今回の自民党総裁選を読む ― 総裁選の基軸はどこにあるのか 2008年09月08日
今日の『TVタックル』(http://www.tv-asahi.co.jp/tvtackle/)を見ていたら、なんでこんなくだらないことしか言わないのか、と腹が立ってきた。
出演者は、三宅久之、島村宜伸、河野太郎、高木陽介、安住淳、渡辺周、伊藤惇夫、三反園訓。この連中は現在の政権に食い込んでいる公明党の位置づけ、取り扱いに無神経すぎる。
私の読みでは(私が読もうがどうしようが全く関係ないが)、麻生は自民・公明連立政権派。対抗軸の与謝野馨は自民・民主大連立派(ただし与謝野馨は津島派・石破茂が立ったために麻生には勝てない)。後者は公明党排除が眼目。背後には公明党との連立を本質的に許さない中曽根がいる。中曽根は元々から公明党連立を政権政党(保守政党)の「禁じ手」(中曽根自身の言葉)と言いつづけていた。
福田辞任劇は、もともと公明党が仕掛けたもの。麻生はすでに公明党幹部と話しをつけて立候補している。森喜朗も公明党幹部とすでに話しをつけている。だから森は麻生支持。森は強そうなところとしか組まない。政策も主張もない。
石原は若手の支持を集めているが(棚橋元科学技術担当相、山本一太参院議員も最後には石原に合流するかも知れない)、彼もまた大連立派のため公明党の支持を得られない。ただし私は石原が好きではない。国土交通大臣になったとたん、彼は反動でしかなかったから。
公明党の戦略の要は、大連合政権(自民+民主)を阻むこと。何があっても連立解消はあり得ない、という自民幹部を作るしかない。真っ先に約束したのが麻生。麻生は、自らの総理の可能性を公明党に委ねたということ。
麻生支持が自民で増えるのは、小選挙区では公明党の推薦なしには勝てない自民議員がたくさんいるからだ。
たぶん、麻生以外の総裁候補に票を入れる議員は、「選挙区協力をしない(=公明党の候補者を立てる)」と脅しているのが、公明党=麻生の背後の動き。したがって、たった20名の推薦名簿でもなかなか推薦者が集まらない。公明党に喧嘩を売ったことになるから。特に与謝野を支持する議員は選挙に強い議員以外あり得ない。与謝野支持派議員は公明党がつぶしにかかるに違いない。決選投票になれば、与謝野の目もあるが、さてどうなることやら。
しかしこの政局は危うい。麻生が総裁になって総選挙に勝利し自民党+公明党連立政権が続いても、政局の混乱はまだ続く(今と変わらない)。公明党の中期戦略としては参議院野党議員の切り崩し以外にはあり得ない。
要するに麻生が総裁になっても政局は全く変わらない。公明党にとって一番危険なことは大連立だからである。
ねじれ国会の現状の政局では、小沢=福田の大連立政権以外ありえない。大連立政権から本来の政治グループ(保守派、自由派)が再分裂するしかない。小沢=福田の大連立政権というのは基本的には公明党外しだったと言える。ねじれ国会の最大のねじれは、公明党が政権内にいるということなのである。
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