家内の症状報告(103) ― 12年前の治験モデルを反復する気が知れない(そして未だにそのモデルを信じている医師達がいる…) 2008年02月23日
先の102番(http://www.ashida.info/blog/2008/02/_mst.html#more)に対する私の再質問です。
早速の回答ありがとうございます。でも、いやー納得できないなぁ(笑)
あなたの言われる1995年7月~1999年11月の治験中には、
1996年のMayoの医師達の発表(Brain Pathology)があり、つまり細胞性免疫論の一角は崩れており、論文が受け付けられた2004年5月までには、
1)2000年6月の脱随進行病巣の4分類(MS=細胞性免疫炎症の相対化)
2)2004年4月のケンブリッジ大学の発見(T細胞浸潤等の炎症はなかったこと)
3)同じく4月のオーストラリアの医師の発見(免疫反応不在のオリゴの死の報告)
など提出以前(直前ですが)、論文をまとめる途中で貴重な発表はあいついでいるにもかかわらず、この論文が提出されている。
私なら、こんな“古びた”論文は、10年以上かけて書いたとしても破り捨てます。そんなことは「研究者」であればざらに起こることです。自然科学であればなおさらのことでしょう。
結局、この日本人達の論文は、あなたも「推察」されているように1993年のヨーロッパでの研究をなぞっただけのものにすぎない。それを公表まで12年もかけて発表したにすぎない。その間に、現代、あるいは将来のMS研究・治療の方向性を示す論文がいくつも発表されていたにも関わらず。
結局2005年2月の治験結果は、12年前のヨーロッパモデルを日本的な実証性を装いながら反復しただけのものと言えませんか。
日本の研究者達は、さかんに「日本型MS」=OSMS(視神経脊髄型MS)といいながらヨーロッパとは異なる亜系のMS研究を続けていた。それは今となっては、亜系でも何でもなく、液性免疫MSの本質論を展開するチャンスであったにもかかわらず、自ら1993年に先祖返りするしかたでそのチャンスを封じ込めた、と言えるのではないか(ちょっと言い過ぎかな)。この論文の影響が大きかっただけに返す返すも残念なことです。
(Version 1.0)
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