世界一速い「ザウルスSL−C760」使用速報 2003年06月21日
ザウルスSL−C760(http://www.sharp.co.jp/corporate/news/030516.html)が、今日発売された。「芦田の毎日」160番(http://www.ashida.info/jboard/read.cgi?num=160)で触れた懸案の『WEBPOCKET』(http://www.webpocket.net/ja/index.html)使用についてだが、『シグマリオン?』(http://www.wince.ne.jp/hpc2000/sigmarion.htm)ではダメだったものが、なんとザウルスSL−C760では見事に利用できた(大感激!)。ザウルスのブラウザ(NetFront v.3.0)が優れているのか、何が優れているのか未だにわからないが、大したものだ。これで私が25年近くに渡って書きためてきたワープロ原稿のすべてが、自由自在にザウルスで利用することができる。『シグマリオン?』の負け。ザウルスSL−C760の勝ち。
拙著『書物の時間』(http://www.terahouse-ica.ac.jp/ashida/、http://www.nakayama.org/polylogos/philosophers/heidegge.htm)は、1980年代の私の論文が4本入っているが、それらを書いていた頃に、その論文のすべてがザウルス(そのころはカシオの“電子手帳”)で読めるなんて想像だにしなかった。というより、Excel、Wordのどのデータでも(もちろん、画像、軽い動画データでも)ザウルスSL−C760から『WEBPOCKET』(http://www.webpocket.net/ja/index.html)にアクセスすれば、自由に手に入る。
前回の私のザウルスについての記事(http://www.ashida.info/jboard/read.cgi?num=79)で、私は復活したLINUXザウルスの意義を「ザウルスショット」(http://www.ashida.info/jboard/read.cgi?num=80.79.1)に見出していたが、PDA(http://www.mandal-art.com/palmq2.html)としての性能では今ひとつだった。
最大の欠陥は、動作が遅いということ。たとえばメールからスケジュールへ、スケジュールから連絡帳へ、連絡帳からメモへ、メモからTO DOへ、そういった一連の動作が全くできないほどに遅い。会議の終わりで次月の会議予定日などを決めるときにでも、その入力が終わる頃には会議室にいるのは自分一人というくらいに動作が遅い(だから自分の机に戻ってからOUTLOOLに入力してシンクロした方が速かった)。
その点ではSONYのCLIE(http://www.jp.sonystyle.com/peg/index.html)は動作がきびきびしており、PDAとしてはCLIEの方が優れているのかもしれない。しかしその動作が回のザウルスでかなり改善され、ほぼ気にならない程度に速くなっている。数字上では2倍の速さに改善されたらしい。実際に操作しても、最初からこの速さで出せよ、と言いたくなるほどに改善されている ― 前回ザウルス700と今回の750、760の比較データは次のサイト(http://digit.que.ne.jp/visit/index.cgi?Linux%a5%b6%a5%a6%a5%eb%a5%b9%2fSL%2dC750%a1%a2760%a4%ce%b3%b5%cd%d7)に詳しい。
CLIEがらみで言えば、LINUXザウルスのもう一つの欠陥は、検索機能だ。かつてのザウルス(LINUXザウルス以前)は、優れた検索機能が付いていたのに、LINUXザウルスの検索機能はお粗末としか言いようのない検索機能しかない。分野を横断した検索ができないし、同一分野内でも一回の操作で全体の検索ができない。今回の750、760のザウルスも検索機能の改善はない。760には、(750にはない)4種の辞書(国語、英和、和英、カタカナ)が付いているが、これは、従来のザウルスシリーズの辞書に比して最高に良くできた辞書に仕上がっている。この辞書の検索性を、PDA部分で活かしていないのが残念だ。
しかし機能面で『WEBPOCKET』が利用でき、速さが改善されたという点では、私のとって、最大の懸案が解決されたと言える。
最後に外観について一言。インターネットの写真情報で見ている限り、今回のザウルスは750が黒い蓋のツートンカラーで、760は700と同じシルバーのように私は錯覚していたが、実際に見てみると760は、蓋が白く、やはりツートンの配色になっている。従って、電池カバーも表の蓋と同じく白い蓋がいかにも取って付けたように付いていて、安っぽい感じが否めない。小さな電池の出っ張り(底面全体の30%程度の出っ張り)を隠すために底一面にそのカバーが付くというのは、前回の700のプラットホームをそのまま維持したためのコストダウン製品としか言いようがない。
シャープの立場から言えば、CPUを高速化、メモリを倍増(750の場合)、4倍増(760の場合)し、実質的な性能を大幅に向上させたと言うのだろうが、どうせ底面全体をカバーするのだったら、底面全体に延びた長時間バッテリー(20時間ほど持つバッテリー)をオプションで用意すればその意味もあったろうに。せめて表の蓋の部分だけでも700と同じ配色に留めておけば(質感は700の方がはるかに上)、まだ上品さは残ったような気がするが、わざとらしいツートン化は興ざめだ。
※ところで、私はこのレポートを書くために家内の病院(http://www.ashida.info/jboard/read.cgi?num=162.124.21)に新ザウルスを持ち込んで色々とトライしていたのだが、その帰りの首都高の走行中、車内に電話がかかってきて、「ザウルスばかりやって、私の様子を見てなかったんじゃないの?」と怒られてしまった。実際その通りだったのだが、「だって、新ザウルスの方が(足の悪い療養中のあなたよりも)ずっときびきび動くからね」と思わず言ってしまい怒られてしまった。でもそれくらいにザウルスは速くなった。家内もはやくザウルスのように蘇ればいいだけのことだ。
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