なぜか。それは写真がデータとして存在しているだけで、OUTPUTされることがほとんどないからだ。写真プリンタも存在しているが、そんなもので（お金をかけて）取捨選択してプリントアウトしていること自体がデジカメの便利さを殺いでいる。

しかしそう思っているうちに、ファイル（データ）の数は膨大なものになり、バックアップファイルも膨大になり、その内にHDDも壊れたり、新しいパソコンを購入したり…、そうこうする内に、どこに何が入っているのか分からなくなってくる。データという身軽さがむしろ補完や管理を難しくしているのである。

そもそも写真が意味を持つ時間性とパソコンのHDD保管の時間性は全く別種のものだ。写真のOUTPUTは、それを印画紙に焼いたり、印刷したりする〈現在〉にはなくて、５年、１０年、３０年、５０年と遠い将来になればなるほど価値が出てくるが、一つのパソコンのHDD上のデータはその時間性にははるかに適したものではないからだ。その意味では印画紙記録の方がはるかに安定しているとも言える。

GOOGLEは、この問題に一つの回答を見出した。まずPICASA（http://picasa.google.co.jp/#utm_campaign=ja&utm_source=ja-ha-apac-jp-google&utm_medium=ha&utm_term=picasa）で、パソコン内の画像＋動画ファイルのすべてをフォルダ単位にではなくて、時系列で取り出してくること。

ちょうど文書ファイルをGOOGLEデスクトップ（http://desktop.google.com/ja/）で洗いざらい検索してくるように、PICASAはパソコン内の画像＋動画ファイルをすべて時系列で取り出してくれる。

しかしこれだけでは面白くない。パソコンが壊れたらすべて消えてしまうし、ファイルの保全と共有化をどうするかが次の課題だった。

それは結局、ファイルをWEB上に持つことでしかない。PICASAウエブアルバム（https://www.google.com/accounts/ServiceLogin?hl=ja&continue=http%3A%2F%2Fpicasaweb.google.co.jp%2Flh%2Flogin%3Fcontinue%3Dhttp%253A%252F%252Fpicasaweb.google.co.jp%252F&service=lh2&passive=true）がそれを解決してくれる。

PICASAウエブアルバムはPICASAと一緒に使わなければ意味がない。PICASAでパソコン内を巡回した後、WEB上に残すファイルをどんどんPICASAウエブアルバムに保管していく。この操作は、ワンタッチで簡単に出来る。

保管していく過程で公開性の高いものは「公開アルバム」（GOOGLEではこれを「公開ギャラリー」と呼んでいる）を形成していく。

こうすれば、保管と公開が同時に簡単にできる。おまけだが、PICASAウエブアルバムでは地図データと外部コメント書き込みが可能になっている。これも面白い（類似商品はあるだろうが）。

またPICASAウエブアルバムを公開しているもの同士で、トラックバック機能のようなものもあるので（GOOGLEではこの機能を「リンクギャラリー」と呼んでいる）、写真を通じた新たな交流も可能になっている。

WEB上でのファイル保管・公開が印画紙記録よりも長い時間に耐えられるかどうかは歴史的な実験だろうが、現在のところ誰にもその答えは出せまい。

調子に乗って、最近、私はブログ（『芦田の毎日』http://www.ashida.info/blog/）のグローバルメニューに「写真ブログ」を新設した（http://picasaweb.google.co.jp/ashidahironao/）。「今日のニュース」（http://www.google.com/reader/shared/07345837526963288969）に引き続いての新設だ。

これまで、ブログ中の記事の中に張り込んできた写真が、PICASAウエブアルバムからもアクセスできるようになったから、少なくとも私には便利この上ない。私のパソコン内（PICASA）→WEBサーバー上（PICASAウエブアルバム）→ブログサーバー上と一つの流れで写真ファイルが管理できたことになる。

私のブログは“長文”が多いので、読みづらいとよく苦情を聞くが、この「写真ブログ」から入れば、少しはブログの方も読みやすくなるかもしれない。

そんなこんなでこの冬休みは、写真整理で時間が取られそうだ。みなさんもPICASAWebアルバムで人生の写真整理をしてみてはどうですか。滅多に過去をふりかえらない私（それは思想的な原則）ですが、古い写真を見返していると時間が過ぎるのも忘れてしまいます。それに年越しの“行事”としては最適かもしれません。

私は久しぶりに家族の写真を掘り起こしたり（http://picasaweb.google.co.jp/ashidahironao/KEUDyJ）、恩師の写真を整理したり（http://picasaweb.google.co.jp/ashidahironao/rZexkG）と大忙しです。この際、印画紙写真をすべてスキャニングしてみるつもりです。

(Version 1.0)

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