iPhone 3G のネット利用は、Wi-Fi高速無線LAN活用が鍵を握る ― 通信の交流は物流振興の基礎(一枚の写真付き) 2008年09月23日
iPhone 3G のネット利用が新しいのは、何も「マルチタッチ」「ソフトキー」の操作系だけにあるのではない。 iPhone 3G は「3G」の第三世代携帯電話としてだけではなく、Wi-Fi高速無線LANも自動選択で利用できる。現に私の iPhone 3G のネット利用は、半分以上がWi-Fi利用だ。
Wi-Fi高速無線LANは、「速い」と言われている「3G」のさらに倍以上の速さでストレス無くネット利用できる。理論値では「3G」は最高3.6Mbps、「Wi-Fi」は最高54Mbps。
無線LANスポット利用契約に関しては勉強が必要だ。
「livedoor wireless」(http://wireless.livedoor.com/)と「Yahoo無線LANスポット」(http://wireless.yahoo.co.jp/)のサービスに入ろうと思ったが、両者それぞれ月額定額525円。一ヶ月1050円かかる。
Livedoorの無線LANサービスは、山手線内の電信柱を中心に基地を持ち、約8割のエリアをカバーしているという。
Yahooのサービスは、全国のマクドナルドほぼ全店をカバーしている(その他にもJR駅構内、空港やカフェ、マクドナルド外のファーストフード店、大型ショッピングセンター、ホテルなど全国のBBモバイルポイント)。
この二つあれば、まずは問題ない。しかし1050円という費用をどう考えるかだ。
現在、 iPhone 3G のパケット定額料金の最低料金は1029円(12250パケットまで)。それを超えると1パケット0.084円で加算されていき、71250パケットで定額最高料金5980円となる。後はいくらパケットが増えても請求はされない。フルサイトの定額料金としてはどこのキャリアもこれくらいだろう。
ただし、 iPhone 3G はWi-Fi対応。3Gの2倍以上の高速無線LANが利用できる。自宅内のネット利用をいちいちパケットが加算されていく3G電話回線を通すのもバカらしい。今時無線LAN(=無線ルータ付きモデム)なんてどこの家にもあるだろう。これを使わないで「3G」とは言え、自宅PCのネット利用よりもはるかに遅い(しかもお金のかかる)電話回線を使ってネット利用する方が不自然に決まっている。
iPhone 3G は3G回線(最高3.6Mbps)はもとよりWi-Fi(最高54Mbpsの高速無線LAN)を自動利用できる。Wi-Fiスポットを感知したら自動的に iPhone 3G 画面に表示しつなぐかどうか聞いてくる。東京であれば一歩外へ出れば、必ずどこかのWi-Fiスポットの表示が(自動的に)出る。新宿などにでれば、一画面に何個も出てくる(もちろん無料で使えるものは少ないが)。
私の近所(世田谷・千歳烏山界隈)でも、こんな感じで画面に現れる。鍵マークの付いていないもの(ここで言えば下段のもの)は基本的にはパスワードなしで使える。
この画面が出てくると、「3G」でつなぐのが(遅くて、お金がかかるという強迫観念に襲われ)面倒になってくる。
外へ出ても、「3G」を一切使わないで済むならば、 iPhone 3G のパケット料金はたったの1029円で済む。現在、ほとんど全ての携帯はWi-Fiネットワークを使えないから、パケットが1000円前後(月間)で済むというのは、そもそもメールもネット利用も一切しない人でしかない。
しかし iPhone 3G の場合は、街中にある無数のWi-Fi高速ネットワークポイントを利用できる。無料も有料も含めて。
現在、代表的なものには以下のものがある。
●HOTSPOT(http://www.hotspot.ne.jp/) 月額1,600円。NTTコミュニケーションズ提供。主なアクセスポイントとして、モスバーガー、タリーズコーヒー、プロント、東京メトロの駅構内、空港等。海外のローミングサービスあり。+780円でBBモバイルポイントサービスのローミングが可能。HOTSPOTはホテル、公共機関が強い。カバーエリアはこちら→ http://map.e-map.co.jp/standard/12415010/index.htm
●FREESPOT(http://www.freespot.com/) 0円。その名のとおり、無料のアクセスポイント。主なアクセスポイントはホテルや喫茶店など。
●BBモバイルポイント(http://www.softbanktelecom.co.jp/consumer/wlan/index.html) 月額304円。 Softbank Telecom提供。主なアクセスポイントとして、マクドナルド、ルノアール、ドトール、空港、JRなど。カバーエリアはこちら→ http://bbmp.softbanktelecom.co.jp/business/wlan/area_list/index.html
●livedoor Wireless(http://wireless.livedoor.com/) 月額525円。 livedoor提供。主なアクセスポイントとして、東京山手線圏内、23区内、ルノアール等。 カバーエリアはこちら→ http://map.lw.livedoor.com/EndUser/webdocs/html/13.jsp
●Mzone(http://www.nttdocomo.co.jp/service/data/mzone/) 月額1,500円。FOMA契約者なら月額800円 ドコモ提供。主なアクセスポイントとして、ドコモショップ、東京メトロの駅構内とロッテリア、プロント、タリーズコーヒー、空港など。つくばエクスプレスの場合、走行中の利用が可能。カバーエリアはこちら→ http://www.mapion.co.jp/custom/mzone/index.html
●フレッツ・スポット(http://flets.com/spot/) 月額945円。フレッツ会員は840円 NTT東日本、西日本提供(両エリアは別会社扱いだが追加料金等はない)。ドコモとNTT東日本、NTT西日本はアクセスポイントを共有している模様。空港、駅に強いが、プロント、ロッテリア、タリーズコーヒーなどもカバーしている。カバーエリアはこちら→ http://flets.com/spot/area_owner/index.html
●FON( http://www.fon.com/jp)月額0円。家庭に1,980円ほどのWi-Fiルーターを設置すれば、FONを設置している世界中のアクセスポイントが利用可能になる。当然、ビジネス街よりは住宅街に強い。livedoor Wirelessとの提携により、livedoorのアクセスポイントも利用可能。無線LANの世界的な民間互助組合のようなもの。世界中で使えるが(実際、香港のスターバックスでFONが使えた、という報告がある)、livedoor Wirelessと結びついたのは大きい。カバーエリアはこちら→ http://maps.fon.com/index.php?lang=jp
●WIRELESS GATE(http://www.tripletgate.com/wirelessgate/) 「ヨドバシオリジナルプラン」なら月額380円(http://www.tripletgate.com/yodobashi/) アクセスポイントのインフラをもっているわけではなく、複数の会社をまたいで利用できるローミングプロバイダ。BBモバイルポイント、livedoor Wireless、成田空港エアポートネットなどに対応。またフレッツ・スポットとのローミングが+月額1,260円で可能。カバーエリアはこちら→ http://www.wi-gate.net/yodobashi/PKinput.html
それぞれに特長があるが、たぶん経済的にもっとも安く済み、もっとも実用的な組み合わせは FONとWIRELESS GATE(http://www.tripletgate.com/wirelessgate/)の「ヨドバシオリジナルプラン」経由の契約(月額380円)だろう。FONは実質的に無料だから、二つを組み合わせても月額380円で済む。
月額380円で、BBモバイルポイント(全国区、マクドナルドはほぼ全店)、livedoor Wireless(山手線内に強い)、FON(住宅街に強い)の三つの会社のアクセスポイントが利用できる。空港、駅などの公共機関も利用できる。さらに公衆無線LANと社内無線LAN(もちろん無料)。
むろん最強の組み合わせは、NTT系のHOTSPOT(=フレッツ・スポット)+WIRELESS GATE(BBモバイルポイント、livedoor Wireless)+FONだろう。それでも1500円ぐらいで済むが、とりあえずは、WIRELESS GATE(BBモバイルポイント、livedoor Wireless)が入門編ということか。
そこで、私は、昨日、ヨドバシカメラ経由(http://www.tripletgate.com/yodobashi/)でWIRELESS GATE(http://www.tripletgate.com/wirelessgate/)と契約した。一ヶ月380円だ。これで、街中でガンガンネット利用したいときはマクドナルドか、ルノアールに入れば、何時間でもWi-Fiスピードのネット利用ができる。
とすると、1029円(12250パケットまで)の最低定額料金+380円でどこまで一ヶ月の利用料をカバーできるかだ。こればかりは、実際使ってみないとわからないし、人それぞれ、街の中での、職場も含めてのどんな行動スタイルかによって違うだろう。
ただしはっきりしているのは、Wi-Fiネットワークを自由に使える iPhone 3G のパケット料金は少なくとも東京近郊で暮らしている人たちにはメリットであるに違いない。また自宅利用の多い人には(病気で寝たきりの人はもちろんのこと、自宅でPCを付けるのが邪魔くさくてついつい携帯でネット利用している人)、断然 iPhone 3G の方が経済的。しかも実速2倍以上の高速ブラウジングができる。
まもなく総選挙が始まるらしい。後期高齢者の問題や年金問題という負の政策課題も重要だが、公衆無線LANを5カ年計画で全国展開するというような政策を打ち出す政治家はいないものか。民主党も高速道路の無料化を言うのなら、最速54Mbpsの Wi-Fiネットワーク全国無料利用も打ち出して欲しい。
通信の高度化なしに物流の拡大はあり得ない。AMAZONショッピングの拡大は、宅急便(+佐川急便)のおじさんたちが新書や文庫1冊のために1日に何回も同じ家を訪れるという物流振興を果たしている。
今、公共投資があるとすれば、首都高速の渋滞解消(これは石原が結構乗り気)と無線LANネットワーク投資しかない。寝たきりの老人の介護も、 iPhone 3G を身体に巻き付けておけば、家の中でどの程度動いているのかがわかる(内蔵されている加速度センサーのおかげで)。そこから心電図や血圧測定ができるようになるのは時間の問題。在宅医療の新しい形態を模索できる。営業マンのビジネスプレゼンが、モデムカードでHSDPA最速でも7.2Mbpsしかでない(http://emobile.jp/products/ne/d02ne/)というのも変でしょ。そんなのプレゼンにならない。一つ一つのパソコンにモデムカードを付けるなんて貧乏性に過ぎない。
それに iPhone 3G には高性能なGPS機能(A-GPS)+Wi-Fi基地ポイントを利用したこれまでにない高精度な測位機能が付いている(http://www.apple.com/jp/iphone/features/gps.html)。これが発展すれば、街を歩いていたら、自分お好みの店の前、自分の好みの商品の近くで電話が「鳴る」、そしてその前にGPS的に誘導するというようなことも可能。いわば、Googleがパソコン内で知識レベルでやっていることを iPhone 3G が行動的に検索をかける、ということだ。iPhone 3G に自分の行動キーワードを入れておけば、そんなことも今すぐにでもできそうなことなのである。 iPhone 3G は街を検索する。
全国の全ての電信柱に無線LANスポットを、というかつてのホリエモンの構想をもっと本気でやってくれる政治家は出てこないものか。モバイル施策が産業振興全体の底上げになるということを気付いている政治家はいないのだろうか。Googleが天空でやろうとしていることを赤ん坊から終末期の病者(老人を含む)の身体にまで地上化しようとしているのが iPhone 3G 構想だ。
私には、Googleがアメリカ空軍、 iPhone 3G がイラク地上軍のように見えてくる(苦笑)。どちらも勝ち負けはまだ見えていない。
(Version 5.0)
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