六本木ヒルズにはじめて行って来た。 2004年09月15日
お恥ずかしながら、昨夜深夜にはじめて六本木ヒルズ(51階の六本木ヒルズクラブhttp://www.roppongihillsclub.com/opening/index.html )に行ってきた(もちろん遊びではなくて仕事の延長ですよ)。遠くから見ていると凡庸でくだらないビルだが、“現地”に行くとなかなか楽しい。
特に六本木けやき坂通り(http://map.yahoo.co.jp/pl?nl=35.39.29.824&el=139.44.0.248&la=1&sc=2&skey=%CF%BB%CB%DC%CC%DA&pref=%C5%EC%B5%FE&CE.x=245&CE.y=383 、http://www.coromo.com/shops/6hills/)からのアプローチには興奮した。ルイヴィトン(http://www.japan-architect.co.jp/japanese/2maga/sk/magazine/sk2003/sk10/work/02-01.html)の建物を反対側に見据え、上り坂にアプローチが続く光景(夜景)は、圧巻だった。夜中なのにひとりはしゃいでいた。
中に入ると、がっかりしたのはエレベータホールとエレベータの中の造形。モノトーンのデザインだが、単に貧弱にしか見えない。特にモノトーンがこのビル全体の色調(テーマカラー)であるわけでもないのに、この貧相さはどういうことだ。エレベータやエレベータホールは超高層ビルの顔中の顔。ここに意匠の命をかけないでどこにかける!
51階の六本木ヒルズクラブ(http://www.roppongihillsclub.com/opening/index.html )はまさしく会員制の“クラブ”。ここは、ちょっとしたお金持ちの接待ラウンジという感じ。ちょっとした、というのは、ほとんど成金(IT成金)に近い風情の30代の人たちがたくさんいたからだ。アッパーミドル以下の風情。ウルトラ民主国家日本の縮図のような51階の風景。この風景を見ているだけで楽しい。
AMEX(http://www.ashida.info/jboard/read.cgi?num=196)のプラチナカードを見せびらかしているのと同じようにして女性を個人的に連れてきている人もいる(数百万の会員料をつぎ込んでまでつれてくるほどの女性ではなかったが)。
この「六本木ヒルズクラブ」がふざけているのは、日本料理、中華料理、イタリア料理、フランス料理などほとんどすべての料理をフロア全体にゾーニングしておきながら、すべて「森ビル」直轄で、出店デパート方式ではないこと。「どこの板長を引き抜いてきたの?」と日本料理ゾーンのところでホストに聞いたら、はっきりとは答えなかった。だから、料理がおいしいとはとても思えない(招待してくれたこの会員も「まずくて腹が立つほど」と言っていた)。もてなしのウエイターもホテルのレストラン以下だ。
私がこの日に席を取ったのは、このフロアでもっとも景色のいい個室(毎日予約が一杯で会員でもなかなか取れないらしい)。最高の夜景だったが(東京タワーが小さく見えるほど)、それどまり。すでに全日空ホテル(http://www.anahoteltokyo.jp/rest/karin.html)で食事をすませていたから、ここではデザートだけをたべて夜景を満喫していたが、そういった使い方が、この“クラブ”の一番の利用法。こんなところでDINNERをする気にはとてもならない。ホームページを見ても、「お食事ですか、お打ち合わせですか」と最初に聞いてくるから、もともと銀座のクラブよりは知的な接待場という位置づけなのだろう。
でも、六本木けやき坂通りから坂をゆっくりとのぼっていくアプローチ(特に夜の10時以降)はサイコーですよ。ヴィトン(http://www.japan-architect.co.jp/japanese/2maga/sk/magazine/sk2003/sk10/work/02-01.html)の壁面全体の照明がスロープの斜面に刺激を受けて見事な空間を形成している(私には、このけやき坂の斜面がとびきり刺激的だった)。ここは人通りの少なくなった夜に来なければ意味がない。都市の面開発(通りの反対側までも同時に開発するという面開発)ならでは造形がなかなかのものだ。
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