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 いよいよ入院しました 2006年01月17日

今日(月曜日)はいよいよ入院の日。ノートパソコン以外の大概の荷物は、昨日宅急便で2個口にして送っており、今日は通常のビジネスバッグ1個で充分だった。

午後二時に入院手続き。病棟は、中央棟最上階21階(手術室もこの棟の3・4階にある)の10号室(2110号室)。受付カウンターのすぐそばの部屋だった。この階は個室専用の階なので静かでよい。

最初、看護師の入院生活の心得のレクチャーを受けるが、個室なので、特に日常生活と変わることはない、と判断。外出届はいるが、特に門限もなし。食事も「好き嫌い」の傾向は聞いてくれたが、イヤなら外で食べればいい。ただし水曜日の手術後は、その気になるかどうかわからない(体調がダウンするから食欲そのものが減衰するに違いない)。

後は、フロアに居る先生から手術の説明を聞いた。私の病名は「慢性副鼻腔炎」。通常「蓄膿症」と呼ばれているもの。膿が鼻腔の中に固まってこびりついており、それを切り刻みながら掃除機のようなもので吸い取っていくのが手術の内容。ただし、私の膿は30年40年かかってできた大量のもの。脳壁や眼孔に近いところまで広がっており、下手をしてそれを傷つけると視力低下や頭痛が後遺症になってしまう。それはしかし「滅多にない」ことだし、慈恵医大の鼻腔内内視鏡手術は全国でもトップレベル(=その手術のパイオニア)なので「ご安心下さい」とのこと。しかも院長の森山先生(http://www.jikei.ac.jp/hospital/honin/greeting.html)が執刀担当されるので問題はないとも付け加えてくれた。手術前には、この副作用の説明は必ずされるらしい。場合によっては大量出血によって輸血の必要も出てくる。日赤の血液なんてあやしいに決まっているが、その血液輸血の承諾書にもサインしなければならない。

私の、この手術にはもう一つやっかいなことがある。内視鏡を入れる鼻の骨自体が曲がっているため、その鼻の骨をけずってまっすぐにしてからの手術になるらしい。そうでないと内視鏡操作自体が行き詰まってしまうとのこと。聞けば、日本人の7割の人の鼻の骨は曲がっているらしい。最初の30分間は、この鼻の矯正。残り1時間半から2時間の手術。単純な手術にしては長い。

「術後は痛みはどれくらい続きますか」とそのフロアー医に聞いた。

「そうですね。水曜日に手術して、2日間(木、金)と綿を詰めっぱなしですし、その間は鼻は腫れ上がっています。痛いと思います。そして最後の日に綿類を取り払うときも痛いと思います。その以後は個人差があります」と淡々と言われてしまった。

淡々と「痛いと思います」と言われた方が本当に痛そうだ。

2時間以上かかる手術なため、麻酔は全身麻酔。夕方6時くらいに担当チームの女医が病室に来訪。麻酔は静脈麻酔とガス麻酔(呼吸経由)の二つを使うらしい。静脈麻酔は普通の点滴と同じ。ガス麻酔は静脈麻酔後のことで、私にはほとんど意識されない。静脈麻酔をして意識がなくなってから、口からチューブをつけて強制呼吸に入るとのこと。やはり全身麻酔は呼吸器系も“眠ってしまう”のだ。

そのチューブの挿入がもとで呼吸器系に傷が付き、術後も痛む場合があるとのこと。かわいい顔をした女医さんがさりげなく言ってくれる。「でも、鼻の術後の痛みの方が強いため、ほとんどわからないんですけどね」と笑いながら言ってくれる。「だよね」と私も笑いながら受け答えたが、何をかわいい顔をしていいやがるんだ、と内心では怒っていた。チューブくらい傷を付けずに入れろよ。眠っているからと言って(「痛い!」と声を上げないからと言って)、何をしてもいいというわけでもないだろう。

そこで、私はそのかわいい女医さんにこう質問した。「麻酔医がうまい、下手という場合、何をもってそう言うの?」。

「そうですね。最近はチームを組んで取り組みますし、コンピュータが管理していますから、そんなに失敗はしないんですよ」

「でも手術中、麻酔が浅い、濃いという判断はどんな指標で見ているの、そのコンピュータはどんな指標で動いているの?」

「静脈麻酔の場合は、ほとんどが体重指標です。ガス麻酔は脳波の推移を見ています。それと血圧。血圧があがるときには、麻酔は浅い。神経と血圧は相関しています。大体、この三つで麻酔の深浅を管理します」

「なるほどね。麻酔って、身体の何に働きかけているの」

「交感神経を抑制します。ノルアドレナリン(http://search.yahoo.co.jp/search?p=%A5%CE%A5%EB%A5%A2%A5%C9%A5%EC%A5%CA%A5%EA%A5%F3&fr=top&src=top)を押さえて、交感神経を麻痺させます」。

「交感神経って、あのストレスや緊張と関係のあるやつ?」。

「そうです」

「そうか。手術なんて外敵そのものだから、リスク管理として交感神経が活発化するところを押さえて痛みを抑制するということか」

「そうです」

「なるほど、だから、さっき看護師さんから、明日の夜九時から飲食禁止と言われたのですが(場合によっては浣腸をして腸内を綺麗にしておくというのも)それが理解できます。ノルアドレナリンを押さえてリラックスの副交感神経が優位に立ちすぎると排尿排便管理まで(リラックスしすぎて)できなくなる、生体機能がそこまで落ちるということか。だよね。心肺機能までチューブを通して人工化するのだから、たしかに排尿排便機能が阻害されてもおかしくないよね」

「そうです。リラックスの加減は個人差があって一概に言えませんが、そういうことです」

「手術を数分(から10分くらい)で麻酔からは覚めます。手術室のとなりの予備室で麻酔が覚めるまで看護師が専従で付きます。そこで覚めてから病室への移動になります」

「あ、そう。病室へ戻ってきたときにはもう目は覚めているのね」。

「そうです。そのように麻酔はコントロールしています」

これで今日の病院側との話はほとんど終わった。また気づいたことは明日火曜日報告します。今、看護師がやってきて、「芦田さん、仕事ですか、そろそろ寝ないと」、と怒られました。


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投稿者 : ashida1670  /  この記事の訪問者数 :
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