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 ウイルコムのW-ZERO3[ES]を買ったが…(写真付き) 2006年08月06日

仕方なく、ウイルコムのW-ZERO3[ES](http://www.sharp.co.jp/ws/007sh/)を27日の発売日に買った。「仕方なく」というのは、結局また使わなくなるだろうという予想が先に立つからである。

昨年の暮れに発表された先代のW-ZERO3(http://www.sharp.co.jp/ws/004sh/index.html)は、最初から、「絶対に使わない」という確信があったので手を出さなかったが、今回は、重さが220グラム→175グラム、厚さが26ミリ→21ミリ。これなら「使えるかもしれない」という淡い期待があった。

私のここ数年のモバイル環境は、PCは、レッツノートのR3(http://panasonic.jp/pc/support/products/r3d/index.html)。PDAは、SONYのCLIE PEG-TJ37(http://www.sony.jp/products/Consumer/PEG/PEG-TJ37/index.html)→DOCOMO M1000(http://www.nttdocomo.co.jp/product/business_model/m1000/index.html)→ZAURUS SL-C3200(http://ezaurus.com/lineup/slc3200/index.html)→ 今回のW-ZERO3[ES]となる。またその間、おまけに浮気をした機器としては京セラのAH-K3001V、vodafone の702NKなどがある(http://www.ashida.info/blog/2004/12/hamaenco_4_117.html)。

PEG-TJ37については、 http://www.ashida.info/blog/2004/09/hamaenco_4_79.html 
M1000については、http://www.ashida.info/blog/2005/04/hamaenco_5_38.html
SL-C3200については、http://www.ashida.info/blog/2006/05/u.html
にそれぞれの経緯を記しているが、帯に短し、たすきに長し、というのが、ここ数年のモバイル環境だ。

PEG-TJ37は、PDA史上最強の製品だったが、通信機能がない
M1000は、これを使って電話をする気が起こらない
SL-C3200は、大きい、重い

今回のW-ZERO3[ES]は、重さ170グラム、厚さ21ミリと何とか大きさだけはクリアできた(私の経験では重さは150グラム以下、厚さは20ミリ以下が理想だが)。モニタ画面も2.8inchと、現在私が使っている携帯電話(DOCOMO D902iS)の2.8inchと変わらないが、解像度は先代のVGA(640×480ドット)を踏襲しており、携帯電話(D902iS)の2.8inchQVGAの4倍の情報量がある。これならなんとかインターネットをブラウジングできる。もちろんキーボードも先代のW-ZERO3を引き継いでスライド型で踏襲されている。キーは私の親指でなんとか打てる程度の大きさを保っている。

これから買おうと思っている人のためのアドバイスを10点にまとめてみた。

1)色についてはブラックとホワイトの2種類ある。私はパンフレットで見る限りはホワイトかな、と思っていたが実物を見ると文句なくブラックの方がいい。表面をディンプル仕上げにしている点ではブラックもホワイトも変わらないが、高級感はブッラクが圧倒的。ホワイトが安っぽく見えるのは、上下の天井部分と底部の仕上げがよくないという点につきる。

2)筐体の剛性度が低い。スライド型キーボードの可動部分の確保のために、あるいは軽量化へのぎりぎりの詰めが、結局のところ剛性感をなくしてしまった。使い方によってはいつもミシミシと音を立てている。

3)電池の持ちはやはりよくない。先代の欠陥をまったく克服できていない。モニタが小さくなって少しは持ちが良くなったかな、と期待をしていたが、やはりダメ。一日持つか持たないかだ。

4)操作のきびきび感は、なんとか我慢できる。悪くはない。

5)この種のタイプではM1000が先行していたが、私がM1000を手放したのは、肝心の電話が使いづらかったことだった。理由は二つ。一つは電話内に伝言メモ機能がなかったこと。二つめには短縮ダイヤル発信がなかったことだった。このZERO3[es]は伝言メモは備えているが、短縮ダイヤルができない。しかし連絡帳がワンタッチで開き、検索もフルテキスト検索+シーケンシャル検索機能が付いており、M1000よりははるかに使いやすくなっている。電話機能としては使えないことはない。

6)MS-OUTLOOKとのシンクロはさすがにWindowsOSを使っている分、申し分なし。OUTLOOK だけでなく、WordもExcelもPowerpointも、そして動画ファイル、音楽ファイルもどんどんシンクロして持ち運べる。シグマリオンⅢ以来の快感だ。

7)OSについて言えば、WindowsCE以来の豊富な資産を活用できる。早速、広辞苑やジーニアス英和辞典などの辞典類、またマイペディアなどの事典類を入れた。ついでに小遣い帳(http://www.vector.co.jp/soft/other/wince/se212821.html?g)も入れてみた(この小遣い帳はなかなか良くできている)。ちなみに外部メモリーもminiSDカードを使えば、2GBまで拡張できるから、ほとんどどんなファイルを入れても耐えられる。私が現在使っているのはTEC製の120倍速miniSDカード。9500円で手に入れた。miniSDカードも安くなったものだ。

8)大きさについては、ズボンのポケットなら特に気にすることなく持ち歩ける。スーツの内ポケットならさらに問題はない。要するに通常の携帯電話と同じ感じで持ち歩ける。

9)今となっては、インターネットもメールも、インターフェイスとしては携帯電話の右に出るものはないが、このZERO3[es]は、その8割くらいの利用勝手で使うことができる。

10)面倒くさいのは、充電器やPCとの接続。毎回、ケーブルコネクタを抜き差ししなくてはならない。ドック類がまだまったく販売されていない(充電ドックはまもなくサードパーティから出るとのこと)。特にUSBケーブルは位置的にドック接続ができないだろう。何を考えているのかわからない。

現在私は携帯電話としてはDOCOMO D902iS(http://www.nttdocomo.co.jp/product/foma/902i/d902is/index.html)を使っているが、これにほとんど不満はない。この携帯電話も2GB のminiSDカードが使えるし、音楽だけではなく動画の再生も自由自在だ。OUTLOOKとの同期も出来る。インターネットのフルブラウジングも出来る。下りの速度もPHS (ZERO3)の3倍の速さだ。

モニタは、ZERO3の4分の一の情報だから見劣りがするが、結局、キーボードのあるなしが、ZERO3との最大の違いということになる。FOMAにもキーボード付きの携帯電話が出てくれば(すでに法人用で出ている!)、結局、私はそれに“戻る”ということになる。当面はD902iSとZERO3[es]の“併用”状態が続く。

DOCOMOは、最近おサイフケータイに命をかけている(ワンセグは後回しになっている)。これもなかなか楽しいし、便利だ。JRの改札口を携帯をかざすだけで通過できるなんて夢のようだし、レストランやスーパーでサインレスで支払いができるなんて、これまたサイコー。ウイルコムのPHSにはまだこれらの機能がない。

もう一つ、このZERO3[es]の価格について思ったことがある。インターネットで買うと(https://store.willcom-inc.com/ec/)、このZERO3[es]は、29800円。これは通信機能付きのPDAとしては破格の値段だ。ほとんど同じ機能でZAURUS SL-C3200は、7万円近くするから、半分以下の値段でZERO3[es]は手に入る。

おそらく、実際の製造コストは、ZAURUSなみに(それ以上)かかっているのだろうが、ZERO3[es]はそうは言っても携帯電話。通信使用料が継続的に入ることを考慮しての価格が、この29800円という破格の価格なのだろう。シャープもZAURUSを単独で開発したり、売ったりする気がなくなったのは、どうやらそういった通信機器としての売価(売ってからコストが回収できるという非自立的な価格)の格差にあったのだと思う。

全体的な評点として、このZERO3[es]は65点から70点の出来というところか。PDA(http://e-words.jp/w/PDA.html)というものを使ったことのない携帯電話ユーザーにとっては、もっと高得点が取れるかもしれない。現に、私が持っているのを見つけた教員(インテリア科の白井科長)がデザイン(と形)に興味をもって「僕も欲しい」と言いだし、強力なコネを使って、売り切れが続出する中、一台確保してあげたが、「これってサイコーですね」と使って2、3日して興奮していた。

彼は旧来のノートを使うアナログ派なのだが、これで「ノートから離れられるかもしれない」と言う。こんな(PDAへの)入り方もあるんだ、と思った。私の苦節20年のPDA歴を知らない幸せな人たちなのかもしれない。

●ZERO3[es]とFOMA D902iS
D902iS+ZERO3es.jpg
このように並べてZERO3[es]を小さいと思うか大きいと思うかは人それぞれだろう。厚さはほとんど変わらない。重さは約50グラム ZERO3[es]が重い。

(Version 1.3)


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投稿者 : ashida1670  /  この記事の訪問者数 :
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