「松山や秋より高き天守閣」 ― 松山城は素晴らしい(私はお城評論家になることを決意したのであった) 2009年03月01日
先週は24日(火曜日)が専修学校フォーラム(http://www.invite.gr.jp/news/2008/forum2009.htm)一日目で発表+パネルディスカッション参加、2日目(25日)が4年制IT人材育成カリキュラム発表、26日が松山(愛媛県)の大学でFD研修、27日が同じく松山の専門学校で広報・募集研修、土曜日の夕方羽田着という強行スケジュール。火曜日から金曜日まで連続で研修講師。くたくたの一週間だった(今月3月はこの三倍ほど忙しくなる)。土曜日にだけはせっかく松山まで来ているのだからと、松山城と道後温泉に立ち寄り写真に収めてきた。
お城なんて、中学校の修学旅行の時の大阪城以来。何とも思わなかったが、今回、この年になってと言うか、初めてお城の面白さを知った。何度も声を上げたくらいだ。
お城は、敵の侵入を防ぐために、折りたたむように進路が形成されている。何度も方向を転換させる度に位置感覚も方向感覚も失わさせる。それもあって曲がる度に造形が大きく変わる。
進む度に、曲がる度に眼前の風景ががらりと変わる。これが面白い。何度も楽しめる。曲がる度に「なんだぁ、これは」と大きく声を上がるばかり。これは一日中いても飽きない。それに天守閣に上がると松山市内が瀬戸内海もふくめて一望できる。お城は楽しい。
私は昨年秋電動自転車を買って公園評論家になってしまったが(http://www.ashida.info/blog/realstream/)、今度からはお城評論家になろう、と決意した瞬間だった。城内というのは保守的な閉じた空間だと思い込んでいたが、こんなに起伏に富んだ空間はない。一つ一つの曲がり角に高低を含んだ趣がある。
松山城の天守閣は160メートル以上の高さになる。これは数値だけではわからない。東京のような高層ビルに囲まれた生活からすれば、どうという高さでもない。しかし、高さは数値ではない。
「松山や秋より高き天守閣」というのが正岡子規の句だというのは、国語教科書的な知識としては知っていたが、この句の意味は現地に来ないとわからない。
秋の澄み切った、突き抜けるような空の高さよりも高い、という感慨は、ここに来ないとわからない。そう思ったとき子規の句のぞっとするような鋭さが私の全身を襲った。この句の意味は吉本的=「自己表出」的に言って「私にだけしかわからない」(http://www.ashida.info/blog/2009/01/nhketv.html)。
下記の写真にその感覚を残そうとしたが、たぶん私の感激の10分の1も伝わらないだろう。コンパクトデジカメでは伝わらない。
今月からは月に2回は松山を訪問することになるから、今度は絶対に一眼レフカメラをもってきて一日中撮りまくってやろう、と固く決意するのであった。みなさんも是非松山城に訪れてみて下さい。東京から2時間たらずで訪問できます。
松山城は、小高い山の上にある(標高132メートル)。天守閣は132メートルからさらに30メートル高いところにある。ビルがない江戸時代には、まさに圧倒的なランドマークタワーだったのだろう。天守閣へ行くには、ロープウエイかこのようにリフトを使う。行き=登りは寒かったのでロープウエイを使った(http://www.city.matsuyama.ehime.jp/matsuyamajo/1176443_1025.html)。もちろん歩いてもあがれるが30分はかかる。
ロープウエイを降りると、こういった公園っぽい広がりがある。すぐには天守閣など見えない。お城の全景が見えないくらいに広い。というか、このお城は単に高さだけではなく、横にも広い。それも特長だ。お城に登ってきても天守閣の遠景と高さを堪能できる。楽しい。
奥にある天守閣が見えますか。この天守閣の遠近がまた何とも言えないのです。
天守閣の低い方から見下ろしたお城の入り口(ロープウエイを降りた踊り場広場)。天守閣に登るには別料金(500円)がかかる(http://www.city.matsuyama.ehime.jp/matsuyamajo/1176839_1025.html)。
何重にも折り込めれたお城の構造。何回か曲がると位置感覚や方向感覚を失うように作られているのだろう。
鉄砲を撃つための窓から覗いた松山市内。
鉄砲を撃つための窓から覗いた場内の踊り場。踊り場に引き込んで一挙に打ち込んで敵を全滅、という感じか。こうやって覗いていると本当に打つ気(殺す気)が起こるから、なかなかの仕掛けだ。
大天守閣からの松山市内。
敵が天守閣まで登って来れないように階段の勾配は急角度。
帰りはリフトを使った。視界が大きくてリフトの方が楽しい。下のセーフティネットが全てたわんでいるのが気になった。そんなに落ちる人が多いのか?
松山は、こけし、だるまさんの産地か?
これが道後温泉。「道後温泉」というのは、この館の固有名詞だったのか、と初めてわかった。地域の名前ではないのだ。「道後温泉へ行って、道後温泉に入った」と言えるためには、この館の温泉に入らねばならない。「道後温泉」は、城崎温泉のような温泉街といった風情はない(私は城崎温泉しか知らないが)。私は道後温泉よりは松山城の方が好きだ。
ちょうど「道後温泉」の前で結婚式を挙げていた二人にであった。私も専属カメラマンにまじって写真を撮っていたら、この人どこのひと? と新郎が私を不安げに見ていた。新婦の昔の男か、と思われたのかもしれない(苦笑)。でも新婦は確かに付き合ってもいいくらいに美人だった。
これが、天皇陛下が来られたときに使う専用の入り口。「道後温泉」の先の入り口の正反対の後ろ側にある。
(Version 6.0)
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おはようございます。
お疲れ様です。
精力的に活動されている芦田先生の姿をブログを通して
拝見させて頂いていますが、すごく自分にカツが入ります。
私ももっと頑張らないと、
もっと理想を実現するために
一日一日を有効に活用しないとと考えます。
どうしても今の地位が
楽な立場に落ち着いたので、
現状維持で波風たたないように
楽しく過ごしていますので、
これでは
後悔するなと考えています。
もっと
夢を描き
理想を追求して
高きを目指していかないと
ここで身を引き締められます。
さて、
話を替えて
「お城」は面白いですよ。
私は
建築が専門ですので、
特に学生時代からお城を見て歩いています。
また、父親が宮大工をしているので、
修復工事にも
小さいころから付いていっていました。
オススメは
①姫路城
②唐津城
③名護屋城跡
④安土城跡
⑤熊本城
とくに建築的な見地からも
姫路城は深いですね。
お体に気をつけられて
業界を革新してください。
私は建築業界で
のし上がっていきます。(今の現状に満足することなく)
また、書き込みをします。
松山城は、平山城の連立式天守で現存12天守の一つです。
国宝ではないので文科省の改修工事の予算が少なかったみたいであまり手つかずです。
2年ほど前の改修前のほうが雰囲気がありましたが、後世までの残す必要がありますからね。
春の桜の時期も見頃ですよ。四季の変化も風情があります。
芦田様へ
松山城の記事、非常にありがたく拝見いたしました。
地元に住む松山城ファンとしても非常に有難く、心強いご意見です。
今後も松山城に対するご意見を、よろしくお願いいたします。
不可能な事なのでしょうが、現在、庭園の状態まで復元されている二ノ丸や、二ノ丸から本丸まで続く登り石垣を、麓から見えるようにまで、復元出来たなら、もっと良く松山城を知ることが出来るのに・・・と思います。
今後も、芦田先生のご活躍をお祈りいたしております。