泣いてしまった ― 2006年度入学生保護者説明会 2005年12月18日
今日(12月17日土曜日)は来年度の入学生の保護者説明会。9月からは既卒者の出願、10月からは高校生の出願がすでに始まっているが、年々出願時期は早まり、学生獲得競争は激化している。今日は、早くから出願を決めていただいた保護者の方々に学校へ来ていただいて、私自らが教育方針や教育体制の説明をさせていただき、その選択と決定に確信を持っていただきたいということで、保護者説明会の開催となった。
師走の12月に保護者説明会を開催するのは初めてのこと(毎年3月の下旬か4月の上旬に行っているhttp://www.ashida.info/blog/2005/04/hamaenco_5_32.html)。お忙しい中、40名前後の保護者の方に集まっていただき、2時間連続の長時間の説明会(ほぼ二時間私がしゃべりまくってしまった)になったが、途中退席される方もなく熱気を帯びたものになった。
情けないことに、この説明会の最後の方で、なぜか涙が出てきて泣いてしまった。5分くらい泣き声で声が出なくなった。会場は不思議な緊張感に包まれた。そばにいた建築科の杉本科長が「校長これで涙を拭いてください」とティッシュを差し出したが、(ハンカチくらい私でももっているよ、という感じで)「こんなことをしても業績評価の対象にはならないよ」と言ったら、笑い声も起こり、場が和んでなんとか切り抜けた。泣き始めたのはこんな話でこの説明会を締めくくろうとしていたときだった。
「最近は学生獲得競争が激化して、学校見学会ではお金のかかったイベント風の見学会や興味本位(見学者迎合型)の見学会が多い中、私どもは入学後の実際の授業に近いものを再現したまじめな見学会につとめております。他校と比べて募集が上手なわけでもなく、話の上手な営業がいるわけでもないわが学園の募集体制の中で、みなさんのお子様が、よくぞこの学園を選んでくれたことを私は(当たり前のことですが)たいへん評価しています。皆様のお子様が、家庭の中でみなさんにどう映っているのか私には(入学前のこの時期には)知るすべがないのですが、みなさんのお子様は、実はたいへんまじめな、将来を、そしてこれからの学生生活を真剣に考えているお子様であることを私は確信しております。今日、家にお戻りになったら、ぜひともお子様をほめてやってください。私どもの学校を選択されたということは、本気で勉強したい、本気で夢を叶えたいとお子様が(単独で)見学会=体験授業に参加されて決断されたことを意味しています。毎回見学会で同席させていただいた私は確信を持ってそう言えます。お子様は保護者のみなさんがお考えになっている以上に自分の将来をまじめに考えておられる、そう私は思っております。まさにそういった学生のためにこそ取り組んできたのが私どもの(先ほどまでに説明した)教育改革の取り組みでした…」というあたりから胸がこみ上げてきて、言葉に詰まりはじめた。泣いてしまった。
幾人かの保護者の方が、同じように泣いておられるのが見えたが(恐縮!)、後で冷静に考えれば、これは単なる自画自賛(自己満足)の涙に過ぎない。私としては、思いのままに自然にこみ上げるものがあったのだが(特に、お子さんをほめてやってもらいたい、というくだりで言葉に詰まってしまった)、大失敗の自画自賛説明会かもしれない、と不安が広がった。感想アンケートに何と書かれるかが不安でたまらなかったが、以下がアンケートの全文だ(回収率は95%)。何とか思いが伝わったようだ。ほっとしている。
●アンケート全文
校長先生自ら説明してくださったことに感激しました。校長先生、各科の先生方のご苦労が手に取るようにわかりました。先生方も評価されたり評価したり生徒たちと一緒に、或る意味、生徒のように苦労してくださることがわかり、申し訳ないと思いつつ安心いたしました。
校長先生もおっしゃっていましたが、話をうかがっている途中で、いい学校を選んだなあ、帰ったら子供を褒めちぎってやろうと思っていました。
他校へも(あと2校)見学していましたが、決め手は何だったのかと思っていましたが、(他の学校はジャンボで工科さんは人数もちょうどよい)などと思っていただけでした。しかしそれ以上に子供なりに感じたものがあったのだとあらためて思いました。そして安心しました。ありがとうございました。どうぞよろしくお願いします。保護者説明会に出席してよかったです(インターネットプログラミング科の保護者:TI様)。
専門学校としては授業評価など改革に取り組まれ、学生のフォローも充分されていることがよくわかりました。よろしくお願いします(WEBデザイン科の保護者:MO様)
口頭質問しましたので、他は特にありません(インターネットプログラミング科の保護者:YK様)
専門学校はお金を払えば誰でもが入れ、運営上お願いしてでも在籍させて卒業に至ると聞いておりましたので、専門学校への進学は賛成ではありませんでした。親として同じ支出があるのなら短大(最近は不人気とは聞いていますが、社会にはまだ学歴として認められています)を希望していましたが、早く仕事ができる人になりたいためと専門学校を希望し、いくつかを見学、いろいろとギリギリまで迷ったあげく、杉本先生の熱意と校風と女子が少し多い? と決めたようでした。
説明会に参加させて頂き、いかに夢を与え魅力ある人材を創るかと日々情熱を傾けられている様子を聞くことができ、迷いが信頼に変わりました。子供たちに意欲のある授業を行い理解させる、常に前を目指すことは、とても大変かと推察しますが、どうぞぬくもりのある学校でもいて下さい。学園祭も楽しみにさせて頂きます(建築科の保護者:YA様)。
本人が(この学校に)決めたことでしたが、この説明会で親も本当に安心できました。シラバスの明確化などすばらしいと思いました(インターネットプログラミング科の保護者:KF様)。
わかりやすい説明でした。信頼して子供を預けることができます。よろしくお願いします(インターネットプログラミング科の保護者:YF様)
校長先生のよどみないお話に大変驚き、また感動いたしました。昨年、一度大学に入学したものの、このまま日々を過ごしても有意義でないと考え夏休みで退学しました。この学校でしたら本人が思っている以上に充実した毎日が送れるのでは、と思います。どうぞよろしくお願いします(インテリア科の保護者:MI様)
信頼して、お願いしたいと思っています。教育体制については、本人がどこまでやっていけるか心配ですが、よろしくお願いします(建築工学科の保護者:RK様)
よろしくお願いします(建築工学科の保護者:YR様)
子供がよくもこの学校を選んだと思いました。勉強をあまりしてこなかった子です。やはり付いていけるか心配しております。よろしくお願いします。今日は出席致しましてとても良かったと思いました(建築科の保護者:KI様)。
「評価と改善」のある改革を大いに賛成いたします。説明は理解しました。地方より上京しますので不安がありますが、よろしくお願いします(インターネットプログラミング科の保護者:MA様)
校長先生のご説明を伺いまして本当に良かったと思います。今日はじめて足を運びましたが、できましたら授業見学をさせていただきたく存じます。娘が自ら進路を決めこの学校を選びました。本気でやってくれそうな、そんな思いです(?科の保護者:MS様)。
本日は保護者説明会に参加して良かったです。芦田校長のお話はとてもわかりやすく、学校の内容がわかりました。帰りまして入学する本人に今日見せていただいた資料を見せて話し合いたいと思います。本日はお世話になりました(建築工学科の保護者:KS様)
息子が自分で学校見学に行き、他校の見学にも参加し、東京工科専門学校に入学したいということでした。校長先生の熱い思いに共感したようでした。本日直接お話を伺って大変良い学校に入学できたとうれしい思いでおります。しっかり勉強してもらいたいものです。サポート体制も充実しており、彼も頑張ってくれるものと期待します(記名なし)
熱心さがわかりました。今後ともよろしくお願いします(記名なし)
緻密なカリキュラムで大変良いと思います。ただ全回出席できるかどうかを考えると少し不安になります。本人はとても意欲的なので是非夢の実現に向けて頑張って欲しいと思います(建築工学科の保護者:YS様)
教育方針・教育体制は、子供がとても気に入っていました。私も校長先生の熱い説明に感動しました。よろしくお願いします(建築科の保護者:YY様)
本日はありがとうございました。見学会の時に校長先生のさまざまなチェックシートをいただいて、はじめは「ここまできちんと考えていただいているんだ」とびっくりしました。今日、授業内容の方針を伺って改めてここまでする意味がわかりました。またこれを公表するということは私も含めて本人がしっかり付いていかなければ、と思いました(建築科の保護者:MK様)
しっかりした教育方針に感心しました。娘をお預けすることになりますが、よろしくお願いします(記名なし)
授業の一コマ一コマを本当に大切にされていて安心しました。またシラバス、コマシラバスともにとても詳しく書かれていて子供が納得して授業を受けることができると感心しました(インテリア科の保護者:RH様)
校長先生の涙を信じ、入学させ、一人前の社会人となるよう教育して欲しいと強く思いました(?科の保護者:TK様)
来校するのは3回目ですが、子供を安心して預けることができます(インターネットプログラミング科の保護者:TY様)
いくつかの専門学校の資料を取り寄せ、他の学校の見学もした中で、この学校に決めました。規模の大きい学校もあり、選択に迷いましたが、設備の大きさよりしっかりと中身の濃い、1人1人に光を当ててくれそうな授業内容に期待しています。初めての1人暮らしで、生活の基盤からの出発ですが、2年間社会人としての第一歩をここから大きく成長できるチャンスに活かしてもらいたいと思います。よろしくお願いします(インターネットプログラミング科の保護者:NA様)
お逢いすることができてよかったです。私も保護者説明会は好きではないのですが、2時間素敵な時間で楽しめました。そんな先生のそんな学校に入学することができる彼は幸せだと思います。勉強をしながら自立して行ってくれないと困りますので、保護者会だけではなく顔を出させてください。そんな場所が増えた私もまた幸せでございます。
眠ってしまった高校の数年間…。今度は好きなことを自分の希望の学校で“アツイ”先生方から学べる自信も大切にして欲しいものです(建築科の保護者:HH様)
子供の目と意志で入学を決意したわけですが、あらためて校長先生のお話を伺いまして間違いなかったと思いました。2年間まじめに頑張ってもらいたいと思います(建築科の保護者:MA様)。
授業内容が明確である“コマシラバス”の取り組みに学生側への対応が前向きであると確認いたしました。毎回のカルテについても本人の課題が明確になり、意欲へとつながることを期待したいと思います(建築工学科の保護者:NU様)。
本日の説明会に参加しまして、この学校の教育方針・体制がよくわかり、子供がこの学校をなぜ選んだのかがよくわかりました(記名なし)
校長先生のお話、とても良く理解できました。今後親としてできることは健康に気を付け、授業に集中できる環境を作ることだけと感じました。高校卒業時「WEBデザインに進みたい」と言う息子に、受験を勧め、浪人、大学中退と遠回りをさせてしまったことを後悔していますが、この学校にお世話になることになり、今後期待しています。どうぞよろしくお願いします(WEBデザイン科の保護者:TW様)
私は初めてこの学校に来たのですが、とてもまじめな学校なのでびっくりしています。学校選びは子供が1人で調べていろいろな学校へ行き、決めて参りました。今日説明会に来て、校長先生のお話を聞いて、親が言うのも変なのですが、まじめな優しい子なので、あの子がこの学校を選んでくれてとても良かったと実感しています(建築工学科の保護者:YT様)。
高校での生活ぶりを見ていると授業に付いていけるのか不安はありますが、本人の意志で決めた進路ですので、目標を持って努力してくれることを見守ってあげたいと思っています。よろしくお願いします。長男が情報工学の4年制大学に在学中ですが、何をしているのかまったくわからない授業も4時間くらいで帰ってきているので半分遊びのようにも感じていました。本日の説明を聞かせていただいて、専門学校の見方が変わりました(インターネットプログラミング科の保護者:SI様)
教育方針についての説明、大変よくわかりました。先生方も熱心に教えていただけると思いましたので今日来てとても良かったです。
今までどうしてもこちらの学校が良いと言っていましたが、家からも遠く勉強を続けられるかとても心配でした。でも先生方に応援してもらい2年間頑張って欲しいものです(WEBデザイン科の保護者:KI様)
専門学校と言っても教育目的か、経営目的かによって実情は色々だということは承知していましたが、貴校が実直に教育向上に努力されていることが理解できて安心しました。逆に我が子が授業に付いていけるか心配になりましたが、親として背後から応援したいと思います(記名なし)
本日の保護者説明会に参加することができて本当に良かったと思います。今の時代誰でもが大学進学を当たり前のように希望している中、家の子は高2の頃より先輩と一緒にこの学校を見学し早くから専門学校希望でした。正直言って親として学歴を考えると迷う気持ちがありましたが、全く子供は迷うことなく、何校かの専門学校の建築科を見学していましたが、こちらの学校に決定した理由がよくわかりました。子供いわく、高校生活は友達とか部活では満足していましたが、勉強は今ひとつ集中できずあまり熱心に勉強することなく終わってしまいました。そのためか自分は大学に行っても遊んでしまいそうなので遊ぶ暇もない程勉強できる専門学校として、この学校を選んだということを最近知りました。おそらく何回か見学に来て、この学校なら楽しく勉強に燃えられると思ったのでしょう。親子ともとても教育方針に期待しております。私も幼稚園教諭をしていた頃があり、本当に子供が集中して楽しめる授業をするということは本当に先生方の日々の努力がいることだと思います。やっと本当の学校に出会ったように思っています。どうそよろしくお願いします(建築工学科の保護者:KM様)
常日頃、企業では当然のように行われ施行されている事柄が、学校という現場で軽視されていることに疑問を持っていましたので、校長先生の今日のお話には共感を覚えます。唯一の心配は、このシステムが娘の在学期間中、その後にかかわらず急に変更されないかということです(建築工学科の保護者:KN様)。
学校入学志望を決めたのは本人でしたが、その時は本当にこの学校で大丈夫なのか心配しておりました。学校見学もこちらの学校だけだったので心配していましたが、今日の校長のお話を伺って安心しました。お話の中にもありましたが、大学進学も勧めたり、1校だけ大学に行ったようですが、自分には大学は合わないと言っていましたので、こちらに決めたようです。こちらの教育方針や体制について、説明いただいて納得のできる質疑があり、応答があり、来て良かったと思います。こらから2年間よろしくお願いします(建築科の保護者:匿名)
内容が良かったと思いますが、ちょっと難しく細かすぎたかなと思いました。が、すごく子供たちのことを考えておられるとも思いました(インターネットプログラミング科の保護者:YI様)
とてもわかりやすく納得のいくものでした。特に落伍者を出さないよう先生方が御努力されている様子などもうかがえ、この熱心な体制や方針が子供たちの心をとらえたのではないかと思いました。体力がない息子には、ついていけるかどうか心配ですが、その都度先生と相談していきたいと思います(インターネットプログラミング科の保護者:匿名)。
※このブログの今現在のブログランキングを知りたい方は上記「教育ブログ」アイコンをクリック、開いて「専門学校教育」を選択していただければ今現在のランキングがわかります。
この記事へのトラックバックURL:
http://www.ashida.info/blog/mt-tb.cgi/613
芦田様へ
奥様との交流をされているお仲間からこのブログを知り読ませて頂いています。
申し訳ありませんが芦田様のお仕事についてはほとんど存じ上げておりませんでしたので興味がある記事だけ読んでいました。ところが校長先生の涙の記事を読んで同じ年頃の子供を持つ親として少し感想を書かせて頂きたくなりました。
芦田様の息子さんと同じ世代の学生たちを預かられる校長としては、保護者の方たちのお気持ちも学生たちの気持ちも同時に感じられたのではとこちらまで胸熱くなりました。
同じ世代の子供を持つ私もどの子供の学校にも「入れたもののこんなものかしら」と目をつぶることが多く学校のトップから具体的に話を聞けたことは一度もありません。ですから参加された保護者の方たちの感想はもっともだと思いました。
芦田様が息子さんの小学生の頃の運動会で、滑り台のてっぺんにあがってビデオカメラをじっとかまえられていた姿をわすれることができません。息子さんはいつもかけっこがお得意でしたよね。
未来のある若い人たちへそして若い人たちに関わる方たち(私も含めて)への力強いメッセージをこれからも続けてください。
RPテストセンター開設、転職後の先日は就職のフェローシップの小山とのお時間を頂戴し、誠にありがとうございます。
芦田先生と初めてお打合せさせていただいた時の先生の教育への情熱は忘れることが出来ません。確かお約束の時間を1時間も超えて2時間ほど商談とは関係の無い教育論で情報交換させていただきました。
芦田先生が哲学を専攻されたことは、非常に重要でして、今の若者が親も含めて「どのような目的を持って、如何に生きていくべきか。」がスキルや知識を身につける前の重要な前提条件でありますが、そこでみなさんが悩んでおられます。
芦田先生が学校の基本理念を説明されている時に涙が止まらなかったのは芦田先生のご人格の発露でして、貴校は個人を大切にした適塾のような学校であると思います。
ただいま恥ずかしながら原点に戻ってエクセルを学ぶと同時に48歳で住友から別子銅山に臨在録を持参して煙害の解決に当たった伊庭貞綱の伝記を読んでいます。
昨年ハーバードの先輩を火事でなくし、親友が自殺。
最近父親が急逝し、生きるとは何ぞやという命題にぶち当たっています。人間は生きるからには、天が何らかのミッションをその人に与えるはずであるという考えを持っておりますが、自信を失い休職いたしております。
この度の2006年度入学者説明会における先生の涙を知り、教育者の原点を思い出しました。亡き父の菩提寺の境内清掃、トイレ掃除、床磨きから再出発しようと決意を新たに致しました。