その後の息子 ― 物産の“同期”と飲んだらしい 2007年07月14日
2007年07月13日
今日は就活にとどまらず、稲穂キッカーズ(僕が入っている、大学のサッカー同好会)にまで話が発展します。
さてさて。
昨日は内定を蹴った三井物産の「同期」と飲みました。
「同期」とか言ったら失礼なのかな。
でもそれしか言葉が見当たらないし。
ありがたい話で、懇親会で仲良くなった友人が誘ってくれました。
男子4人、女子4人っていう若干合コンチックな飲み会。
説明するのめんどくさいので簡単に書きますが、女子は全員初対面です。
要するに僕にとっては合コンみたいなもんです。
意識は合コンじゃないけどね。よくわかんないけど。
で、当たり前だけどみんな『物産』の同期。
その中に飛び込むテレ朝10チャンネルの男。
正直気まずさありました。
いくら誘ってもらってると言えど。
業界違いすぎでしょ。
でも。
結論から言うとすごく楽しく、有意義な飲み会でした。
やっぱり呼んでもらった側の礼儀として、なぜ「テレ朝10チャンネルを選んだのか」ってのをしっかり説明させてもらいました。
物産の同期と知り合った懇親会では99%物産に行くつもりだったし、そういう体で同期とも語っていました。
だから同期からしたら、
「なんで?」
「テレビって全然関係ないじゃん」
「商社とテレビって全く関係ない業界なのになんで受けたの?」
ってな疑問が浮かんで当然。
まずなんで商社に行きたいのか。
それはvol.1からのシリーズ12作で散々書いてきた。
ちょっと話それるけど。
そのシリーズといえば。
今回の飲み会で出会った子(初対面)の一人が、俺の日記を読んでくれてた。しかも結構長きに渡って。
なんでも「物産」で、日記キーワード検索したら俺の日記にたどり着いたらしい。
なんか上手く表現できないけど、すごく嬉しかった。
マイミクの人、ブログにコメントをくれる人、それぞれすごく嬉しいけど、マイミクでもない未だ出会った事のない人が俺の日記を読んで、少なからず面白いって言ってくれて、そして何かの巡り会わせで顔を合わせる。
で、仲良くなる。一つの出会い。
ネット社会の功罪、なんていうけれど、ネットにはこんな可能性が眠っているし、おもしろい。
社会やウンコみたいなマスコミ(僕が飛び込んでいく世界)は、何事も善悪の「悪」ばかりクローズアップする風潮があるけれど、善を上手く享受する事だってできる。
ちょっと論点ずれてきたから話戻します。
とにかく嬉しかったってこと!!
何の話してたんだっけ。
嗚呼。
商社になぜ行きたいのかってのは今まで散々書いてきたってとこかな。
そう。
確かに書いてきた。
でも書いてこなかったことがある。
商社とメーカーの違いは何か?
世間一般に言われるのが、
商社は『仕組みづくり』をしている。
メーカーは『モノづくり』をしている。
この分類だとテレビはメーカーに属するんだろうか。
広告はクリエーターでない限り、仕組みづくりだろうか。
この大きな分類でもテレビと商社は全く違うように見える。
君の企業選びの観点は何なのか?
テレビは面白そうで好きだから?
それだけの理由?
いや。
たぶんそれだけじゃ受からない。って俺は思う。
まず。
何か繰り返しになる気がするけど、俺は就職活動を迎えるに当たって、
「何かでかいことがしたい」
「世の中に影響を与えられることをしたい」
この超単純明快馬鹿っぽいいテーマを掲げた。
そこでなぜ、『仕組みづくり』と『モノづくり』と言う対極にある企業・業界を選んだのか?
まず。
僕は今までキャプテンやら、生徒会長やら、~委員長やら、人をまとめる役割を担ってきた。
そういう仕事が好きだった。
目立ちたがり屋だった。完全に。
そして紆余曲折あったが、稲穂キッカーズでも副キャプテンと言う重役を担うことを選択した。
なぜか?
人の上に立ちたい。
目立ちたい。
そんな欲望や、願望。
それは否定しない。
でもそれだけか?
いや。
人の上に立つことは僕にとって「手段」であり、目立つことは「結果」でしか無いんじゃないか?
そう思った。
いわゆる自己分析って奴ですか?
では、『人の上に立つことは僕にとって「手段」であり、目立つことは「結果」でしか無いんじゃないか?』とはどういうことか。
何か今日も長くなりそうですね、結局。
まず。
手段⇔目的
そう。
「人の上に立つこと」は僕にとって「目的」ではなく「手段」なのだ。
人の上に立つことが目標で、キャプテンや生徒会長をやったのではない。
くどいよ、芦田。と突っ込みを受けそうだから筆を急ごう。
僕がキャプテンやら、生徒会長や、稲穂の副キャプテンやらを担ってきたのは、
「色んな人、出来る限り多くの人たちと何かしらの目標を共有し、動かす。そしてその何かしらの目標を達成する。その中心にいたい。」
これだ。
上に立ちたいわけじゃない。
色んな人、多くの人の間に立ち、右からきたものを左へ受け流さないように意見を聞き、意見を言い、一個の集団、一個のグループの「仕組み」を作る。
高いモチベーションを共有し、高い目標を共有する集団の「仕組み」を作る。
その中心になる。
そんな仕事をやってきたし、そんな仕事が好きだ。
その『結果』として、その集団の分母がでかくなればなるほどに、僕は興奮するし、苦労するし、成長する。
そして「仕組みづくり」を行う集団、母体が出かければでかいほど結果として「目立つ」。結果論。
その集大成が「稲穂」と言う集団だった。
さっきから稲穂稲穂うるせーよ!
いったい何が大変なんだよ!とか言われそうだけど。
僕はそこで副キャプテンをやっていた。
稲穂とは。
一言で言えば「より体育会の本格的なクラブ活動に近いサークル」である。
「サークル日本一」を目指している。
で、実際今2年連続日本一を成し遂げている。
100人近いプレイヤーがいて、高校では中心選手だった奴が多く、中には県選抜レベルの奴もいる。
要するにみんなプライド高い。
要するにみんなサッカーに対するモチベーションの高さ半端じゃない。
だから朝5時起きでもみんな練習に来るし、遅刻したら責任を感じて坊主にしたりする。
頭おかしくね?
って言われるかもしれないけど、そんな真剣に「日本一になるんだ」って一つの目標を共有している集団って素直に素晴らしいって思う。
なかなかできることじゃないよ。
だってサークルだから。
部活とか体育会ってのは「監督」って言う絶対的な権力が存在する。
指揮系統が確立されている。
上から下。
監督の言うことは絶対であり、理不尽な要求は多々。
それでもけな気な僕らは言うことを聞いて、走った。
それが部活だ。
サークルは?
絶対的な権力など存在しない。
自主的な運営。
グランド管理も全て。
規律も無い。
みんな平等。対等。
そりゃもちろん最低限の上下関係はある。
そんなサークル。
そこに100名近くのサッカー馬鹿が終結する。
日本一を目指して。
日本一なんて部活でもなかなか成し遂げられない。
そんな目標を自主的に形成された集団で成し遂げたくないか?
そこで僕はメンバー選考という仕事を担った。
もう一人の副将、主将の3人で。
僕以外の二人はほぼ不動のレギュラーと言っても良かった。
もちろん僕も頑張ったし、試合に出たかった。
でも。
今だから言うけど、夏頃にある決断をする。
勝手に自分の中でね。
「こりゃどうも俺は出れそうにない。実力的に。
二人は出てる。メンバー選考も、自分のプレーも頑張らなきゃいけない。これは大変だ。体力的にもメンタル的にも。
じゃあ俺が出来ることはなんだろう?
自分自分ってなってサッカー頑張るのももちろん大事だけど、チームのために、チームをまとめるために、コミュニケーション部分を俺が担うべきなんじゃないか?
俺そういうの得意だし。
日本一を達成するのが至上命題である僕らにとって、A~Dチームまでの各プレイヤーをまとめることは必要不可欠だ。」
で、俺はここらへんから自分のことよりチームのことを考えるようになった。サッカー人生で初めて。
ぶっちゃけもう自分は出れなくて良いやって思った。
そんな志の低い奴!って怒られそうだけど、別にいい。
俺は俺のやり方でやるって決めた。
違う貢献の仕方があるって。
もう一人の副将、主将共にあまり後輩と積極的に絡むタイプではないので、不満がたまってそうな後輩や、伸び悩んでる後輩に自ら声をかけたり、彼らの不満のはけ口になったり。
中には「なんで俺出れないんですか?」とか、「どこがダメなんですか?」なんてめんどくさい後輩も沢山いたけど、俺は楽しかったです。
そんな奴らを気持ちよくプレーさせることを思えば。
そんな奴らのモチベーションを保ってあげること。
もしかしたら不満たらたらだった選手もいるかもしれないけど、その人はごめんね。
サッカーの話ばっかりしても真の「人間関係」ってのは築けませんから、飲み会やら、飯を食いに行ったりで、色んな話をした。
テレビの話、お笑いの話、本の話、映画の話、音楽の話、恋愛の話、下ねた。
そんなところから信頼関係や意識の共有は生まれる。
俺はそう信じて残りの副キャプテン生活を全うした。
もちろんサッカーの勉強もしたよ。
だって俺ほとんど専任監督だったから。
二人は試合に出ていますから、キャプサイで試合に出ていないのは僕だけ。
つまり選手交代など全責任は僕にあります。
責任重大ですからね。
まぁそんなこんなでどうにか最終的には「日本一」を成し遂げることが出来ました。
貢献できたかどうか評価するのは他人だけど、僕自身は結果が出たので満足しています。
自分なりに貢献できたんじゃないかなって。
稲穂キッカーズという「仕組みづくり」に。
すげー長くなったけど。
そんな「仕組みづくり」を社会に出てもしたいなんて思った。
今度はもっと大きなフィールドで仕組みづくりしたいなって思った。
だから商社。
だから広告。
テレビは?
ちょっと狭いのかもしれないけど、番組はチームで制作される。
そのチームの仕組みづくり。
無理がありますか?
でも、そんなチーム作業で作られた番組は何百万人って人がブラウン管を通してみる。
充分大きいじゃないか。
そういうこと。
そんなようなこと、そして実はテレビ好きだったってことを物産同期にとうとうと語りました。
最初は半信半疑だった彼らも「そりゃテレビに行くべきだ」って言ってくれました。
「天職だよきっと。」って言われてちょっと嬉しかったです。
そんなことはこれからの自分次第だけど、そういってくれる物産同期に感謝感謝です。
改めて彼ら、彼女らのレベルの高さ、良さを感じられた飲み会だったし、彼らの商社に対する考え、思いも聞けて良かった。
お互い10年後どんな顔して仕事してるんだろうね、なって言ってましたが、こんな風に気軽に楽しく飲めてればなって思います。
彼らには近いうちに三菱商事を追い抜いてもらいたいです。
とにかく。
収穫の多い飲み会だった。
なによりも一番最後まで悩んでいた物産と言う会社の同期の前で、自分がテレビに決断した経緯を自分なりに話せたことが良かった。
改めて自分の決断を確認し、自分の決断に自信を持てた。
勝負は2008年4月から。
勝負はこれから。
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http://www.ashida.info/blog/mt-tb.cgi/825
就職活動お疲れさま
ところで、息子さんは何故、父が校長をされている専門学校には行かなかったんですか?
行かなかった理由を教えて下さい。
それは、簡単な理由です。我が息子は、高校3年の段階で、なりたい職業イメージが全くなかったからです。いい年をして未だにそれがありません。
大学の4年生である今でさえ、まだ職業イメージがわかない。その右往左往ぶりが彼の就職活動に良く表れています。
自分が何に向いているのかわからないまま専門学校など選べません。私の学校の見学会に来る高校生達は、必ず(曖昧ではあるけれども)仕事のイメージがあります。
私は先の記事でこう書きました( http://www.ashida.info/blog/2007/06/post_208.html#more )。
こんな危うい(私の息子のような就職)選択は、わが専門学校生では絶対にありえない。専門学校生は、日々の勉強がそのまま就職への自信と展望にかかわっている。自分が何で会社に貢献できるかをわかっている。
というより、会社は、自分の実力を表現する衣装に過ぎない。だから会社を文字通りの意味で“選ぶ”ことができる。そもそもわが学生たちは、入社した途端に、会社の先輩に学校で学んだ新しい技術を教えている学生もいるくらいだ。
ところが、大学生は会社をその意味で選べない。勉強の延長に就職が見えないからだ。そもそも勉強そのものをしていないのだから、選べるわけがない(勉強したのは受験勉強だけ)。それに中身がないのだから選ぶ根拠(基準)がない。結局、追い込まれて、「好き」「楽しい」が大事、と言っているに過ぎない。
「あなたは、中身がないからそう言っているだけだよ」と私は言った。
「そうだけど、でも、中身がないのだから、それしかないよ」。
from 6月13日の『芦田の毎日』
今もこの気持ちに変わりがありません。