ミサワホーム設計(2) ― 二階間取り編 2003年02月26日
> ●ミサワホーム
> 特徴はリビング・ダイニングを天井高の高い大屋根にし、開放感の高いものとしたこと。この大屋根は(単に室内空間を広く見せるためだけではなく)、母屋の庭からのアプローチや造形に際して下がり勾配の屋根を大胆に見せることによって全体の造形を低く見せることに貢献し、母屋との調和のある造形を演出してもいる。また(この敷地は)防火地域のため木造では100?しか床面積を確保できない不利を、中庭を作ることによって広がり感のある生活感を演出していること。特に1階玄関部分や2階寝室の出入りでの中庭が演出する空間の造形は開放感の豊かなすぐれたものだ。
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> 難点は、3つある。
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> 1)ミサワホームの難点はメリットと裏腹になる。一つは、大屋根構造にしたために南面の日差しを取り込む度合いが落ちてしまっている。その“欠陥”を設計者は充分心得ており、そのためのトップライトスペースを取っているが、これはおまけ程度。
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> 2)中庭を取ってしまったために二階スペースでは廊下部分が多くなり、100?制約の難点がそのまま露呈してしまっている。結局は1LDKになってしまった。いくら一人暮らしとはいえ、これでは狭すぎるかも知れない。
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> 3)LDKのスペースについては、ダイニングのテーブルに向かい合う向き(東西に向かい合うベクトル)とリビングの向き(南北)との整合性、そしてまたテレビスペースとの整合性が取れておらず、使いづらい動線になっている。この原因は、たぶん二階への階段をリビング開放型にしたことにある。そのことによって、空間上部的には開放型になったが、食卓と居間との動線設計には困難が生じてしまったと言える。
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> 4)階段をオープン型にしたため(また中庭を作ってスペース設計の自由度が下がった分)、2階の寝室からはもっとも遠い位置に階段を作ってしまった。せっかくのエレベータからも遠い。これは62歳の婦人の一人暮らしには向かないかもしれない。
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> 5)最後の難は、ミサワは金額が高い。二次プレゼンに進んで1割くらい見積もりもさげてきたが、それでも鉄骨造の旭化成と同じくらい高い。
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