ダイソン掃除機・再論 ― 海外製品は本当に日本を“知らない”のか 2006年12月16日
何か(わけのわからない)誤解があるようなので、2点、指摘しておきます。
●第1の誤解 (「ダイソンはゴミ捨てが大変」という誤解)
私が、ダイソンはゴミ捨てが大変、と言ったのは、ゴミ捨ての処理操作が大変、と言ったのではありません。処理としては、どこのメーカーにも負けず劣らず、簡単です。ボタンを押せばいいだけです。
私が「大変」と言ったのは、ダイソンがどんな掃除機よりも細かいゴミを吸い取っているために粉塵が舞いやすい、ということです。これはむしろ名誉なことです。サイクロンタイプでゴミ捨て時に粉塵が舞わない、固まったゴミとして簡単に捨てられるというのは、むしろその掃除機が微細粉塵を吸っていない証拠(掃除ができていない証拠)でしかありません。
だから、ゴミ捨て時に微細粉塵を吸わない分、(ダイソン以外なら)綺麗でいいと言うことにはならない。その場合には、(掃除のできていない)日常的に微細粉塵の舞う絨毯の上で暮らすことになる、ということなのですから。
特に喘息やアレルギー性の病気を持っている人(家族にそういった人がいる場合)なら、ゴミ捨ての時に微細粉塵の舞わない掃除機は、むしろ病気を悪化させる要因だと思った方がいいのです。
ダイソンは排気口に鼻を近づけても粉塵の匂いがしない唯一の掃除機です(それくらいに部屋の微細粉塵を掃除機のサイクロン筒の中に閉じ込める掃除機です)。喘息やアレルギー疾患の人が家庭にいる場合には必須の掃除機です。
手動であれ、自動であれ、毎回フィルター掃除が必要な日本のサイクロン掃除機は、排気口からアレルゲン(喘息の元となる微細粉塵)を吐き出しまくっている掃除機だということです。国産の掃除機は、ゴミを捨てるときには粉塵を吸わないかもしれませんが、肝心の掃除をし続けている間はずーっと部屋に微細粉塵(仮に微細粉塵を吸引できたとして)をばら撒きまくっている掃除機だということです。
●第2の誤解 (「ダイソンは外国製品だから日本家屋には合わない」という誤解)
ダイソンが外国メーカーだから、日本家屋には合わない。大きくて取り回しも不自由というのも大きな誤解です。
ダイソンは日本家屋専用の製品を作っています。ダイソンの社長自身が「僕らは日本のダイソン社員や消費者の家を見て、(日本の)掃除機の収納にさけるスペースは25×20×31.5センチほどの狭さしかないことに気づいた(…)。これじゃお手上げだ」と言って作ったのが日本専用の現在のダイソンです。今売っているDC12タイプからのものがそうです。音もはるかに小さくなりましたし、大きさもはるかに小さくなりました。
これは単に収納だけの問題ではありません。
たとえば、先ほど取り上げた東芝の「タイフーンロボ」は、4.8キロ、シャープは4.7キロの重さですが、ダイソン(DC12 PLUS)は、4.0キロに過ぎません。はるかにダイソンの方が軽い。
大きさで言えば(いずれも本体)
東芝 270(幅)×375(高さ)×265(奥行き)
シャープ 250(幅)×399(高さ)×247(奥行き)
ダイソン 230(幅)×290(高さ)×340(奥行き)
ダイソンの方が重さはもちろんのこと、大きさでも日本製に比べて一回り小さいのがおわかりかと思います。取り回しの点で特にダイソンは不便ということはありません。
さらに言えば、日本製は、本体の突端にホースの取り付け口があるために、10センチ以上、本体から固定筒(ホースの付け根)が飛び出ていますが(結局全体では奥行きが350ミリを超える!)、ダイソンには、そのような突起は一切ありません。その分、取り回しはむしろ楽なはずです。小回りも主導輪の大きさからしてはるかに俊敏です。
海外のメーカーに対する偏見に対して、ついでに言っておくべきことがあります。ダイソンのアフターサービスは、私が知る限りでは、国内メーカーのどの掃除機にもないものです。
まず2年間の保証期間がメーカー保証としてつきます。
故障した場合にはダイソンの掃除機自身に自己診断装置が付いており、自宅の受話器を傾けて、そのダイソン掃除機自身が発する音をメーカーの担当窓口に“通話”させれば、それで故障箇所がわかるようになっています。電話のその自己診断“音”で直るか直らないかをまず自動判断し、自宅で直らない場合は、宅配便の担当者がダイソンを預かりに自宅訪問し(すべてダイソン自身が手配してくれます)、わずか 3日後(中一日)に修理されて戻ってくるようになっています。往復の送料を含めてすべて2年間は無料です。
こんなアフターサービス=メンテナンスをやってくれる掃除機メーカーはダイソンだけです。日本のメーカーの方がはるかにユーザーをバカにしています。
私は、ダイソンに悪い点は何一つないなどという気はありませんが、狭い経験主義や無知に基づく誤解だけは払拭すべきです。
掃除機技術の健全な発展のためにも、日本の巨大な家電メーカーがいかに子供だまし(主婦だまし?)のような掃除機を作り続けているかを認識すべきです。
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