症状報告(59) ― またまた点滴 2004年09月25日
この2,3週間、季節の変わり目で暑さと涼しさとが交互に繰り返したため、家内の体内の温度調整が、その“変化”に追いつけず、また緊急ステロイド点滴となった。24日金曜日の15:00前後のことだ。
明日土曜日が丁度検診日だったので、担当医も「明日診ましょう」とのことだったが、私の仕事場へ電話をかけてきた様子が少し変だったので、「無理を頼んでも今日点滴してもらった方がいい。不安なまま長い夜を耐えるのもよくない」とすぐに病院へ行かせた。丁度息子の太郎が夏休み中だったので、タクシーで同伴させた。ここ、2,3日は、“通い入院”が続く。運良く、明日(土曜日)の朝もMRIのキャンセルがあり、至急造影剤検査ができそうだ。
家内は、もともと脊髄の神経をやられているので、体温のセンサーが少々壊れている。従って、寒い、熱いを感じるのが遅い(特に右足の前側と左足の後ろ側はほとんど神経が壊れている)。また体温を自律的に制御する能力も欠いている。
だから、少しでも気を抜くと(たとえばクーラーによる室温低下や扇風機による冷風の環境下に、暑がりの私と共に過ごしていたりすると)、たちまち血流が滞り、一気に身体が動かなくなる(足がピノキオのようになる)。昨夜(木曜日の夜)も気づいたときには足の硬直だけではなく頭痛と吐き気が襲っていた。身体が冷えてしまって、血流が一気に縮小したからだ。今も割り箸を口に加えながら寝ようとしている。「なんで?」と聞くと「口が開かなくなりそうだから」とほとんどわけのわからないことを言っている。神経の病気は、外からはまったくわからない。君子危うきに近寄らず、だ。
しかしどんな病気でもそうだが、〈血流〉というものは大切なものだというのがわかる。寒さが身にこたえるのは、寒さそのものの問題ではなく、そのことによって、〈血流〉が滞り、それが万病の元になるからだ。ストレス(安保徹ふうに言うと「交感神経の緊張」http://www.ashida.info/jboard/read.cgi?num=216.124.35)も〈血流〉を悪くし、身体の免疫的な抵抗力を衰退させる。特に神経がマヒしている家内の場合には、体温の自律制御ができないため二重、三重に困難を背負うことになる。
筋肉と神経の衰退と蘇生は、微妙なバランス(あるいは微妙なアンバランス)の上に成り立っている(たぶんこの関係は現代医学でもほとんど解けていない領域なのだろう)。季節の変わり目の“変化”に、家内の身体はまだ耐えられない。寒ければまとえばいいし、暑ければ涼めばいいが、変わり目の変化にはこういった一義的な対応ができない。
熱くてもダメ、寒くてもダメ、湿気もダメ、季節の変わり目もダメ。たぶん家内が生きていられるのは、(日本では)年に2、3ヶ月だけということだ。別にやっかいなことではない。年齢的には50歳の女性(精神的には15歳くらいの女性)が、神経生理学的(≒体力的)には80歳くらい(あるいは2歳くらい)になったということにすぎない。我が家は今やタイムマシーン状態だ。
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