舞い降りた。落下傘でベトナムかイラクに舞い降りる心境か。
そこからリムジンで天王寺まで約30分。14:00~21:00まで、例の実習論(http://www.ashida.info/blog/2009/05/_50.html#more)で話しっぱなし。そのまま楽しみにしていた天王寺『珉珉』で餃子とレバーの唐揚げ(+珉珉独得の塩コショー付き)をたらふく食べる。やっぱり『珉珉』は楽しい。
そのまま天王寺都ホテルで宿泊。ただし、その日の研修のアンケート内容をパソコンで整理し,打ち直したため寝たのは夜中の3:00。翌日その整理したアンケート回答を使って、10:00~14:00まで話しっぱなし。それなりに盛り上がったかな。
そのまま昼食も取らず、もう一つ別の梅田の専門学校へ直行。天王寺から梅田まで御堂筋線で約20分。14:40~20:00までまた例の実習論で話しっぱなし。20:30~22:00くらいまで梅田駅ビルの地下の素敵な中国料理店で食事。味は中くらい。
そのまま駅ビルの中のホテルグランビア(JRのホテルとしては結構立派なホテル。設計がいい。私の見るところ梅田駅界隈ではベスト3に入ると思う)。翌日10:00~12:20まで、実習授業のシラバス書式の検討。なかなかいい議論が出来た。
そのまま新阪急ホテルからの伊丹空港行きリムジンバス12:35に乗り込む。伊丹空港に13:05に到着。空港内のレストランでビーフカレー(たしか860円)を食べる。14:00伊丹発。15:05に羽田空港到着。西新宿行きリムジンバス羽田15:20発に乗る。16:10新宿駅到着。京王線新宿駅から蘆花公園に16:35到着。自宅に16:40着。
天王寺から梅田に向かう御堂筋線の車内(お昼過ぎ)で、列車内のマスク率は、ほぼ34%。私の乗り込んだ車両には35名乗っていたが、12名がマスクを着用していた。
私はマスクは用意していたが、帰りの梅田(新阪急ホテル発)からのリムジンバスの中から自宅までしかしなかった。
帰りに着用したのは、その前の晩、家内のメールが届いたことが関係している。タイトルは「関西帰りの男性が感染した!」。本文は「埼玉県で大阪京都を3日間旅行した29歳の男性が、新型インフルエンザに感染した! 帰宅後翌日に高熱が出て発熱外来で検査を受けた」とのこと。滞在時間まで私と一緒だ。
そもそもこのエクスクラメーションマーク(=!)は何だ。私も気をつけろ、ということか(苦笑)。
そういえば、天王寺の学校も梅田の学校も「芦田先生、予定通り来られますか。学校は休校なんですが」と私の訪問を心配してくれていた。私は「でも先生は来てるんでしょ。ゆっくり研修が出来て絶好の機会じゃない」とますますやる気を出していたが、折り悪く「関西帰りの男性が感染した!」ということだ。
その上、梅田の学校の先生(中華料理店で夜遅くまで一緒だったY先生)が翌日(22日の金曜日)学校を欠席。ご家族のお子さんが熱が出て学校を休んでいるとのこと。また嫌なことを聞いてしまった(笑)。
さすがの私も帰りのリムジンからはマスクをすることにした。
普通だったら、そんなことを聞いてもマスクなどしないが、私の場合は特別な事情がある。家内が多発性硬化症(本当はNMOという病気)を5年前に発症して、ほとんど寝たきりになるほど重症化しているために(いつ死んでもおかしくないかな)、ウイルスに極めて弱い体質になっている(http://www.ashida.info/blog/cat8/)。
多発性硬化症(あるいはNMO)は「自己免疫疾患」(あくまで一説に過ぎないが)と言われているから、免疫機序が崩れると何が起こるかわからない。
その上、ステロイドを一日20㎎もここ数年服用しているため、そもそも免疫機能が抑制されている。ウイルス感染に弱い。「お嬢様」なみだ。
だからブタ経由の新型ウイルスなんて、感染したら間違いなく死ぬ「!」。
そこで「関西帰りの男性が感染した!」というメールが届いた後、家内に電話をした。「あなた、まだ生き続けたいのね」「当たり前でしょ。たぶん感染したら死ぬと思う」「ということはあなたを殺そうと思ったら、感染するしかないということか」「そうよ。あなた何言ってんの」「この場合、完全犯罪になるのかね。逮捕されるのかな」「バカじゃない」。
てな会話をしていたのが、梅田の21日深夜ホテルグランビア。それで翌日、さすがに梅田のリムジンバスに乗るときには、マスクをした。あんな会話をしてしまった以上、家内が息を引き取るときに、私を指さして「この人が悪い」なんて言われたら完全犯罪ではなくなる。それはマズイ。
そもそも私も好酸球過多型喘息の持病があり(http://www.ashida.info/blog/cat23/)、好酸球を抑制するためにステロイドを毎日0.5㎎(ここ4年くらい)服用している。私も厳密に言えば、免疫力は弱いはず。ただし一度も大きな風邪を引いたことはない。インフルエンザにかかったこともない。
が、この状況下ではマスクも致し方がない。警察にえん罪事件をでっち上げられたりしたら大変だ。そもそも周囲の人たちが「アシダならやりそうだ」と言うに違いない(苦笑)。
しかし、大阪は結構神経質だ。リムジンバス内(梅田→伊丹)で私がちょっとした喘息型の咳をしただけでも、一つ前の席の女性が私の方を振り向いた。「あらら」と思って緊張するとまた咳が出てしまう。とにもかくにも大阪の街中では咳をするとまずい。ユダヤ人ではなくて咳人がパージされてしまう。社会ファシズムというのはこんな感じか。
こんな街中にいると、感染していなくても感染した気になる。目線(見られる目線、見る目線)が内向化して、神経症的な感染状態が生じる。これこそがたちの悪い病気だ。
そこでやっとその大阪を抜け出して帰ってきたら、今度は自宅でパージされる。家内は、あちこちにアルコールの洗浄液を置いている。「お帰り」とは言うが、その口先は団扇で隠している。「千年ぶりにキスでもしようか。何でもサービスしますよ」と言ったが、「ありがたいけど、今回は止めておきます」と断られた(苦笑)。
そういえば、羽田からのリムジンバスが首都高速の新宿インターを降り、西新宿界隈に近づいたとき、リムジンの一段と高い目線から街歩く人々がみんなウイルスのように見えたのは、私だけの妄想か。このリムジンに乗っている人は大阪から帰ってきた人(来た人)も多い。マスクを付けた人も多い。リムジンバスのマスク越しに見える新宿の光景は、SF映画の風景に近かった。
はてさて、私は感染しているのか、していないのか。まだ誰にもわからない。乞うご期待(苦笑)。既に家内に感染しているのでは。ますますわからない。来るべき日のためにも、私は感染経路日記を今したためておきました。
(Version 3.0)
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