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 東芝のHD-DVDの推進者だった藤井美英がまた(まだ)バカなことを言っている 2008年09月20日

東芝のHD-DVDの推進者だった藤井美英がまたバカなことを言っている(http://www.phileweb.com/news/d-av/200809/18/22119.html)。

一つは、ブルーレイディスクはまだまだ高い。二つ目は、 普通のDVDでも技術的にはハイビジョン対応できるということ。こんなことをまだ今井は言いつづけている。

藤井はいまだになぜHD-DVD事業を撤退せざるを得なかったのか、わかっていない。

最大の原因は、データ容量の差に決まっているじゃないか。

HD-DVDは、一層記録で15GB(二層で30GB)。 Blue-rayは、一層記録で25GB(二層で50GB)。

これは数値上の問題だけではない。一層記録で15GBということは、ハイビジョン記録で1時間30分しか記録できない。初期ユーザーのほとんどはBSハイビジョン(たとえなWOWOWデジタル)の映画を記録する人が多いだろうから、HD-DVDでは2層(当時1枚3000円もした)を買う以外に映画が記録できない。

その点、Blue-rayならなんとか一層で映画一本記録できる。撤退当時Blue-rayは1層(25GB)ですでに1200円前後(今は500円前後)。15GBのHD-DVDでも当時は2000円はしていたから、この違いは大きかった。だからだれもHD-DVDを選ばなかったのだ。

それに、現在の映画コンテンツは、どんどん容量が増えつつある。最近のBlue-ray版映画はすでに25GBの一層記録では収まらないものも多く、新作Blue-rayであればその約80%が2層記録(50GB記録)されている。

これはハイビジョンの映像データのみならず、音声記録(サラウンド規格)もそれ以上にどんどん高規格化(たとえば7.1Chサラウンド)されつつあるからだ。

DVDであれば、その記録容量の85%近くが映像データに占有されていたが、Blue-rayになれば一気に音声規格が高規格化できる。

HDMI規格の新バージョン(1.3)も革命的。Ver.1.3は、使用帯域幅が2倍以上(165MHzから340MHzへ)に広がり、解像度は、最高でWQXGA(2,560×1,536)までサポートできるようになっている、病的とも思える情報量を扱えるようになった。同じようにHDオーディオと言わている音声データも192KHz/32bitまでのデータストリームに対応できるようになっている。

こういった現状を考えれば、HD-DVDの15GBというのはほんとんど何の役にも立たない規格だったと言える。藤井たちは撤退どたんばになって、HD-DVDの多層記録技術に取り組んでいたが、それはHD-DVDの自己破綻を認めたも同然の事態だった。

結局、既存のDVDの技術の親和性(互換性)を優先させたHD-DVDか、それとも全く別の技術を使ったBlue-rayか、が最初の関門になった。前者は生産コストの優位性もからんでいたが、プレイヤーの価格もメディアの価格もHD-DVD、Blue-rayともどもそれほど変わらなかった。ならば、高容量のBlue-rayが強いのは決まっている。

最大の問題は、東芝の藤井たちが、次世代の映画コンテンツ(映像+音声)の発展を視野に入れていなかったことだ。25GB、30GBでも足りなくなる映画コンテンツ(映像技術、音声技術)が出てくるであろうことを洞察できなかったこと。一方SONYは、そのことを認識していたからこそ、全く新しい技術でDVDを再生させる必要を感じていた。

SONYがそういった認識をもてたのは、VHS対Be-taとの戦いに負けた教訓が生きている。海外からおじさんたちが持って帰ってきたエッチビデオがみんなVHSだった。街のいなかの電気屋は(ひそかに)このエッチビデオ付きでVHSビデオの販売を伸ばしていた。ソフト戦略なしには再生機器・録画機器は売れない。だからこそ、映画会社の買収などに積極的に乗り出していったのである。そしてHDMIやサラウンドの最新動向など映画コンテンツのデータ拡大の動向を誰よりも理解していた。今では松下でさえ、ハリウッドの研究所と一緒になってDIGAを作っている。松下が真っ先にBlue-rayを選択したのもそのことと無縁ではない。

東芝は、結局既存DVDの技術の延長に映画コンテンツを収められると思っていたのだ。しかし、5年もしないうちにHDMI Ver.1.3が発表された。藤井たちは全く予想すらしていなかったのではないか。もし「(そんなことくらい)知っていた」というのなら、東芝のHD-DVD事業は詐欺行為のようなものだ。

藤井は、今さらながら『あらゆるコンテンツを一つのストレージに貯めたい』、『いつでもかんたんに取り出したい』、『綺麗な映像で見させて欲しい』というのがマーケットの願望だという。

最初の二つは、現在ではサーバー配信でない限り不可能なことだ。あるいは現在のHDD容量が2テラ、3テラと拡大し、圧縮技術も高度化しても、ハード容量の拡大は同時に無駄なものの記録も拡大するということを藤井はわかっていない。

どこかで選択的にソースを外部化する局面は避けられない。たとえば、『24』『プリズンブレイク』『LOST』などの(タイトル毎の全シリーズの)全ディスクを一枚のBlue-rayに収めることが「普通の欲望」であって(もちろん私はこれらの人気タイトルがすべてハイビジョン化されていることを前提にしている)、これを一つのストレージで簡単に取る出せる ― もちろんそのストレージにはそれ以外の雑多な地デジハイビジョン放送が毎日いくつも累積的に記録され続けている ― ことをやろうとしたら、(今の段階で)どんなことになるのか、藤井はわかっていない。

そして最後の「綺麗な映像で見させて欲しい」というのは、藤井自身が何もわかっていない言述だろう。綺麗な映像(やきれいな音)を見たり聞いたりすることの技術的基盤は何よりも高容量でしかない。いつかは、一枚のDVDに1テラバイト、10テラバイトの高容量記録ができれば、というのが技術発展の自然な動向だろう。そこがわかっていない。藤井は半分以上意地になって、廃屋(DVD)に耐震補強を施している。

圧縮技術やアップコンバート技術の発展を廃屋の延命技術としか思えないところに藤井たちの致命的な錯誤がある。新しい技術は新しい要望のために使うことがまず第一義であって、古い技術の再生はオプションにすぎない。藤井はもはや病的としか言いようがない。

東芝はいつまで藤井を使う気か。

さらには、私のようなHD-DVDの犠牲になったファンのためにも(http://www.ashida.info/blog/2008/02/youtube.html)、一刻も早くBlue-ray機を出すべきだ。藤井を社内に置いておく限りは、Blue-ray機の発売はどんどん遅れるに違いない。

そのためには藤井美英を一刻も早く退任させるしかない。HD-DVD撤退宣言のときには、社長がその決断を語り、大見得を切り続けてきた藤井は同席させなかったくせに(その処置は正しい)、いまもなお藤井が「執行役上席常務」で留まり続けているのはなぜだ。HD-DVD撤退の責任は、藤井を社外に出すことでしかないだろう。未だに懲りずに反省すらしていないのだから。

(Version 5.0)

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投稿者 : ashida1670  /  この記事の訪問者数 :
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感想欄

そのとおり。

こんなやつが取締役、しかも社長だから東芝のAVはだめだと思う。でも、REGZAは持ってます(笑)

投稿者 そのとおり : 2008年12月09日 19:18
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