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 嗚呼、「タマちゃん」。 2002年09月13日

 「タマちゃん」が、神奈川の帷子(かたびら)川に現れたらしいhttp://dailynews.yahoo.co.jp/fc/entertainment/tamachan/。多摩川、鶴見川と移動し、今度ばかりは、母海に帰ったかな、と思われていたのに、今度はもっと居心地の悪い帷子(かたびら)川に登場した。

 私には、タマちゃんは、家に帰りたくない、(帰りたくても)帰れない潜在的な失業者か、寂しい40代の亭主(女房にも家族にも相手にされない亭主)にしか見えない。特にあの無機質な目が、無機質であるが故に、その寂しさを強調しているように思える。水面からわずかにしか顔を出さずに隠れるようにして悲しげな目だけを出しながら、家族や女房を気にするタマちゃん。気にすればするほどその家に帰ろうとしない「タマちゃん」。

 さすらう「タマちゃん」は、不況時の40代を象徴している。自然界の悲劇ではなく、ましてや「エコロジー」問題でもなく、人間界の悲劇と哀愁の象徴だ。私には、だから早く母海に帰れ、と素直には願えないし、ましてや、保護しろなんてことも言えない。そして、なるようになる、なんて残酷なことももっと言えはしない。嗚呼、「タマちゃん」。

投稿者 : ashida1670  /  この記事の訪問者数 :
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