症状報告(5) ― 「太田さん」登場 2003年03月30日
昨日(28日金曜日)の夕方からやっと個室が空き、個室に移りました。本人はいたって元気。まだ雲の上を歩いているような感じは残っていますが、一人ですべてできます。早くて来週中くらいには退院できるとのこと。桜はもう散っているかもしれませんが。
今日はその個室に初めて行って来ましたが、やはりこれまでの6人部屋と違い、快適です(ただし向きは東向きで「広尾ガーデンヒルズ」(http://www.mitsui-hanbai.co.jp/rehouse/realplan/shops/rpc/azabu_c/hiroo/hiroo.html)の「ウエストヒル」(「広尾ガーデンヒルズ」の中ではそれほど豪華ではない仕様の3棟)しか見えない。桜の木もここからでは少ししか見えませんが)。
実は、最初に入院したときは、個室が空いていないばかりではなく、神経科のベッド自体がなく、婦人科(5階)の相部屋にいました。そのときには、窓側で南向き、まだ若い患者もいて、本人も個室でなくてもいいかな、という感じで元気でしたが、25日(火曜日)から神経科のベッドが空き、6階の6人部屋に移りました。これがいけなかった。周りは、老齢のご婦人ばかり。お昼はあちらこちらの痛みでやかましい。夜は、いびきの大合唱で眠れない。まだ仲良くなれていなかったということもありますが(こういった“騒音”問題のほとんどは、人間関係に起因していますから)、「眠れない、これじゃ治るものも治らない」と夜中に「メール」が来ていました。
私は、あなたのふるさとの「田舎のカエル」の鳴き声よりは静かなはず。「それに、自分も歳をとったらそうなるんだと思って生態学的に観察しておけば」と言っておきました。木曜日あたりには少し仲良くなってきたみたいですが、その矢先の個室移動となりました。この個室は一日2万円かかります。家内は社内に来る「保険おばさん」(元社員の「太田さん」という人)から入院保険一日1万5千円のものに入っていましたから、実質的な差額ベッド代は5000円/日。これくらいはしようがありません。
以前にもこの差額ベッド代については触れましたが(http://www.ashida.info/trees/trees.cgi?log=&search=%8b%d9%8b%7d%93%fc%89%40&mode=and&v=379&e=msg&lp=379&st=0)、入院時のおける個室環境について、もう一度整理しておきます。
1)何よりも連絡が自由に取れる。通常、病院では携帯電話が使えない。これは電磁波問題というよりは、相部屋問題。相部屋では一人が話し始めると、次々とそうなり、やかましくて療養どころではなくなるから、というのが禁止の実体。メールの入力音さえ病人にとってはやかましいため禁止されている。個室であればこの問題は解消される。たしかに病人にとって、外部との連絡は、かえって療養にならないという問題もあるが、家族との自由な連絡はそれ以上に価値がある。
2)トイレやシャワー(バス)が自由にゆっくりとできる。これも大切なことだ。
3)病院食以外の食べ物(果物や差し入れ)が自由に食べられる。自分だけで食べるのも気が引けるし、食べる音がするのも気になる。
4)見舞い・面会などでも話の内容が自由になる。特に病気のこと、担当医師「問題」、担当看護婦「問題」など他人に聞かれてはまずいことも治療中、療養中には多くなる。
5)インターネット(パソコン)ができる。下手な雑誌やテレビを見ているよりははるかに〈外部〉が見える。会社にいるよりは、この方が仕事ができるかもしれない。
6)とにもかくにも、病院に入ってまで他人に気を遣うのはたまらない。そのためにも入院保険は必須。
個室ベッド代(一人部屋)は、8000円/日(地方の病院の場合)〜上はきりがない。広尾の大病院で20000円というのは安い方だ。現にこの病院の個室は、この20000円が一番安い部屋。上は50000円以上のものも当然ある。
40歳、50歳を超えると長期入院をする場合も出てくる。保険なしに、個室ベッド代を払える人はそんなに多くいないだろう。生命保険(死んだ後の生命保険)よりはよほど大切な“備え”だと思う。私の家内の場合は、前回の3年前の入院時には8000円/日の保険にしか入っていなかった。そのときの個室ベッド代は18000円/日。松戸の「新東京病院」(http://www.shin-tokyohospital.or.jp/prof.html)。広尾の20000円の個室よりも松戸の18000円はバスも付いていて2倍くらい広いが。その入院の体験で退院直後15000円の保険に入り直しておいた。特に家内の場合は、そのとき病名がわからなかったので終身入院保険に入っておいたのがよかった。
今回の場合、「難病」指定された病気で入院した場合、10年単位の入院保険だと契約(更新)できない場合もあるからだ。現にAlicoなどの外資系は私の家内の場合(3年前の病名の不明の入院を経験した場合)ははじかれてしまう。その点、「太田さん」の「安田生命保険相互会社」は、終身入院保険のため安心できる。入院保険は「終身保険」でないと、10年間(入院保険は終身型でない場合、10年単位の更新が多い)の間にどんな病気で入院するかによって、10年後の再契約保険額が一気に高くなったり、場合によっては更新できない場合が出てくる。うかつに入院保険を請求できなくなったりする。10万円くらいの修理費用の自動車保険と同じだ。病気の場合は、更新できない場合は死ぬまで元気にしていなければならなくなるから、それは地獄だ。
40歳、50歳代の人で、まだ入院保険に入っていない人は早く入っておきましょう。終身型で一日20000円くらいが最低でも必要です。40歳、50歳代の人なら、月1万5千円から2万円が保険代です。
今日、その「安田生命保険相互会社」の「太田さん」が病室に来られ、保険調査のようなものをされていました。『22代庄之助最中』(http://www.wagashi.or.jp/tokyo/shop/0212.htm)を持って来られて頂きましたが、おいしい最中で、関東の和菓子にしては甘すぎず(関東の和菓子は甘すぎる)、なかなかの粒あんでした(私はこしあんが許せないタイプ)。お客さんが病気になる度に、こうやって病室を見舞わなければならないというのも大変なお仕事だ。
「太田さん」は、もともと私の家内の会社の同僚。だから会社の人間関係や春の人事異動の情報などにも(なぜか)詳しい。ひとしきり(小一時間)話した後に肝心の保険の書類の話になると、カバンを捜しても書類が見あたらない。「おかしいわね、どこにやったのかしら」。気にする様子もない。「また来ます」。これくらいの“軽快さ”がないと「保険のおばさん」はやってられないのかもしれない。
現に今日もなぜか「虎ノ門」に行って日赤病院を探していたらしい。家内によると会社でアポを取っても、その時間に来たことなど一度もないらしい。そんなこと怒る気もしないキャラクタの人だ。折々にこの人が東京の街をうろついている風景が目に浮かぶ。何しろ「虎ノ門」と「広尾」が一緒になる人なのだから。病院といえば、虎ノ門病院(http://www.toranomon.gr.jp/)と思っているのかもしれない。わからないわけでもない。この「太田さん」に幸あれ。
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おっしゃるとおりです。
20000円は必要ですし、「太田さん」が目に浮かびます。笑
病気はお金がかかります・・・。
頑張れ!太田さん