ザウルスよ、さらば 2001年10月22日
JORNADA720(http://www.jpn.hp.com/companyinfo/pressrelease/fy2001/cbo01jornada.htm)を買ってしまった。
私のモバイル環境は、FIVA103(http://www.casio.co.jp/mpc/103/) ― 実はFIVAの206(http://www.casio.co.jp/mpc/205_206/product/)を買ったが、やっぱり大きさが気に入らず、もう一度103を買い直していた ― 、とザウルス(http://www.sharp.co.jp/products/mil1/)だったが(両者とも、並みいるモバイルノートとPDAの中でもっとも優秀な機械である)、この二つにはそれぞれ足りないものがあった。
FIVA(=モバイルノート)は、バッテリーの持ちの悪さと重さ。ザウルス(PDA)は、入力の不便とモニタの大きさ。PDA(ザウルス)もインターネットができるようになってきていたが、ブラウジングにはやはり画面が小さすぎる(実用のレベルではメールが限界だろう)。
実際の活用の不便としては、たとえば、会議録(書記ではなくても、会議で重要なことや思ったことをリアルタイムにまとめたりする場合)などには、ノートパソコン(FIVA)もPDA(ザウルス)も役立たない。会議場では、ノートパソコンは大きくて目立ちすぎ、電池がもたない。ザウルスでは、モニタが小さすぎるのと入力が不便。だから、私のFIVAは、ずーとカバンの中。自宅とテラハウスを往き来しているが、登場する機会がない。たまにデータ更新のためテラハウスの机に置くくらい。ザウルスも同期をとって、テラハウスの机に常時置いているが、同期をとるのは住所録とスケジュールくらいで、普段デスクトップで使っているWordファイルやExcelファイルをザウルスに“格納”する気は、おこらない。
ザウルスをその手軽さから会議に同席させても、次回会議の日程を決めるときにしか使いはしない。それくらいのことなら、紙の手帳と変わらない。要するにザウルスでは会議の資料を格納、参照できない。FIVAでは、格納はできるが、参照しているうちに電池がなくなる。ACアダプタを会議室に持ち込んでいる奴もいるがそんな奴は大概仕事のできない奴だ。
この二つの問題を解決するのがWindowsCEだったはずだが、これまで、CASIOのWindowsCE機を2回。それにシグマリオンの初代機と計3回買ったが、どれも一週間くらいで手放していた(http://www.ashida.info/trees/trees.cgi?log=&v=1&e=msg&lp=1&st=400)。初期の頃のWindowsCE機は単語登録さえできなかったこと、またパワーが足りなくて、ザウルスのデータを移したら砂時計が出たままハングアップしていたこと、拡張メモリが使えず、データベース機能を持てなかったことなど、とても“商品”とは言えないものだった(http://www.ashida.info/trees/trees.cgi?log=&v=38&e=msg&lp=38&st=400)。
最近のWindowsCEは、単語変換などATOKなども使えるようになり、パワーもあがり、かなり良くなっていた。シグマリオンⅡ(http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/0%2C1608%2C5712%2C00.html)などは、そう悪くはない商品だ。たぶん、WindowsCE機をねらうなら、このシグマリオンⅡかJORNADA720のどちらかしかない。シグマリオンⅡのダメなところは、P-inCompact( http://muchy.com/review/pincompact.html)を使うと拡張メモリが使えないこと。要するに拡張デバイスが一個しかないことである。これでは、存分にデータ収集ができない。
あと、これは個人的な趣味だがデザイン的にモニタ周りに余白が在りすぎて、好きになれないなど、いくつか手を出せない理由があった。JORNADA720は、その点、P-inCompactを指しながらも、拡張カードが使える。私も早速192メガのカードを買った。モニタ周りのデザインも断然格好がいい。大きさもシグマリオンⅡより一回り小さい。JORNADA720の欠陥はシグマリオンⅡより価格が高いことだ。JORNADA720は、最安値で74,500円(http://www.kakaku.com/prdsearch/detail.asp?ItemCD=003020&MakerCD=34&Product=HP%20Jornada%20720)。シグマリオンⅡなら40,000円台で手に入る。シグマリオンⅡのいいところは、機能ではなくて値段の手頃さだ。場合によってはザウルスより安い。
私自身は新宿のヨドバシカメラで買って(10月12日14:30くらい)、82,500円(ポイントカードを使って7万円の半ばというところか)。通常の買い方で言えば、シグマリオンⅡとJORNADA720とは約2倍の価格差がある。この差をどう評価するかだ。それはひとえに拡張メモリを使うかどうか。たとえば、会社で自分が作ったWordファイルやExcelファイルを全部持ち歩きたい、あるいはメールのすべてに同期を取りながら(メールデータベースをモバイルで築きながら)、どこからでもメールの受発信をしたいと思うなら、JORNADA720を買うしかない、そう思わない人は、シグマリオンⅡではなく、ザウルスで充分だ。
たしかに、ザウルスもE-1 (http://www.sharp.co.jp/sc/eihon/mie1/)からは、拡張性も充分になっていたが、P-inCompactでインターネット環境も、100メガ以上のメモリ拡張も可能になると、今度は、急にモニタとキーボードが不満に思えてきた。それが私の“転向”の動機だ。要するに、あれもこれもできるようになったザウルスは、もはやザウルスではなくなったということだろう。今となっては、PI-8000(1997年発売)が最後の、もっとも優秀なザウルスだったと思う(http://hp.vector.co.jp/authors/VA004474/zaurus/zaulist.html)。
JORNADA720を約二日間使っての印象では、まず、インターネットが軽快だ。モニタの大きさがやはり決定的。ほんとにどこでも使えるという感じ。「芦田の毎日」の総集編(http://homepage2.nifty.com/ashida_h/adhimai01.htm)もそっくりそのまま落とせる(ザウルスでは7割止まり)。また、ふたをあげても10センチ程度の高さだから、机の上でも目立たない(会議のときに、あるいは電車の中の膝の上でも目立たない)。
おまけにMP3のステレオ再生でウオークマンの代わりにもなる(早速「よろしく哀愁」「逃避行」「Englishman in New York」など10曲ほど入れてみた。音もそこそこのものだ)。年をとるとウオークマンを単独で持ち歩く気持ちにならないが、これなら常時もっているものなのでありがたい。常時もつという意味では、JORNADA720は重さと大きさ(容積)でザウルスとFIVAのちょうど中間くらい、500グラムの重さ(大きさは、189(W)×34(H)×95(D)mm)。
私はザウルスをポケットに入れて使ったことがないので、このJORNADA720の大きさなら、ザウルスを手にもつのと同じ。そしてモバイルノートで最小のFIVAでは、“(指で)持つ”というよりは、(JORNADA720から見れば)やはり“(手のひらで)抱える”という感じ。これでは、やはり会議で社内を自由に持ち歩くという感じにはならない。JORNADA720なら、ザウルスと同じ感覚で持ち歩ける。
今後一ヶ月は、約10年近く8代にわたって使ってきたザウルスデータ(住所録とスケジュールデータ以外の)をJORNADA720に移すのが大変だ。もちろん、住所録管理やスケジュール管理は、ザウルスの方がはるかに優秀で(PDAの中でも秀逸!)、WindowsCEのそれは全くダメだが、そこはWindowsCEの、パソコンとの親和性をとるしかない。いよいよモバイルノートとザウルスの2台を捨てるときが来た。
それはそうと、金曜日の午後、ヨドバシカメラから帰る途中西口の地下道を通ったのがいけなかった。私は通勤が車なのでめったに駅を歩かない。たまに歩くと新鮮に見える。新宿駅西口地下は、昔よく財布などの安売り露天商がいたが、当日はスーツの安売りをしていた。これがいけなかった。一万円の安売りスーツや千円のネクタイを扱っていた。
私は、街を歩くと必ずかばん屋とネクタイ売り場には立ち止まるクセがある。クセが出てしまった。割と感じのいいネクタイが置いてあったが買うところまでは行かなかった。68点くらい。ところが、スーツをついでに見ていたら少し質感の違う感じのいいスーツがあったので、なかなかいいじゃないと思って手にしたら、68,000円。こんなところで68,000円も使うのだったら、デパートで買った方がいいじゃない、なんて独り言を言っていたら、店のおじさんが、「でもゼニヤのスーツですよ。デパートだったら16万円はしますよ」と。「ゼニヤ」なんて知らない私も、そういった“言われ方”に弱い。ブランドをほとんど知らない私も(知らないが故に)ブランドに弱い。JORNADA720の入ったヨドバシの袋をぶら下げたまま買ってしまった。嗚呼、こんなはずではなかった。
買った直後(店から10メートルほど離れたところで)、テラハウスの広報部で、ブランドに強い(=ブランドには強い)ジャニーズ系の小林さんに携帯で電話をした。「ゼニヤって、知っている?」「知っていますよ。有名じゃないですか」「あっ、そう。露天商で買ったんだけど、大丈夫かな」「知りませんよ。だまされたんじゃないですか」「やっぱり?」「いつできるんですか」「水曜日」「楽しみにしていますよ。早く着てきてください(笑い)」。
まあ、こんなことでもない限り、そんなブランドスーツを買ったりはしないからいいか、と思いながら、西口の改札口を通ってテラハウスに戻ってきたが、いったい、今日は何を買いに行ったのだろうと考え込んだ。テラハウスの受付に開口一番「ゼニヤ」の話をしたら、普段無口で無愛想な堀さんまでが「だまされていますよ。ウソに決まってるじゃないですか」と(笑いながら)叫ぶ。この子、結構人生苦労してるんだな、と思ったりもしたが、やっぱり、私の方がまぬけなのか、とも。いい勉強をさせてもらった新宿参りだった。
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