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 ユビキタススクーリング宣言 ― 新しいテラハウスICA 2003年03月16日

テラハウスICA(http://www.terahouse-ica.ac.jp/)のパンフレット作成が遅れています。今回は1000講座突破記念号になっており、その巻頭言を「ユビキタス・スクーリング」と名付けました。いち早く、ここで公開します。なお、来期講座カレンダー、講座一覧などは20日までにはホームページ上で発表します。パンフレットそのものは、月末になります。遅くなって申し訳ありません。

※「ユビキタス」については、とりあえず、http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2002/0930/special.htm を参照のこと。

●ユビキタス・スクーリング宣言

テラハウスICAは、1996年4月に誕生しました。今思えば、1990年代後半はWindows環境をネットワーク技術と結びつけたWindows95 OSの登場によって、インターネット時代の本格的な幕開けの時代であったとも言えます。テラハウスもそういった「IT時代」の幕開けとともに登場しました。開設講座数も最初は50講座足らずでしたが、今期には1000講座を超え、文字通り「都内最大級のパソコンスクール」(朝日新聞)となりました。

テラハウスの特徴は、?どんな分野でも広くも深くも学べる ?一回完結型のメニューで学びたいものだけを学べる ?料金が定額制で講座数や学ぶ分野に制限がない

というものでした。

しかしこういった特徴も、時間割に縛られた教室講座という意味では、多くの皆さんに享受して頂くものにはなっていませんでした。駅前とは言え、総武線・東中野にまでは通えないという制約はやはり大きく、全国から、支店は出さないのかというご要望(お叱り)のお言葉も頂いておりました。「パソコンを学ぶならここしかない」と言って三重県からお通いになっていた方もおられます。

しかしテラハウスの特徴の一つである開講講座数の多さ、カーバーする分野の多さを考えますと、品質(講師、カリキュラム双方の)を落とさずに支店展開をすることには限界があり、思いとどまらざるを得なかった次第です。支店があるスクールはほとんどがありふれたパッケージもののスクールであり、「フリータイムレッスン」「オンデマンドレッスン」というスクールの実態も自習学習の変形にすぎなかったことを思えば、この断念も致し方ないものだったと思っております。

しかし、2000年を境にインターネットがブロードバンド環境になり、高速常時接続環境が仕事場にとどまらず、家庭内でも急速に普及し始めました。その中で私たちは、現に開講して、好評を頂いている講座を生放送のように収録して各家庭や職場に伝えることはできないのかと考えるようになりました。

まず最初に私たちは、映像会社の協力の下、実際の教室にカメラを持ち込み、講座をビデオ収録しました。テラハウスの講座が教室の外にはじめて開放された瞬間でした(2002年12月)。決まった時間に受講しなければならない時間割を超えて、いつでもどこででも受講できる体制が作られただけではなく、教室講座の予習や復習も自由にできることになりました。最強の教室講座体制も同時にできたわけです(詳しくは○○ページをご覧下さい)。

もう一つは、WEB上での受講です。インターネットを通じて、この収録された映像を供給すること。これは、ビデオと並んで、もう一つメディア展開が増えただけのことではありません。コンピュータメディアの可能性はコンピュータ学習の新しい可能性を暗示しており、私たちがWEB上での講座展開にもっとも可能性を感じたのは、その検索機能でした。

まず自分の学びたいことが、どの講座の中に含まれているのか、分野に関連するキーワード(担当講師名も含めて)を入力すれば、その内容を含んだ講座が自動的に取り出せるようにしました。さらにそれだけではなく、取り出された講座の中で、どの箇所で、何が語られているのかさえもキーワードで検索できるようにしました。たとえば、Excelの講座の中で「関数」というタームで検索すると一講座の映像の内部にまで検索機能がはたらき、その「関数」という言葉が出てくる箇所からストリーミングが再生される画像意味論的なインデックス機能を持たせています。さらには、テキスト教材のそれぞれの見出しの中にも時間インデックスを持たせ、そのタイムを打ち込むと、その見出しの箇所からストリーミングが再生されるという見出し再生機能も備えています。このことによって、講座の細部に至るまで、講座を横断する必要箇所を授業映像と共に取り出すことができるようになりました。授業映像のフルテキストデータベースが完成したわけです。

テラハウスのカリキュラムはもともとコース制を取らず、必要な内容だけを学べる講座体制になっていました。Excel「コース」というものは存在せず、存在するのはExcel「グラフ」講座やExcel「情報関数」講座というように。こういった講座の分節を一講座90分(昼間講座の場合)、一講座2時間40分(夜間講座の場合)で提供していたわけです。必要な講座をできるだけ短い時間単位に分節して、必要な諸講座をハイパーリンクのように渡り歩ける受講体制をとっていました。しかし「90分」でも、「2時間40分」でも、そしていかに内容的、効果的に講座を分節化してもその中にはすでに知っている内容や難しすぎる内容が含まれざるを得なかったわけです。それが教室講座の限界でした。

しかしWEB上ではそれが分刻みで検索でき、本当に必要な箇所だけの受講が「講座」という単位を超えて自由にできるようになったわけです。これが究極の「オンデマンド」ハイパーカリキュラムということになります。

従来の「フリータイムレッスン」や「オンデマンド」レッスンは、CD−ROM教材や既成教材を利用した自習学習がほとんど。「質問があれば聞いて下さい」式の単なる“放置”学習でした。そして自宅や会社で24時間自由に学べるというものではもちろんなかったわけです。“何でも学べる”とは言ってもCD−ROMや教材が複数あるだけで、分野ごとに専門の教員が控えているわけでもない。中上級を目指そうとしたときには全く役に立たない学習スタイルでした。しかし時間に制約されたり、クラスメイトに影響されない(自分のペースで学べる)という点ではその役目があったのかもしれません。

従って社会人スクールの次の課題は、専門的な講師と教材の手応えのある学習を教室ででもどこででもフリータイムで提供することだったわけです。じっくり取り組んでみたいが教室講座に通い続ける自信がないし、暇もない。今更、先生のペースや受講生のペースを気にしながら学びたくない。変化の速いIT社会の中で、学び意識も持ちながらも、そういった“今更”の教室講座を敬遠してきた人たちのためのまじめなカリキュラムが必要だったわけです。

教室講座をそのままに再現した映像や教材を自宅に会社に(ビデオででもストリーミングででも)お届けする。それがテラハウスの解答でした。これは簡単なことのように見えて、そうではありませんでした。実際の授業をメディアに載せるということは、「授業公開」と同じことを意味し、教室講座の講師や教材、その授業運営などの品質が高い水準で保持されていなければ、不可能なことであったからです。教材開発も含めた各分野の専門教員を常駐させているテラハウスだからこそできた授業メディア化だったと考えています。東中野テラハウス一校において総勢50名の教員体制、10名以上の各分野の専門教員が常駐している学校はテラハウス以外にはありません。

教室の授業をビデオやストリーミング放映において、教室の外に出す意味は単に検索データベースを形成する以外にいくつもの意味があります。

一つは、一度聞いただけでは難しい講座、さらっと一通りやればわざわざ実際の授業に出る必要もない講座。そういったことの選択は実際の授業に出てみないとなかなかわからないというのがこれまでの教室受講の欠陥でしたが、その同じ授業を、その授業の前後でビデオ・ストリーミング受講し、難しいところは何度も「繰り返し」再生し、わかるところ(すでに知っているところ)は、どんどん「早送り」再生するというように“サブ受講”を重ねていけば、初心者の方でも上級を目指そうとされている方でももっとも効率的に成果を出せるようになります。

もう一つは、教室受講を予定しておいて急に用事ができて受講できなくなったり、時間割(開講予定日)を待てずに受講したい講座があったりした場合、ビデオ・ストリーミングのサブ受講でそれを補うことができます。スクーリング(教室受講)と24時間、自宅・会社など時間と場所を選ばない“サブ受講”とを組み合わせることによって、教室受講のインタラクティブで実践的な内容とビデオ・ストリーミング受講の自由な手軽さとを兼ね備えた受講スタイルができあがります。教室講座(“通う”学習)に対する不安もこのサブ受講によって解消します。

三つ目の最後になりますが、教室には通えないけれども本や自主教材で継続的に勉強するのに不安を覚える人にも、実際の授業そのものを収録したテラハウス流ビデオ・ストリーミング講座はきっとお役に立てると思います。専門分野の教員が常駐しているテラハウスの“通信教育”ですので、メールによる質問や電話でのお問い合わせは自由自在。特にストリーミング受講では、講座単位に開設された掲示板(Q&A)がパソコン学習に付随する様々な疑問を解消してくれます。

1000講座を突破して広くも深くも学べるテラハウスが、必要に応じて、そして時間や場所の制約を超えて、自由に受講できる「ユビキタス」体制を構築しました。必要であるにもかかわらず、かつてどこにもなかった講座群が、どこででも、いつでも受講できるユビキタススクールテラハウス。この機会に是非、ご利用下さい。

投稿者 : ashida1670  /  この記事の訪問者数 :
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