「最初の二ヶ月」教育は学生をバカにしている。 2005年09月30日
「最初の二ヶ月」ではダメ、ではなくて、「最初の二ヶ月だけではダメ」と言っているのです。われわれは、1年間の全体を5期に分節化し、最初の二ヶ月を「1期」(導入期)として独立させるくらいに重要視していますし、入学の4月には「フレッシュマンキャンプ」として、1泊2日で集中研修まで行っています(http://www.ashida.info/jboard/read.cgi?num=146)。初期教育(あなたの言う「立腰教育」)の重要性をカリキュラム自体に具現化しています。他のどの学校よりも初期教育の重要性を認識している学校です。
しかし私の指摘は、そこにあるのではありません。たとえば、私は学生と学内で出くわして、授業の苦情などを聞き出そうとするとき、大概の学生は、話そうかな、と言った表情をしながらも、「やっぱりやめとこ、先生がかわいそうだから。校長に言うとあの先生泣き出すかもしれないし何されるかわからないもんな。それにそんなにひどい訳じゃないし」と言って立ち去っていきます。
その意味では学生はわれわれが思うよりはるかに“大人”です。「最初の二ヶ月」で2年間、3年間の態度が形成されるとすれば、それは「二ヶ月教育」の成果なのではなくて、学生の方が学校や先生よりも“できている”からです。もっと悪い言い方をすれば、“あきらめている”と言っていいのかもしれない。だから卒業まであきらめさせない教育が二ヶ月教育後の課題になっていくわけです。
高等教育は、トレーニング(訓練)の場所ではなくて、教育(ティーチング)の場所です。啓発と研鑽の場所です。その意味では、カリキュラムの緻密な構成と教員の専門性を高めることだけがすべてであって、家庭教育的な訓練では2年生の出席率は上がりません。「最初の二ヶ月」教育というのは、私には学生をバカにしている(なめている)としか思えません。
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