決定版・ダイソン論 ― これまでのものをまとめておきました。 2008年07月26日
これまでのものをまとめておきました。掃除機を検討している方、ダイソンを買う、買わない以前に掃除機というものがどんな矛盾に満ちた機械かを理解して買いましょう。
●2006年11月25日の記事
ダイソン掃除機が届いた ― こんなにすごい掃除機はない(大きな写真付き)
たまたま家内の誕生日の今日、掃除機が届きました。2年ぶりの買い換えです。
掃除機はDyson サイクロンクリーナーDC12plus(Dyson サイクロンクリーナー エントリー DC12plus)。
私は、掃除機については結構神経質です。〈掃除をする〉という行為はどんな掃除機を使っていても同じなので、どっちみち掃除機を使って掃除をするのなら、きれいになる掃除機が欲しい。
2年前に買った掃除機は、東芝VC-S24C(http://www.toshiba.co.jp/webcata/housekeep/vc_s24c/index_j.htm)。この掃除機はサイクロン型で当時の『日経トレンディ』(日経トレンディの商品評価は結構信頼できる)でもっとも評価の高かったものだ。
しかしこの掃除機の最大の欠陥は、二つある。
一つは、ゴミ容量が低いため、一回の掃除でも、2回3回とゴミ捨ての手間がかかる。
二つめにはフィルターの目詰まり。これも一回の掃除で少なくとも3回以上のフィルター掃除を余儀なくさせる。
要するに、よく吸うが、手間がかかる。床の掃除をする度に掃除機の掃除が必要になる。わけのわからない掃除機なのだ。
掃除機の原理には、矛盾がつきまとう。吸う力を保持しようと思えば、吸ったホコリをそのまま外へ吹き出す以外にない。しかしそれでは掃除にならない。そうするとどこかでゴミをためつつ、吸う力を起こしている風だけは抜ける仕組みを作るしかない。
そこで出てきたのが、紙袋を中間に挟んで、ゴミだけはそこにため、風だけを通すという旧来型のもの。これだと、ゴミが増える度に吸引力は落ちる。また吸引力をかせぐために、紙袋の紙密度を下げると小さなゴミ(アレルギーの元になる)を吹き出し続けることになる。何のための掃除かわからない。
吸引力を上げるために風の抜けをよくすることと、小さなホコリまでもを吸い上げること(吸ったまま掃除機=紙袋の中に閉じこめること)とは原理的に矛盾しているのである。
またゴミがたまる度に紙袋をそのまま捨てるために、そのランニングコストが無視できない。
そこで国産型のサイクロン掃除機が先の東芝のように出てきたが、これは紙袋のない紙袋型と思った方がいい。どこのメーカーのものであれ、国産型サイクロン掃除機には大きなフィルターがついており、従来なら紙袋が果たしてした微少なホコリをそこでキャッチするようになっている。だから国産型サイクロンは、紙袋を捨てなくてもいい代わりに、フィルター掃除の手間が大変。現に私の東芝機も一回の掃除で3回以上のフィルター掃除をしなければならない。
今日、我が家に届いた掃除機こそがサイクロン型の本家本元。ダイソン(http://www.dyson.co.jp/)。「サイクロン」掃除機の原理は簡単。たつまきを起こして遠心分離器のように風とホコリを分けてしまう。大きなホコリも小さなホコリも円筒形の外周部にどんどん落ちて積もっていく。風は竜巻上に独特の構造を持った中央部を抜けていく。風とホコリが分離するので、風抵抗が上がらない分(=風の抜ける力が落ちない分)まさに「吸引力が落ちない」。
手入れは、プレモーターフィルターを1年に一回、手入れすればいいだけ。実質的にはメインテナンスフリーといってもよい。文字通りゴミだけ捨てればいい、ということだ。
今日、早速、使ってみた。吸引力を試すため、東芝の掃除機で、1㎡位の絨毯をじっくり掃除して、そのあと同じ場所をダイソンで掃除してみた。結果は以下の通り。どこにゴミがあったのかというくらいに底部にホコリが5㎜~10㎜くらい“積もっている”。こうやって、吸い上げたゴミが見えると自分の仕事量が可視化されているみたいで楽しい。年末の大掃除に向けて掃除機の買い換えを考えている人は、ぜひダイソンを買ってみてください。
底部は傾いているが、東芝の掃除機を完璧にかけたあと、1分くらいで吸い上げたチリゴミが底部にたまっている。「すっごーい、すっごーい」と家内も私も年甲斐もなく大声を上げてしまった。でも立てない家内の代わりに掃除をするのは私です(笑)。
上方が東芝のVC-S24C、下がダイソン。こうして見るとダイソンが大きく見えるが、実際はそれほどでもない。やはり遠心分離装置の筒の分が大きさの原因。ゴミを捨てるときは、この筒がそのまま外せて底部がぱかっとひらいてゴミはそのままごみ箱へ。本当に手間がかからない。しかも排気のクリーンさは世界一。これも徹底した遠心分離のおかげ。重さも気にならない。
このアングルからのダイソンが一番ダイソンらしい。
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●2006年12月15日の記事
東芝・シャープの最新鋭機 vs ダイソン ― 掃除機にとってフィルターとは何か
最近出た国産サイクロンの最新鋭機、東芝のタイフーンロボ(http://typhoon-robo.jp/typhoon-robo/)とシャープ(http://www.sharp.co.jp/cyclone/filter/index.html)のパワーサイクロンは、ダイソンに比べてどうですか、との質問を受けました。お答えします。
国産サイクロンの最大の問題点は、フィルター掃除とゴミ捨てが頻繁化するといことです。フィルター掃除は致命的です。場合によっては一回の掃除に、2~4回くらいのフィルター掃除が必要になります。国産サイクロンは、掃除するために掃除機を掃除しなければならない、というわけのわからない作業を強いられることになります。
なぜ、そうなるのかと言えば、国産サイクロンでは空気(吸気風)とゴミとを完全分離できていないからです。だからゴミ筒の外部に微細粉塵が出てしまう(漏れてしまう)。その分をフィルターで除去しているわけです。フィルターで除去する分、掃除をするほどフィルターが目詰まりを起こし、吸引力がどんどん落ちていく。
フィルターの矛盾は、木目を細かくすればするほど詰まりやすく吸引力が落ちるということとそれを配慮して木目を粗くすると微細有害粉塵がはき出し口から一気に室内に吹き出るということです。この問題は、フィルターを掃除機に使うこと自体の問題です。掃除機に、フィルターが付いているということは、掃除ができない掃除機と考えていい。
とういうか、旧来の掃除機の紙袋も形を変えたフィルターとも考えられますから、紙袋+フィルター型も、サイクロン+フィルター型も、どちらも大きな矛盾を抱えた掃除機だと言えます。ただしフィルターの負担は、紙袋の方がはるかに少ない。紙袋自体が大きなフィルターの役目をしているからです。
最近は、東芝の「タイフーンロボ」(http://typhoon-robo.jp/typhoon-robo/)、シャープの「パワーサイクロン」(http://www.sharp.co.jp/cyclone/filter/index.html)が立て続けに登場して(東芝は9月16日発売、シャープは12月11日発売)、国産サイクロンが活躍しているように見えますが、これらの新製品は、10年間フィルターお掃除が不用、ということを前面化しているだけで、問題のフィルター主義を解決しているわけではありません。
この両者がくだらない製品である理由は、従来手間がかかっていたフィルター清掃を自動化するということにありますが、その“自動”清掃は、掃除が終わってからのことだということです。「終わってから」というのは、一端電源を止めて、自動的に清掃しはじめるわけですから、掃除中は依然としてフィルターの目詰まりが生じているということ。フィルターは目詰まりしてこそフィルターなのですから、最新の掃除機であっても、掃除をすればするほど、掃除をする力は落ちていっているわけです。
つまり「10年間お手入れ不用」というのは、国産サイクロンの吸引風とゴミ粉塵との完全分離が可能になったという技術力の勝利ではなくて、掃除が終わるたびに手動でしていたフィルター清掃を掃除機の方で自動化しただけのことだということです。
肝心の、掃除機にフィルターを使うことの矛盾を何一つ解決していない。
両者とも「価格が高い」と言われているダイソンよりもさらに高い掃除機なのですが(東芝は10万円、シャープは8万円と言われています)、フィルター掃除のために5万円以上も支払うことになる掃除機なわけです。
ダイソンが優れていると私が思うのは、ダイソンのサイクロンだけが、吸引風と微細粉塵をほとんど完全に分離するということです。したがって、ダイソンにもフィルターは付いていますが、これは1年に1回の手入れで済みます。
「10年に一回よりも、1年に一回は手間がかかるじゃないか」と言うなかれ。この1年に一回は、単純に1年に一回です。つまり東芝やシャープのサイクロンは、実際には毎回フィルターを洗浄しているわけですが、それに対してダイソンは1年に一回で済む、というように比較すべきです。
それくらいに、ダイソンのサイクロンは、微細粉塵をサイクロン筒の中に分離して補塵しているということ。サイクロン筒から粉塵を一歩も外へと出さない。フィルターにまで微細粉塵を送り出さないということです。したがって排気も、世界で一番清潔と言われています。たしか何もしない部屋の通常の空気よりも何百倍も綺麗な排気だと言われています(どこまでホントか知りませんが)。
それがどこまでホントかは私にはわかりませんが、本当なのは、フィルターの掃除が原則年1回で済むということ。それくらいにサイクロン筒から出る排気はきれいということです。フィルターも水洗いができるほど単純な構造です。つまりフィルター性能に頼る必要がないということです。
自動であれ、手動であれ、掃除が終わるたびにフィルター掃除をしなければならない国産サイクロン掃除機は、したがって、それだけ微細粉塵をサイクロン筒から外へと取り逃がしているとうことを逆の仕方で自己証明していることになります。つまりサイクロンの遠心分離機能が働いていないということ、偽のサイクロン掃除機だということです。
国産サイクロンを買うくらいなら、これまでの紙袋タイプの方がはるかにマシだと思います。値段も安いし、吸引力も高い。吸引力が掃除をすればするほど落ちていくという点では、サイクロンも紙袋型も変わりがありません。
ダイソンの欠陥は、私が3週間くらい使った経験では、ゴミ捨てに神経を使うということです。ゴミ捨ての操作自体は簡単でいわゆるポイ捨てで済むのですが、アレルゲンまでの微細粉塵を吸い上げているゴミ捨てなので、通常の掃除機のゴミ捨てよりも微細粉塵が軽くて舞いやすい。だからサイクロン筒全体を大きなビニール袋にくるんで(場合によってはマスクをして)、捨てるしかない。この点が面倒です。それ以外は特にありません。
昔のダイソンよりははるかに小さくなりましたし、軽い。取り回しも楽です。よく言われる音の大きさも、私には気になりませんでした。それよりもゴミをどんどん吸い上げていく様子が見えるので、掃除が楽しくなります。よくもまあ、こんな粉塵の中で暮らしていたものだとぞっとはしますが。
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●2006年12月16日の記事
ダイソン掃除機・再論 ― 海外製品は本当に日本を“知らない”のか
私の記事を読んでもまだわけのわからない“反論”があるようなので、もう一度ダイソンをめぐる誤解に応えておきたいと思います。
※第1の誤解 (「ダイソンはゴミ捨てが大変」という誤解)
私が、ダイソンはゴミ捨てが大変、と言ったのは、ゴミ捨ての処理操作が大変、と言ったのではありません。処理としては、どこのメーカーにも負けず劣らず、簡単です。ボタンを押せばいいだけです。
私が「大変」と言ったのは、ダイソンがどんな掃除機よりも細かいゴミを吸い取っているために粉塵が舞いやすい、ということです。これはむしろ名誉なことです。サイクロンタイプでゴミ捨て時に粉塵が舞わない、固まったゴミとして簡単に捨てられるというのは、むしろその掃除機が微細粉塵を吸っていない証拠(掃除ができていない証拠)でしかありません。
だから、ゴミ捨て時に微細粉塵を吸わない分、(ダイソン以外なら)綺麗でいいと言うことにはならない。その場合には、(掃除のできていない)日常的に微細粉塵の舞う絨毯の上で暮らすことになる、ということなのですから。
特に喘息やアレルギー性の病気を持っている人(家族にそういった人がいる場合)なら、ゴミ捨ての時に微細粉塵の舞わない掃除機は、むしろ病気を悪化させる要因だと思った方がいいのです。
ダイソンは排気口に鼻を近づけても粉塵の匂いがしない唯一の掃除機です(それくらいに部屋の微細粉塵を掃除機のサイクロン筒の中に閉じ込める掃除機です)。喘息やアレルギー疾患の人が家庭にいる場合には必須の掃除機です。
手動であれ、自動であれ、毎回フィルター掃除が必要な日本のサイクロン掃除機は、排気口からアレルゲン(喘息の元となる微細粉塵)を吐き出しまくっている掃除機だということです。国産の掃除機は、ゴミを捨てるときには粉塵を吸わないかもしれませんが、肝心の掃除をし続けている間はずーっと部屋に微細粉塵(仮に微細粉塵を吸引できたとして)をばら撒きまくっている掃除機だということです。
※第2の誤解 (「ダイソンは外国製品だから日本家屋には合わない」という誤解)
ダイソンが外国メーカーだから、日本家屋には合わない。大きくて取り回しも不自由というのも大きな誤解です。
ダイソンは日本家屋専用の製品を作っています。ダイソンの社長自身が「僕らは日本のダイソン社員や消費者の家を見て、(日本の)掃除機の収納にさけるスペースは25×20×31.5センチほどの狭さしかないことに気づいた(…)。これじゃお手上げだ」と言って作ったのが日本専用の現在のダイソンです。今売っているDC12タイプからのものがそうです。音もはるかに小さくなりましたし、大きさもはるかに小さくなりました。
これは単に収納だけの問題ではありません。
たとえば、先ほど取り上げた東芝の「タイフーンロボ」は、4.8キロ、シャープは4.7キロの重さですが、ダイソン(DC12 PLUS)は、4.0キロに過ぎません。はるかにダイソンの方が軽い。
大きさで言えば(いずれも本体)
東芝 270(幅)×375(高さ)×265(奥行き)
シャープ 250(幅)×399(高さ)×247(奥行き)
ダイソン 230(幅)×290(高さ)×340(奥行き)
ダイソンの方が重さはもちろんのこと、大きさでも日本製に比べて一回り小さいのがおわかりかと思います。取り回しの点で特にダイソンは不便ということはありません。
さらに言えば、日本製は、本体の突端にホースの取り付け口があるために、10センチ以上、本体から固定筒(ホースの付け根)が飛び出ていますが(結局全体では奥行きが350ミリを超える!)、ダイソンには、そのような突起は一切ありません。その分、取り回しはむしろ楽なはずです。小回りも主導輪の大きさからしてはるかに俊敏です。
海外のメーカーに対する偏見に対して、ついでに言っておくべきことがあります。ダイソンのアフターサービスは、私が知る限りでは、国内メーカーのどの掃除機にもないものです。
まず2年間の保証期間がメーカー保証としてつきます。
故障した場合にはダイソンの掃除機自身に自己診断装置が付いており、自宅の受話器を傾けて、そのダイソン掃除機自身が発する音をメーカーの担当窓口に“通話”させれば、それで故障箇所がわかるようになっています。電話のその自己診断“音”で直るか直らないかをまず自動判断し、自宅で直らない場合は、宅配便の担当者がダイソンを預かりに自宅訪問し(すべてダイソン自身が手配してくれます)、わずか 3日後(中一日)に修理されて戻ってくるようになっています。往復の送料を含めてすべて2年間は無料です。
こんなアフターサービス=メンテナンスをやってくれる掃除機メーカーはダイソンだけです。日本のメーカーの方がはるかにユーザーをバカにしています。
私は、ダイソンに悪い点は何一つないなどという気はありませんが、狭い経験主義や無知に基づく誤解だけは払拭すべきです。
掃除機技術の健全な発展のためにも、日本の巨大な家電メーカーがいかに子供だまし(主婦だまし?)のような掃除機を作り続けているかを認識すべきです。
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●2007年12月24日
国産掃除機メーカーは反省すべきだ ― フィルター主義掃除機からの脱却はいつの日か
考えたくもないが、年末の大掃除が近づいてきた。
自慢ではないが、私は、掃除機批評については一家言持っている。昨日も『日経トレンディ』(特集:新製品完全テスト)を書店で立ち読みしていたら、掃除機を取り上げていた。
これを読んでいると、やはり掃除機メーカー(特に国産メーカー)は主婦達をバカにしすぎている。
何度も言っているが、フィルターに依存したサイクロン掃除機は「サイクロン」ではない。
サイクロン掃除機は、サイクロンによって、空気(吸引風)とゴミとをほとんど完全に分離する掃除機を言う。「サイクロン掃除機」というからには、フィルターにゴミが付着してはいけない。フィルター掃除の必要な「サイクロン掃除機」は「サイクロン掃除機」ではない。
日立も東芝もシャープも松下も三洋も、フィルター掃除不要の新製品「サイクロン掃除機」を昨年来出し続けているが、これらの“新製品”は、どれもこれもフィルターにゴミがつまらなくなり、ゴミと吸引風を完全に分離するようになったのではなく、ゴミ除去を掃除機の方で“自動的に”行うようになったにすぎない。依然としてサイクロンではなく、主婦の手間を機械の方でやるようになっただけのこと。フィルターの目詰まりは以前と同じように起きている。
この目詰まり除去、ゴミ除去の不毛さは、これらの機能が掃除が終わってから働くようになっていることだ。掃除が終わるとフィルターが自動振動して付着したゴミを振り落とすようになっている。肝心の掃除の最中のフィルターの目詰まりには全く役立たない。依然として、フィルターに依存した掃除機は(紙パック方式であれ、国産サイクロン方式であれ)、掃除中に吸引力が低下し続け、また排気口から微細粉塵をまき散らしているのである。目詰まりがあるということは、そこで詰まることなく掃除機の外部に微細粉塵が吹き出ているということだから。
フィルター依存の掃除機は、大きなゴミを吸って、フィルターから逃れる微細粉塵を吐いていることをくり返しているだけ、ということだ。要するに掃除しながら、身体に悪い微細粉塵をまき散らしているということ。これでは掃除機ではない。
しかも腹が立つのは、各メーカー、これらのフィルター自動清掃機能をつけたことによって掃除機の値段が8万円前後の高い製品になってしまった。自らの不毛な技術に高い値段を付けてしまっている。
今回の『日経トレンディ』(特集:新製品完全テスト)の記事でも、そのことが再度確認される記事が目立った。
日経のテストで0.5ミクロンの微細粉塵を補足した率は各社以下の通り(吸気と排気に含まれるチリの量を同時に計測。吸ったチリをどれだけ取り除くことが出来るかを計測。)
●シャープパワーサイクロンEC-VX2(http://www.sharp.co.jp/products/living/cleaner/prod04/ecvx2d/f_ecvx2d.html)
粉塵除去率 73.9%
●三洋エアシスSC-XD1(http://www.e-life-sanyo.com/products/sc/SC-XD1_N/index.html)
粉塵除去率 84.6%
●松下MC-P7000JX(http://ctlg.national.jp/product/info.do?pg=04&hb=MC-P7000JX)
粉塵除去率 30%
●東芝タイフーンロボ VC-105XP(http://www.toshiba.co.jp/living/cleaners/vc_105xp/)
粉塵除去率 41.9%
●日立ロボットサイクロン RS1 CV-RS1(http://kadenfan.hitachi.co.jp/clean/lineup/cvrs1/feature/01/index.html)
粉塵除去率 99.6%
それそれのキャッチコピーは以下の通り。
シャープは「電気の力で0.3μm以上の微細じんをほぼ100%カット。排気がクリーン」。
三洋は「空気までお掃除する 空間清浄サイクロン」。
松下は「お掃除しながら、空気までキレイ。吸い込んだハウスダストを残さない」。
東芝は「微細塵を約99.9%キャッチ! クリーンな排気を上方に排出する!上質クリーン排気設計」。
日立は「ハウスダスト・最近・ウイルスを逃さずきれい。補じん率99.999%」。
日立以外は大嘘つきだと言える。ところで日立はなぜフィルターサイクロン型であるにもかかわらず排気がキレイなのか。
それは吸引力を犠牲にして、フィルターを強化しているからだ。「新品の状態でも吸引力が弱い」と日経テストではレポートされている。
逆に排気が汚れている松下や東芝の製品は吸引力評価が高い。「1ヶ月分のゴミを吸った後も、綿や小麦粉を強力に吸い取った」(松下)、「1ヶ月分使った後も吸引力の低下はほとんど見られない」(東芝)とのこと(いずれも日経のテストレポート)。
要するに国産掃除機はサイクロン型であれ、紙パック型であれ、排気をキレイにしようとすると(フィルターを強化するため)吸引力を犠牲にせざるを得ず、吸引力を強化すると(フィルターからチリがこぼれて)排気が汚れてしまう。
フィルターの手前でゴミを分離しないから、そういった矛盾に悩まされ続けることになる。これはサイクロン型でも紙パック方式でも同じこと。
私がダイソンが好きなのは、この矛盾をとりあえず解決しているからだ。ダイソン(http://www.dyson.co.jp/range/range_overview.asp?model=DC22&sinavtype=menu)は、このテストでは、粉塵除去率は93.4%。日立に次いでの成績。しかも「吸引力の低下は見られなかった」と報告されている。
ダイソンは、サイクロン構造自体で吸引風と微細粉塵をほとんど完全に分離する。だからフィルターに依存しない(そこが除去率の良い日立と違うところ)。フィルターの手前で粉塵はほとんど無くなっている。フィルターは存在しているが、7年に一回の清掃で済む。東芝などは「10年に一回」と言っているが、それは掃除機自体が毎回フィルターを振動させて自己清掃しているにもかかわらず、「10年に一回」は掃除しなければならないと理解すべきだ。ダイソンの場合は、掃除機が何もしないでも7年に一回で済む。フィルターの手前でサイクロンがゴミと風とを分離しているからだ。
「排気がクリーン」「フィルターのお手入れ不要」という言葉にだまされてはいけない。国産掃除機を買うなら、2,3万円の紙パック掃除機で充分だ。ダイソン(http://www.dyson.co.jp/range/range_overview.asp?model=DC12-PLUS&sinavtype=menu)は「高い」「重い」「大きい」とよく言われるが、先の国産掃除機のどれよりも安く、軽く、小さい。
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http://www.ashida.info/blog/mt-tb.cgi/937
いつも拝見させていただいてます。
たしかTVの購入で参考になる記事の検索で初めて読みました。
大変説得力のある文で参考になります。私もダイソン所有者で納得いく所です。
いずれ時間のできた時にお聞きしたい事柄をメールさせて頂くかもしれませんが、その時はよろしくお願いします。