本日の電動自転車 RealStream ― 40キロ以上走り続けたが、最後は電池が点滅しはじめた、そして会議をキャンセルした(14枚の写真付き) 2008年10月31日
今日(30日)は大失敗をしでかした。大田区蒲田で14:00から会議があったのだが(私はその会議の主要なメンバー)、クルマを使わず、昨日に続いて自転車(RealStream)で行こうと思った。
環状8号を南下すればいいだけのことだ。ただし片道25キロはある。往復50キロ以上。体力的に帰ってこられるか心配だったが、まあ何とかなるだろう。そう思って13:15に自宅の蘆花公園を出発。
自宅マンション8階の玄関前で、愛犬のように出発を待つ我がRealStream。今日も頼むぞ。
しかし環状8号なんかまともに走れば、顔中、喉中、泥だらけになる。そこで環状8号のもう一つ外側、多摩川に近いルートを開拓しながら南下しようとしたのだった。
祖師ヶ谷大蔵から成城学園の方へ抜けて…多摩川縁を南下しながら矢口あたりで環状8号と合流すればいいんでしょう、とイメージでは出来ていたが、これが大きな間違い。
出発して5分も立たないうちに祖師ヶ谷大蔵を超えたところで道がわからない。小田急線を越えて、できるだけ環状8号と離れないように走ろうとしたが、これがうまくいかない。世田谷は元々田舎道が多いからまっすぐな道がない。曲がり角自体が曲がっている。だから一度曲がるともう方向を見失う。
ちらちらと見える環状8号を目印に用賀を目処に南下したが、結局世田谷通り前で環状8号に出ざるを得なくなった。そこまでが右往左往で時間がかかった。きれいな空気は断念して砧公園(http://kinutakoen.com/)を右手に見ながら環8沿いをそのまま南下。もうこのあたりではきれいな空気よりも静かな住宅街よりも、「最短距離、最短距離」と念仏のように唱えていた。
ところが、第2の不幸が私を襲った。私は環状8号外周側を南下していた。それが行けなかった(下記写真)。東名高速が頭上に大きく立ちふさがる用賀交差点に来たが、「渡れない」(1人で大きな声を上げた)。
大きな歩道橋があったが、押して上がる気もしないし。東名を横切るには環状8号の外側(西側)ではなく、用賀中町通りなどを利用した方がスムーズに南下できるのかも知れない。それとも最初から成城を目指して多摩川に出るか、どちらかだ。
しかし、もう遅い。仕方なく東名沿いに西側に曲がり、200メートルくらい遠回りをしてやっと東名を横断。
しかしここからも難所が続く。環状8号に復帰して瀬田の交差点を直接目指すか、それともまた環状8号を並行しながら上野毛の方の裏道を走って多摩川へ出るか。
ここでもまた裏道を行ったものだから、瀬田の交差点が遠い。自動車ならすぐの距離なのに。結局瀬田の交差点に戻ったときには、もう13:55.間に合わない、と思っていたら、不幸は続く。
電池の充電状態を示すランプがひとつ減ってしまっているのに気付いた。満充電で四つのランプが付いているが、そのうちの一つが上野毛の手前で付いた。ちょうど多摩美大あたりだ。まだ蒲田まで半分も来てないだろう。うろうろしている内に10キロ以上走ってしまったということか。これでは蒲田へ着いたとしても「帰れない!」とまた1人で走りながら叫んでしまった。
とりあえず、田園調布あたりまでそのまま環状8号を南下したが(まさに最短距離で走るしかない)、充電ランプが気になってしようがない。そこで「今日は解散!」と自分1人で叫んでユーターン。田園調布から多摩川縁に進んで一気に多摩川を北上するコース。帰路についた(笑)。
なんて言おうか。「電池が切れました」なんてまるでウルトラマンみたいだな、と笑いながら独り言。とりあえず、多摩川へ出て二子多摩川あたりまで戻り、多摩川縁でベンチを探してメールを打つ準備。
以下が風そよぐ秋の多摩川縁で敗北の将のように打ったメールの全文(そのまま)。
ここがメールを打った場所。赤い看板は多摩川高島屋。鉄橋は東急東横線。
件名:今日は申し訳ない。
自転車の電池が田園調布を過ぎたところで2つ目(全部で4つ)に入り、帰宅が地獄に陥る可能性あり。この身の安全を最優先します。ただいま二子多摩川縁で休憩中。レポートを後で送って下さい。申し訳ない。
以上、そのときのメール全文。
打ちづらい iPhone 3G。この長さが私にとっては原稿用紙10枚程度の長さに当たる(苦笑)。 iPhone 3G で3行も文章を打っただけでも、私の反省の強さが伺われるというものだ。一度リセットして打たないととても3行もの長文は打てないのだから。
実はこの会議は来る衆議院選挙の選挙対策会議。コピーライターもポスターデザイナーも、議員本人も(風邪を押して)参加しているというのに、「電池が切れる」とは何事か? と怒られそうなので、議員本人から電話がメールの直前かかってきたが取らなかった(苦笑)。まずはメールで予告しないと。
ただし、私には読みがあった。麻生内閣の成立直後から、私は「選挙は近々にはない」と言いつづけてきた。議員本人にも「あるわけないでしょ。この地味な内輪内閣で勝てるわけない。自殺行為のような選挙をやるわけない」。でも成立当初は、議員周囲で、「ない」と言っていたのは私だけだったらしい。「芦田さんだけだよ、『ない』って言い切っているのは」と。
でもここ一週間ますます選挙は遠のくばかりの情報。それもあって急ぐ理由はない、と。電池が切れたようにして、選挙も遠のいたのだ。ひとまず休戦の私の多摩川散策でしょう、そう思った。
多摩川の北上は、楽しい。この川沿いに自宅(と仕事)があれば道に迷うこともないのに。ずーっと北上していくと何となく山田太一の名作中の名作、30年前の『岸辺のアルバム』(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B2%B8%E8%BE%BA%E3%81%AE%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%90%E3%83%A0)を思い出した。「八千草薫に一度不倫をさせたかった」(相手はたしか竹脇無我)という当時の山田太一の言葉がふと頭に浮かんだ。川沿いの家々の主婦は全て浮気をし、すべてが洪水で流されないと家族が見出せないような家族が住んでいるのか、これらの家屋のすべてが、と思いながら自転車を漕いでいた。
二子多摩川から少し進んだところ。北に向いて撮っている。こんなふうに蛇行している多摩川を見たのもはじめて。蛇行の具合が美しい、と感じたが、上手い具合に写真に撮れていない。残念。
しかしどこまで上流を攻めれば、私は自宅へ帰れるのか。このまま調子に乗って上っていけば立川の方まで行っちゃうでしょ、蒲田どころじゃないじゃやない、とまた独り言。誰にも聞こえない。
とりあえず、成城を目指そう、ということで多摩川縁を歩いている30歳前後の主婦(また「30歳前後の主婦」だ)に聞いてみた。ところが、いつのまにか成城を超えているということをそこで知った。「いやー、そんなに後戻りですか」と照れ笑い。まさかこの女性は私が同じ世田谷区在住とは思っても見ないでしょ。それくらい一応驚いておいた。感謝の気持ちを表さないと。
警察官が白バイに乗って叫び続けている教習所を超えたあたり(後で地図を見たら「交通安全センター」と知った)で、砧浄水場(これも後で知った)の方へ、多摩川を離れた。
しかし、ここからが大変。全くわからない。2、3人の男性女性に聞くがその都度道に迷う。私は決して方向音痴ではないが、川沿いのこのあたりはまともな道が全くない。本当の田舎道が続く。世田谷通りでさえ曲がりくねっているのだから、一歩中に入れば最悪の世田谷なのである。しかも昨日のように女子高生に全く会えない。情けない。
そうこうするうちに昨日の野川に出た。「やったー野川だ!」とまた1人で叫んだ。これを北上すれば、少なくとも仙川+つつじヶ丘あたりにはたどり着けるでしょう、と一安心。
小田急線を超えたあたりから、「汚い河」という印象の強かった野川がきれいな桜並木に代わった。これは4月に来ないと。思わず自転車を止めて写真を撮った。
野川にもきれいなところがあるのをはじめて知った。ここはたぶん桜の名所でしょ。
わたしはこのまま行くと仙川の方に出るだろうと思っていたら、これがまた大失敗。多摩川と同じく上りすぎた。野川は仙川ではない。仙川は野川ではない。仙川分岐を超えて野川沿いに北上していたのだ。いつのまにか武者小路実篤記念館にたどり着いていた。
なんでこんな三流の文学者の記念館にたどり着いたのか? 私は白樺派のロマン主義はすでに中学校の時からうさんくさくてイヤだった。それが54歳で迷いに迷ったあげくなんで記念館にたどり着かなくてはならないのか(苦笑)。私の自宅の前は世田谷文学館、わざわざこんな断崖の記念館(すぐそばにおそらくはあの若葉町三丁目の出光ガソリンスタンドから続くであろう断崖が迫っていた)に来る必要もないのに。
そもそも仙川と野川の分岐・合流は(後で調べたら)東名高速よりも南。鎌田3丁目(砧中学や駒大多摩川校舎)あたりで生じている。仙川を当てにするならかなり早いところで多摩川から逸れるしかなかったのだ。
それに私はその「駒大多摩川校舎」をわざわざ写真にとっていた。わざわざ、通りすがりの散歩中のご夫婦に「あの学校は何ですかね?」と聞いていたのだ。「あれは、駒澤大学の多摩川校舎です」と親切に教えて頂いたところだった。長らく学校経営に参加してきたから、学校の校舎を見ると思わず写真を撮ってしまう(苦笑)。
これが駒澤大学多摩川校舎の一部。ここで多摩川を離れて仙川に移動すべきだった。
これも迷い道がてらに撮った「喜多見中学校」。立ち止まって写真を撮っていたら、成城の駅を2分前に教えてくれたおばあさんが私の自転車を付けてきていて(電動だというのに)、「そこじゃないよ、もう一つ向こうの信号を右に曲がるんだよ」と後ろの方で叫んでくれていた。親切だぁ、と叫びながら喜多野中学校滞在時間はわずか10秒。「学校」を見るとやはり女子高生並みに胸が騒ぐ。
要するに武者小路実篤館なんてところへ来たら、私の帰路人生はもうおしまい。ここは「仙川」と言うよりは「つつじヶ丘」なのである。誰に聞いても「つつじヶ丘」しか教えてくれない。しかも「つつじヶ丘」駅と「仙川」駅との間には、あの例の出光ガスの大きな坂(若葉町3丁目の都道114号線)に見られる断層がある。甲州街道に近いところで「つつじヶ丘」から仙川方面を目指すために上った坂がまたとてつもない坂。距離は短いが、勾配がとてつもなくきつい。なんとか足を付かずに登り切ったが、このとき、大変なことが起こった。我がRealStreamは今日のこの日のドライブの力をすべてこの坂で使い切ったのだ。なんと後一個になっていた充電ランプが点滅しはじめたのだ。
「なんだよ、これは」と叫んだときは、すでに多摩川縁ではなく、雑踏の中、人々が私を変な目で見ていた。
ここはまだ「つつじヶ丘」駅近辺。ここから「仙川」駅を超え、さらに「「千歳烏山」駅を超え、「蘆花公園」の自宅までどうやってたどり着けるというのか?
結局、私は今日、蒲田へ行かなくても帰れなかったということか。ガーンと暗くなった。できるだけ転がり状態で走ることにした。
これほどまでに「仙川」が遠く見えたことはない。昨日はあれほど近かったのに。時間はすでに4時すぎ。3時間ほど走り続けている。さすがにこの時間になると仙川駅は女子高生であふれんばかりの人だかりだったが(私は若い子にしか目がいかない)、このときばかりは目もくれずに仙川駅を通過した。その間、充電灯はずっと点滅状態。
だが、「仙川」まで戻れば後は自力でも大したことはないだろう。「仙川」から旧甲州街道に入って少し行くとなだらかだが普通の自転車ではきつい坂があるが(ちょうど本物の仙川を超えたあたりから)、これさえ登り切ればもう平坦路しかない。恐る恐るこぎ続けたが、その坂も登り切り、無事千歳烏山、蘆花公園まで戻ってきた。点滅状態でなんとか乗り切れた。
本日の走行距離は約45キロくらい。どこまで点滅後走れるか確かめるため、自宅の周りを何周かしたが(戻ってくるとなぜか余裕が出来る)、バカらしくなって止めた。「つつじヶ丘」駅から自宅までは約5キロだから、点滅後でも8キロから10キロは走るような気がする。
我がRealStreamの心臓部。今日も弱音も吐かずよく走ってくれた。体重80キロもある私を45キロに渡って快適に運んでくれたとはとても思えない小ささ。
電池はこんなにも小さい(重さは1.2キロ)。最近はリチウム電池になっているために携帯電話のように継ぎ足し充電が出来るようになり、電池の持ちも良くなった。電動自転車は初期の頃ニッカド電池でしかパワーが稼げないモータしかなく、メモリー効果で電池がすぐにダメになっていたが最近はそれもなくなって使いやすくなった。なお、昨日は「十六茶」、今日は「伊右衛門」をドリンクホルダーに付けて走ったが、RealStreamのミラーシルバーには「十六茶」の方が似合っているようだ。
昨日25キロ、今日は40キロ。乗れば乗るほど、ロゴにも愛着がわく。乗り物は信頼感が第1だ。
さて、今日の反省と勉強、以下4点。
1)とにもかくにも、自転車こそナビが必要。今日もそれを痛感した。自動車じゃないので迷い道は命取りになる。疲労もたまるし、電池も消耗する。最短距離で、大きな道(空気の汚い、騒音の道)を走らないとすれば、ナビは必ず必要。昨日注文して(http://www.bolt.co.jp/bike-navi-gps/mio_c325-bike-navi_c325.asp)、明後日土曜日午前中納品予定。楽しみだ。ナビさえあれば、どこへでも行ける。電池も距離も計算できる。 iPhone 3G をもっているのだから、 iPhone 3G を使えばいいじゃないかという意見もありそうだが、それは無理。まず第1に測位状態で画面常時点灯だと iPhone 3Gの場合、30分も電池が持たないだろう。肝心の電話とメールとネットブラウジングが出来なくなる。必要なときだけ見ればいいじゃないかといわれるかも知れないが、そんなことを世田谷の隘路でやっていたら、自転車の場合止まってばかりで前に進めない。
2)やはり、電動自転車は電池が命。この標準装備の電池容量は4Ah。走っても約50キロと思った方がいい。しかも使えば使うほど減っていく。使い方にもよるが1年経てば、40キロを切るだろう。長時間用の電池があった方がいい。8.1Ahのものが出ている(http://item.rakuten.co.jp/zitensyadepo/bs-li81n/)。 これだと90キロから100キロは走れる。今日の蒲田行きも迷惑をかけることはなかった。
3)東京の人は、道を聞いても嫌がる人がいない。みんな親切だ。地元の人でないほど親切。自分自身が道を覚えるのに苦労しているからだ。反対に地元の人しかいない田舎の人は道を教えるのが下手。道を聞く度に、私は東京の人は田舎者よりもはるかに親切だなぁ、と思った。あの、電動自転車に乗る私の後を喜多見中学校まで付けてきた初老のおばさんを私は一生忘れないだろう。
4)しかし、あの「仙川」と「つつじヶ丘」の間に走る断層は何か。まるでグランドキャニオンのような断崖が存在している。一度探検してみたいものだ。地元の人、あの断層、何だか教えて下さい。電動自転車を買った人は、まずは「仙川」=「つつじヶ丘」断層を走って自分の自転車の能力を試すべきです。格好の場所です。
(Version 5.0)
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iPhone 3Gをナビ代わりに使う手もあったのではないでしょうか。自転車同様、電池切れとの戦いになったかもしれませんが。
私のこの点についての見解は、本文「今日の反省と勉強」の1)に記載してあります。ご検討ください。
電動ではありませんが自転車に好んで乗る者として、とても胸の躍る記事でした。
45kmもお疲れ様です。
私もたまに思い出したように長距離を走ることがありますが、想定していたコースが見つからない、工事中、地図にない道だらけなんてことが多々あります。
そんな時は大体交番を探すか、コンビニでドリンク買いがてら聞くか、優しそうなおばさん(女子高生は無理です(笑))に尋ねていますが、ナビがあればなぁという気持ちは甚く同感してしまいました。いいなぁ、ナビ。うらやましいです。
ナビは本当に便利ですよ。今日3日も、玉川上水を北上して井の頭公園へ行ってきました。
玉川上水は道が舗装されておらず、ときどき並行して車道を走りましたが、そんなときにもナビが大活躍。どこへでも安心して道を外せます。
ぜひ付けてみてください。ただし美しい井の頭公園の樹木を前にしてナビの画面ばかり見ていることもありますが(苦笑)。今日も電信柱にぶつかりそうになりました。