「松山管理職研修」無事終了 ― 経営者の孤独 2009年02月06日
松山管理職研修(http://www.ashida.info/blog/2009/02/post_324.html#more)は、なかなか手応えがあった。というか9:30から始まって18:00終了の2日連続研修。しかも2日間とも昼食以外の休憩はすべて無し。2日目は、私自身がお昼休みを忘れて、朝からぶっ通し話し続け、気付いたら14:00。私自身はお昼抜きでも話し続けられるが、そうも行かずやむなく休憩。そのまま18:00すぎまで再び話し続けたが、最後の方は「飛行機は何時だっけ」と担当者に聞いたら「7:30です」。「もうこうなったら飛行機がなくなろうとどうなろうと行くとこまで行くぞ」と参加者に笑われながらも叫び続けて2日間を無事終了できた。みなさん、トイレ休憩も無しに良くも頑張って付いてきてくれました。
2日間とも立ちっぱなしで、昨日夜11:00前自宅の戻ったら足がむくんでいたが(それに、気付いたら喉が痛い、完全に枯れているが)、これくらいはまだまだ行ける。
何といっても参加者のみなさんが熱心で、それが私をまた元気づけている。一番感心したのが、9つの専門学校を含む各組織を17も束ねる「学園長」のKさん。
ご高齢ではあるが、二日間ともフルで私の研修に参加されていた。2日目には気付いたら最前列。これには参った。私のような若造の話を良くも聞いてくださったものだ。
ふつう、創始者クラスの経営責任者は、こういった職員研修には参加しない場合が多い。校長でさえ出てこない場合もある。最初に御挨拶して、「今日はよろしくお願いします」で終わり。最後に出てこられて「ご苦労様でした」という場合が多い。教員教育(FD)の必要性を口にする経営者は多いが、自らは研修を評価しようとしない。いわゆる「お願い」研修だ(トップが参加しない研修を私はこう呼ぶことにしている)。
「お願い」研修では、後の指令が出せない。自分が聞いていない研修のフォローなど出来るはずがないからだ。そういう研修は、所詮「イベント」にすぎない。ほとんど研修費をどぶに捨てているようなものだ。しかも2日間フルに管理職を研修会場に閉じ込めているのだから、この春先の忙しい時間を考えれば、時間コストも大変なものだ。Kさんは陣頭に立ってこの研修のすべてをリードされた。私が燃えないわけがない(苦笑)。
私の研修の(みんなが指摘する)特長は、誰に怒っているのだろう、と思わせる怒り爆発口調。私自身も講演中、「何でこんなに怒ってるんだろう」(笑)と言いながら話し続けている。専門学校関係者や前任校の学校の教職員に「こんなことでいいのか」と言いつづけてきた口調が、講演最中でも四六時中出てくる。
初めて私の講演を聴く人は、「不思議な人だぁ」と思うでしょうね(苦笑)。でもそんなことは私には関係ない。私は本当にこの専門学校業界の全体(全体のていたらく)に怒っているのだから。何事も正直に話すことが大切だ。そうでないと伝わらないでしょう。「改革」なんてそんな簡単にできないのだから。
Kさんは、昨日、私の研修の結語として、「私はもうそろそろ引退しようと思っていましたが、芦田先生のお話を2日間聞いて、何か力が出てきて元気になりました。まだまだやりたいことがあるし、やらねばならないことがよく見えてきました」と結ばれました。研修講師としては大変ありがたい言葉を頂きましたが、一方で経営者をこんなに元気付けて、下の人はまたやりづらいだろうなぁ、と思わず参加者を見回した瞬間でした(笑)。
私は、昨年の夏、一校長、一理事として自分の上司(理事長)を失いました。その後の仕事はもぬけの殻のようなものです。信頼する長を失うとはこんなものなのかと思いました。ほめてくれたり、しかられたりする人を失うというのは仕事をする上で大きなダメージになると初めて感じました。未だにその痛手から抜け出せないでいます。
逆に言うと、経営のトップというのは孤独なものだということです。誰からも褒められず、しかられず仕事を続けなければならない。経営者にとってはマーケットのみが自分の上司なのでしょうが、そんな目に見えない、沈黙の上司と対話し続けるというのは大変な能力です。学園のみなさんもそういったトップの置かれた状況を良く踏まえて、助けてあげて下さい。うるさく言われているうちが花ですよ(苦笑)。
そんなこんなで私こそが色々と勉強させていただいた2日間でした。2月末にはふたたび松山の大学に訪問します。その時にまたお会いしましょう。今度こそ道後温泉と松山城に行くぞ。
一日目の研修終了後、学園長にご招待された「美膳 かわはら」(http://r.gnavi.co.jp/s025542/)の蟹釜飯。客席の座卓の上で最初から炊きあげる。最高に美味しかったですね。蟹も極上のものが使われていました。それに今となってはなかなか味わえないお焦げご飯の絡まり具合がサイコーです。お出汁の方も濃からず薄からず、食材とご飯のからみを上手に演出していました。さすがに海の松山です。
(Version 2.0)
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