スーパーマーケットの買い物は深淵だ。 2004年09月09日
家内が退院した今でも（退院した今こそ）未だに家族に夕食を作り続けている私だが（小鳥！？が親の持ち帰ってくる食べ物を待つように家内は私の遅い帰宅の食事を待っているが）、それでもそのことによって新たに発見することも多い。
スーパーの買い物上手は、年金暮らしのおばあさんだ。レジで並んでいるときに、かごの中身をみていると、かご一杯に買い物をしているのに、１０００円台だったり、中には１０００円以下の人もいる。
なぜ、そうなるのか？
中身をよーく見てみると、野菜をはじめ“生もの”ばかりが並んでいる。“生もの”が多いというよりは、パッケージされたものが少ない。箱に入っていたりするもの（完成品）が少ない。当然のことながら、一つ一つの単価が安くなる。だから量があっても総額で１０００円を切ったりする。
このおばあさんたちは、だから決してペットボトルなんてものを買ったりはしない。それならば実際にお茶を沸かして冷蔵庫で冷やせばいいだけのことだからだ。しかもそちらの方がはるかに新鮮でおいしい（たとえば伊藤園の『香り香る麦茶』http://www.itoen.co.jp/products/kobetsu.php?id=32 のパックをやかんに二袋いれてよく煮立てて、それをガラスのボトル（必ずガラスのボトル）に冷やして飲んでみてください。そうすれば、市販のアルミ缶やペットボトルの麦茶なんてとても飲めません。『午後の紅茶』なんて、紅茶じゃないし、あらゆる缶コーヒーもコーヒーじゃない！ そもそも「缶」や「ＰＥＴボトル」という入れ物自体がすべての味を台無しにしている！）。
だから何本もペットボトルを買ったりしている主婦はそれだけで失格。特に子供にせがまれて炭酸飲料のペットボトルを日曜日に買いだめしている主婦はもう完全に落第。小さな子供に炭酸飲料を飲ませるなんて（しかもＰＥＴ＝ポリエチレン・テレフタレートの毒入りで）、生理的にも性格形成的にも子供に「死ね」と言っているようなものです。
要するに単価で３００円を超えるようなものを日々の買い物で購入している主婦というのは、ダメ主婦だということ。そんな主婦の買い物は、レジカウンターで２０００、３０００円を必ず超えている。これは家計崩壊か、それとも金をかけている割においしい料理を作れていないか（愛情崩壊、子育て崩壊か）のどちらかだ。これでは亭主がいくら会社で頑張って働いてお金をかせいでも意味がない。スーパーのレジカウンターは、亭主の隠れた悲鳴と悲哀があふれている。バカな買い物の実態を会社で仕事をしている亭主は見ていない。高い衣服、靴や装飾品を無駄に買うよりも、はるかに犯罪的なのは、日常的なスーパーの買い物なのだということを“亭主”は知らない。
それもあってスーパーの買い物が面白いのは、買い物の量と金額が比例しないということだ。この買い物には主婦の知性と家庭への愛情がすべて表れている。結婚前の男性なら、そっと彼女を付けていって、スーパーでどんな買い物をしているのかを見ていれば、将来の家計や子育てがどうなるのかはすぐわかる。子育ての半分以上は、子供にどんなものを食べさせるかに関わっているからだ。日々の食事の環境が塾の環境よりも影響力が強いということを“教育ママ”たちはわかっていない。
私はいつもどうしたら１０００円で、かご一杯の買い物ができるかを、年金暮らしのおばあさんのかごをのぞき込みながら考えているが、それがどうしてなかなか難しい。年金暮らしのおばあさんは、単に経済力の衰えだけではなく、身体の衰えによって健康的なモノしか食べられなくなっているから（５０歳の私でさえ、もはやカップ麺は（食べたいけれども）身体が受け付けない）、彼女たちが何を食べているかは、ヘタな健康食本よりも示唆に富んでいる。
もちろんこれはたしかに生活レベルの問題だという人もいるだろう。今の『さえき』（http://www.ashida.info/jboard/read.cgi?num=170.124.25）の先々代の『伊勢丹クイーンズシェフ』（http://members3.jcom.home.ne.jp/melon/queenschef.htm）時代には（伊勢丹クイーンズシェフは今や東京では新宿伊勢丹にしかなくなってしまった）、一万円札で買い物する人がたくさんいて、一回あたりの購買単価も５０００円を超える場合が多かったようだ。そんな連中は、スーパーに、隠された買い物上手がいることを発見できない。そんな連中は安いものは安いもの、高いものは高いものというふうにしか〈モノ〉が見えていない。スーパーで色々な人が色々な買い物をしている楽しさが見えない。見ようともしない。スーパーはだから深淵だ。
※このブログの今現在のブログランキングを知りたい方は上記「教育ブログ」アイコンをクリック、開いて「専門学校教育」を選択していただければ今現在のランキングがわかります。
この記事へのトラックバックURL:
http://www.ashida.info/blog/mt-tb.cgi/470
