家内の症状報告(105) ― MS医の専門性を測る指標(こんなことを言う医師には治療法選択を任せない) 2008年02月24日
家内の症状報告104(http://www.ashida.info/blog/2008/02/post_267.html#more)のPさんの回答へのちょっとした感想。
●(2008年02月24日 06:50)
私(芦田)がベータフェロンの投与の適否についてこだわるのは、以下のような、先端医学的にはあやしい知見を患者の前でさらすMS専門医がいるからです。
1)あなたは、NMOではなくて、MS(CMS,OSMS)だから、ベータフェロン(と医師に言われた)。
2)抗体検査を受けたけれども、「陰性」だったから、ベータフェロン(と医師に言われた)。
3)「効き目が実証されているのはベータフェロンだけだから」(と医師に言われた)。
4)ステロイドは予防効果はないし、副作用があるから徐々に減らしましょう(と医師に言われた)
5)ステロイドは、ベータフェロンの効き目をダメにするから止めましょう(と医師に言われた)
6)NMOだと特定疾患扱いされなくなる可能性があるから、抗体検査を受けたいけれど受けない方がいいのかも…(経済的事情)
こんな現状が未だに横行している(まともな専門医であればこんなことは絶対に言わない)。私の家内が犠牲になった2006年ならまだしも、2008年の今でもそんな状態が医療の現場では続いている。
この状態を作ったのは、やはり2005年2月の論文(「インターフェロンベータ1bは日本人の再発寛解型MS患者において有効である:ランダム化された多施設研究」)の影響が大きい。
この2005年2月の論文は医療現場から一度リセットすべきです。医学界 (PhD)ではすでに(わずかながらでも)動き始めているのに、医療現場(MD)では動きが遅い。今この時点でもお腹をぱんぱんに膨らませながら、ベータフェロンを無理をして打ち続けている人がいるかと思うとぞっとします。
でも、この問題については、すでにPさんと私とのこの間のやりとりで充分に答えになっていると思いますので(特にPさんの回答)、もういじめるのは止めにします(苦笑)。私の以前の最後の回答を期待しています。
●ブログ読者のLさん(2008年02月24日 13:21)
私は上記 1)~6)の1)2)3)に該当します。その通りです。
5)に関して私の場合、逆にベタの効き目を良くするためには定期的なパルスが良いと言われてました。
でも、5年間ベタを続けて後半の2年、頻繁に再発したときには医師から”ベタしていたからこの程度で治まった”という言葉をよく聞きました。科学的データはないんでしたよね。
私的には???と思いながらも、信じるしかなかったですから・・
NMOなのかMSなのか、私の場合はどっちなのか、未だ模索中です。
今はアボネックスを使用中で、これに関しても自分なりに考え中ですが、芦田さんとパパさんのコメントは、ほんと色々と参考になります。また、よろしくお願いします。
●Pさんの再回答(2008年02月24日 14:23)
芦田さん、言外に小生の思いをご理解頂いたようでありがとうございました。お言葉に甘えます(苦笑)。
Lさん、多少なりともこの議論が患者皆さんのお役に立てば幸いです。「ベタしていたからこの程度で治まった」、これについては統計上の「エビデンス」はあるのですが、以前も議論しましたように、それを個々人に当てはめるのは慎重になるべきであり、こういった「エビデンス」(EBM論)が、結局医師の観察眼を損なうほうに加担してしまっているのではないかと危惧します。
NMO/MSという、未だわけの分からない病気については、学問としての医学的バックグラウンドをしっかり持った医師がペースメーカー役になって医療を引っ張ることが必要だと思います。抗AQP4抗体の解析が世界に先立って日本で行われている訳ですが、この流れがその一端であることを期待しています。
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